すでにプロの舞台を経験している石山。ハードワークやボール奪取が魅力のMFだ。写真:安藤隆人

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「ユースでは誰よりもハードワークができる選手にならないと、話にならないと思っています」

 茨城県の流通経済大学グラウンドで、8月25日から27日までの3日間で開催されたアディダスフェスティバル2023。流通経済大柏との最終戦を終えたアルビレックス新潟U-18のMF石山青空はこう口にした。

 彼は今年3月に2種登録選手としてルヴァンカップのアビスパ福岡戦でトップデビューを果たすと、4月にはトップ昇格が発表された。豊富な運動量をベースに突破力とパスセンスに秀でた石山の主戦場はトップ下だったが、今年からチーム事情でボランチをこなすようになり、トップチームでもボランチとしてトレーニングすることが増えた。

 流通経済大柏戦でも前半はトップ下でボールを集約し、後半はボランチとしてセカンドボールの回収とディフェンスラインからのパスを受けて前へ運ぶプレーを見せた。際立っていたのは、ボールに関わり続け、相手の前へのベクトルを折るプレーだった。

 前半から相手の激しいプレッシャーを受け、かつ連戦の疲労も重なり終始押し込まれる苦しい展開でも、トップ下では連続してプレスをかい潜りながら、味方がボールを出せるポイントに入ってパスを引き出すと、キープしながら、味方の上がる時間を作ってカウンターの起点を作り出した。
 
 後半もまったく落ちない運動量を駆使して、ボランチとして徹底したセカンドボールの回収と、相手の前線からのプレスに苦しむ守備陣に前半同様に逃げ道を作り出しながら、ボールを引き出し続けた。

 さらにボールを自ら奪ったり、パスを受けたりすると、前半のようなボールキープではなく、相手の中盤のラインをブレイクするドリブルで持ち上がるなど、後ろ向きになりがちな味方のベクトルを必死で前に向けさせた。

 試合は1−3で敗れたが、ピッチ上を縦横無尽に躍動する背番号10の存在感は際立っていた。

「今日は最終日でみんな疲れもあったし、動きも重かった。相手の迫力もあったので僕のところでテンポを作らないと、いくらボールを回すという僕らのスタイルを出そうとしても、プレスで圧倒されたり、つなげてもただ回させられている状況に陥ったりしてしまうと思いました。なので、相手の嫌がるようなテンポの変化を自分が入れることを考えて、運動量を上げて、積極的にボールに関わって、テンポアップを図りました」

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 チームのために何をすべきか。自分の得意とする運動量をどう効果的に攻守において発揮するのか。これはトップチームの練習を経験してより考えるようになったことだ。

「トップ下では前に関わることばかり考えていたのですが、ボランチを任されるようになって、今まではあまり考えなかった守備に対する自覚が変わりました。強化部の方から運動量とボールを奪う力を評価していると言われてから、より意識するようになりましたし、何よりトップの選手を見ていると、たとえば攻撃的なプレーが得意な小見洋太選手も練習中から守備を一切さぼらない。

 同じボランチの高宇洋選手を見ていても、武器の守備力を発揮しながらも常に攻撃のリズムを作るパスを狙い続けている。守備をすることが当たり前で、そのうえで自分の持ち味を発揮しないと、あのビッグスワンのピッチに立つことは許されない。僕も早くピッチに立ちたいからこそ、大事なことを当たり前のようにやれないといけないと思っています」
 
 自分でボールを奪えて、かつ攻守を繋ぐリンクマンとなりながら、ここぞという場面ではチャンスメイクからフィニッシュワークまで関わる。これこそ彼が持つ自分の理想像であるがゆえに、どのステージでも自分がやるべきは、はっきりとしている。その気概が冒頭の言葉に凝縮されていた。

「トップでもユースでも僕がやるべきことは変わりません。トップ昇格を発表したことで、アルビレッジで声をかけられる回数は増えましたし、周りは僕をプロとして見てくれると思いますが、いつも通りの自分でいたいし、ステージが変わることで意識が変わるような選手ではいけないと思うので、そこはしっかりとやっていきたいと思います」

 いつもの自分を出すこと。それがすなわち周りとの違いを発揮する術となる。石山はこれまで通り、どの試合でもピッチ上で考えながら動き回ることを誓って、高校最後の1年を過ごしている。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)