“6本指”でいじめや嫌がらせはなかったか。そう訊かれた高吉正真の答が…【先天性多合趾症と戦うフットボーラー】
--------◆--------◆--------
“6本指のサッカー選手”高吉にとって幸運だったのは、先天性多合趾症を理解する仲間に恵まれたことだった。
いじめや嫌がらせはなかったのか。そう訊くと、高吉は笑顔で「むしろ、ネタにされていました」と答えた。
「僕が5本指のソックスを履くと、みんなから『あれ、6本指じゃなかったっけ?』といじられて。僕にとっては、それが有り難かったです。そもそも6本指のことは言われてもいいやというマインドがあったので、正直、からかわれても問題ありませんでした」
高吉は、持ち前の明るいキャラクターが支えになったともいう。
「この明るさで乗り切れた部分はあります。5歳の時にサッカーを始めてから(性格は)変わりました。(サッカーを)やっていなかったら、こんな明るくなっていません(笑)」
足の指に負担がかかるサッカーをやって大丈夫だったのか。そんな疑問を投げかけると、高吉は「両親は僕にサッカーをやってほしかったと思っています」と返答。そして、こう続けた。
「やりたいものをやらせるスタンスでしたから、指の症状は関係ありませんでした」
強い両親だなと、素直に思う。もちろん、親にはそれなりの苦労がある。「指が6本」という現実に直面し、いくつかの決断を迫られる中で、高吉が1歳の時に手術に踏み切っている。
「なぜ手術したのかを両親に聞いたら、見た目でいじめられる可能性があったからと。生後すぐにできなくて、1歳で切断しました。その頃僕がすでに歩いていたので安静を保てず、傷が残るかが心配だったそうです」
手術しても、違和感はある。高吉の場合、綺麗な5本指になったわけではなく、「それ以上の手術をすると歩けなくなる」と医師に言われている。多少なりとも6本指の痕跡があり、その影響で高吉は普通のスパイクを履けなかったのである。
高吉は言う。
「結局は受け入れるか、受け入れないか、そのどちらかです」
