ベラ・ラムジー&ジェフリー・ライトが語る『THE LAST OF US』S2 エリーの変化とは?
日本では4月からU-NEXTで配信されている『THE LAST OF US』シーズン2。シーズン1が大人気となった本作は、原作ゲーム2作目をドラマ化し、再び話題を呼んでいる。シーズン1のラストから5年後を舞台に、世界を壊滅させた感染症の免疫を持つ少女エリーの新たな旅と戦いが描かれている。
参考:『THE LAST OF US』アビー役ケイトリン・デヴァー独占インタビュー 「悪役は俳優の夢」
シーズン1から主人公のエリー役をベラ・ラムジーが続投。そして今シーズンから新キャラクターとして登場するアイザックを演じるのは、ドラマ『ウエストワールド』(2016年~2022年)や映画『アメリカン・フィクション』(2023年)などで知られるジェフリー・ライトだ。彼は原作ゲームでもアイザックを演じており、メディアを超えた続投となっている。
リアルサウンド映画部では2人にインタビューを行い、主に今シーズンでのキャラクターたちの描かれ方について話を聞いた。
まずライトに、ゲームとドラマのアイザックの違いを聞いた。「ドラマでは、ゲームでのキャラクターをベースラインとして使っています。ゲームのキャラクターを再現するのではなく、高めることをしたかったのです」と彼は語る。「アイザックが語る物語について、彼の制服とか、顔の傷とか、そういうことについても真剣に議論しました。ドラマは彼の多くのヒストリーを築き上げる機会でもあったのです」。
さらにドラマではアイザックは重要なキャラクターとなっていると言い、「ゲームでは彼は数シーンしか登場しませんでした。私はカメオ出演みたいなものだったんです」と説明する。「しかしドラマでは彼が何者なのか、なぜ、どこから来たのか、ファンが気になっていたであろうことを少し掘り下げることができました。だからファンがよろこんでくれるといいなと思います。でも基本的にはゲームのキャラクターがもとになっています」。
また、ゲームとドラマの撮影現場は、かなり大きな違いがあったようだ。「私の視点からすると、(ゲームとドラマは)全く違ったフォーマットでした。ゲームの撮影ではモーションキャプチャのスーツを着て、全く新しい経験をしました。ゲームのセットというのはとても狭くて、テニスボールを見て演技をしたり、セットは床に貼られたテープだけだったり、そういうシンプルなものです」。
しかしドラマ『THE LAST OF US』は、前シーズンでもその壮大なセットや迫力のある映像が話題になった作品だ。それは今シーズンでもパワーアップしており、「ドラマでは世界観の構築がもっとよく考えられています」とライトは語る。「視聴者も没入できるような、本当に存在している巨大なセットが組まれました」。そしてそれは、俳優たちにとっても演技のしやすい環境だったという。「これは私たち俳優が仕事をするうえでも、世界観に没入しやすくしてくれます。自分がどんな世界にいるのか、しっかりと理解することができますから。(セットは)とても美しく作られていましたね。想像の中にしか存在しないもののなかで演技するよりも、実際にセットに囲まれている方がやりやすいです」。アイザックは原作ゲームでも謎の多いキャラクターだが、今後明らかになる彼の人物像や、それがストーリーに及ぼす影響に期待したい。
主人公エリー役を続投しているラムジーは、シーズン1のラストから5年を経て「エリーはすごく変わりました」と語る。「暴力があふれる環境で、彼女はある意味では、失うことや独りになることを恐れている14歳の少女のままかもしれません。でも同時に成長もしていて、免疫を持っていることで大胆に、勇敢になって、ちょっと無謀でもあります」。
そうした成長のなかで、最も大きく変化したのは、エリーとジョエル(ペドロ・パスカル)の関係だという。「5年の間にジョエルは彼女の人生の大きな部分を占めるようになって、それは難しいところです」。シーズン1で14歳の子どもだったエリーは、今シーズンでは19歳。子どもから大人に成長する過程で、ジョエルと彼女は前シーズン以上に本物の家族のようになっていった。だからこそ、そこに難しさがある。自分はもう大人だと主張するエリーと、前シーズンでの旅の影響もあるのか、彼女に対して少々過保護とも思えるジョエル。本物の親子と同じように2人はお互いを大切に思いながらも、それゆえに時として対立する。そして彼女のジョエルに対する強い思いこそが、今シーズンでの戦いの火種となるわけだが、前シーズンでエリーを救い出したときのジョエルの“失敗”を、繰り返すまいとする意思がエリーにはある。
成長したエリーを演じることは、自身の成長ともリンクしていると語るラムジー。「シーズン1の撮影を始めたとき私は17歳で、撮影中に18歳になりました。それからシーズン2は20歳のときに撮影に入って、その間に21歳になりました。ここ数年で私も成長したので、成長していくエリーを演じることは、それほど難しいことではありませんでした。私の成長がエリーともリンクしています。19歳がどんなものか知っているので」。エリーの成長はシーズン2の物語の重要な鍵となっている。しかもここで語られているのは、エリーが新たな旅を通して成長していくというわけではなく、ジョエルとともに過ごした5年間で成長したエリーが、新たな旅をしていくということだ。
『THE LAST OF US』シーズン2の最終話ではエリーの思いが明らかになり、シーズンを通して描かれていたはずの「復讐」というテーマにゆらぎが見られた。ついにジョエルの仇であるアビー(ケイトリン・デヴァー)と邂逅したエリーはどこへ行くのか。
すでに制作が発表されているシーズン3では、アビーとともにアイザックの出番も多くなってくるだろう。彼らの活躍を楽しみにしながら、エリーの行く末にも注目したい。
(取材・文=瀧川かおり)

