「GT-R」と「スカイライン」の違い、説明できますか?

日産のスポーツカーと言えば、何を思い浮かべるでしょうか。「スカイライン」と答える方がいれば、「GT-R」という方もいるのでは。前者は比較的年齢層の高い方で、後者には若年層が多そうです。

現在はスポーツ&スペシャリティにカテゴライズされるGT-Rと、セダンにカテゴライズされるスカイライン。全く別の車種になっていますが、かつてGT-Rはスカイラインの中の一つのグレードでした。

かつては同じクルマ、でも今は全く違う、GT-Rとスカイラインを紐解いていきましょう。

もともと“GT-R”はスカイラインのグレードの1つだった

プリンス スカイライン デラックス ALSID-1(1957年)

1957年に富士精密工業(後のプリンス自動車)の主力車種として登場したのがスカイラインです。プリンス自動車はその後日産自動車と合併し、日産のモデルの中では、唯一プリンス時代から車名を引き継ぎ続けているクルマとなります。

GT-Rの原型となったのは、2代目プリンス・スカイライン(1963年)に設定された、「2000GT-B」というグレードです。大人しいセダンのボディに、レース用のエンジンを載せたこのクルマには、「羊の皮を被った狼」というキャッチフレーズが付けられました。

スカイラインにGT-Rグレードが設定されたのは、1968年に登場した3代目スカイライン通称ハコスカからです。1969年2月、直列6気筒4バルブDOHCの2.0Lエンジンを搭載した「GT-R」が追加されます。

スカイライン 1500スポーツデラックス(C10 1971年)

その後4代目となるスカイラインにも設定されていたGT-Rグレードですが、搭載されていたエンジンが昭和48年排ガス規制に適合できなくなり、1973年に販売を終えます。

4代目スカイラインで一度終了するも、8代目から“GT-R”復活!

スカイラインはその後も5、6、7代目と系譜を繋ぎ、1989年に8代目が登場しました。

この8代目の誕生と同時に復活を果たしたのが「GT-R」です。16年ぶりのGT-R復活となり、8代目のR32型、9代目のR33型、10代目スカイラインとなるR34型まで、スカイラインGT-Rも歴史を紡いでいきます。

スカイライン 4ドア スポーツセダン GTS25 TypeX・G ECR32(1989年)
スカイライン GT-R V・スペックII BNR34(2000年)

ここまでのスカイラインとGT-Rの関係性は、グランツーリスモの「スカイライン」のなかの、本格レーサーやスポーツドライブの意味合いが強いグレード「GT-R」といういうものでした。

「スカイラインというクルマの中に、GT-Rという特別仕様がある。」この関係が大きく変わったのが、現行モデルとなるR35型の登場のタイミングとなります。

2007年、スカイラインとGT-Rが別のクルマに

スカイラインは2001年にモデルチェンジを行い、11代目のV35型へと変わります。これまでのスポーツカーというよりは、上質なセダンに変わり、現行型の13代目スカイラインでも、プレミアムセダンを強調したクルマに仕上がっています。

現行モデルのスカイライン

北米市場で日産が展開する高級ブランド「インフィニティ」のQ50をベースにし、ハイブリッド技術や同一車線内ハンズオフが可能なプロパイロット2.0を搭載するなど、日産の高級セダンとして、その地位を築き上げました。

一方で、2002年にR34型で途切れたGT-Rの名ですが、2007年に待望の復活を果たします。これまでのスカイラインという名前を拭い去り、「NISSAN GT-R」という単一車種で販売を開始しました。

日産 GT-R 2023年モデル北米仕様

世界に通用するスーパースポーツカーを作るという意気込みで、ドイツのニュルブルクリンクを拠点に開発が進められました。これまでのスカイラインの一派ではなく、完全オリジナルのスーパーカーとして誕生し、イヤーモデル制を導入するなど、スカイラインとは別の道を歩み続けています。

車のスペックはもちろん、車両本体価格も大きく異なる両車。スカイラインは456万9,400円~ですが、GT-Rは1,082万8,400円~と、まさに桁違いです。

元々は同一の系譜にいたクルマですが、それぞれの役割を得て、それぞれの道を歩んでいます。別の道を歩む現在でも、それぞれの人気は高く、中古車市場は高騰を続けるなど、注目を集め続ける存在に、変わりはありません。