JNO×SPICE メンバーリレー連載〈Vol.3〉 大槻健(コントラバス)

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ピアニスト反田恭平率いるJapan National Orchestra(ジャパン・ナショナル・オーケストラ/通称:JNO)。反田恭平自らが各地の演奏会に足を運び、実力は折り紙付きの精鋭たちを揃えたJNOのコンセプトは、 “全員ソリスト” 。2022年7月より、拠点とする奈良そして東京の2か所で、各メンバーがプロデューサーとして企画するリサイタルシリーズがスタートしました。

それに合わせSPICEでは、メンバー紹介リレー連載を開始! 一人ひとりの素顔に迫るべく、〈100の質問〉形式でインタビューを敢行。音楽のことからプライベートまで、それぞれの頭の中を徹底解剖。国内外を拠点に活躍する個性豊かなメンバーにご注目ください。

JNO×SPICEリレー連載。第三回は、コントラバスの大槻健(おおつき・けん)さん。「手放せないモノ」をお聞きしたら、前回の水野優也さんと同じくシズル感たっぷりの飯テロ画像が送られてきました!(JNOは美食家揃い?)ウィットに富んだ回答に注目です。それでは、どうぞ!

大槻健

――まずは自己紹介をお願いします。

大槻健、9月29日生まれの27歳、A型、出身は奈良県、担当はコントラバスです。

〈大槻健(Ken Otsuki)/ 解剖グラフ(自己申告)〉

小さい頃

大槻健(Ken Otsuki)プロフィール
奈良県出身。第二回Japan International Contrabass Festival Solo Competition1位。これまでに東京フィル、東響、新日本フィル、札響の客演首席奏者を務める。現在、読売日本交響楽団首席コントラバス奏者。


――ここからは、一気42問、お答えいただきます!

Q1.楽器を始めたのはいつから?きっかけは?

9歳、チェロをアマチュアの父の影響で始めました

Q2.子どもの頃なりたかったものは?

おじさん、サラリーマン(3-5歳頃)(母親談)

おじさん、というのはどうやら道路工事のおじさんのことだったそうです。
子供ながらに安定した仕事に就きたいと思っていたようです。高校からは英語や音楽と関わる仕事がしたいと思うようになりました。

Q3.子どもの頃の自分に会ったら、なんて言う?

音楽家として食べていくのはとてつもなく難しいけれど、君は運がいいからなんとかなるぞと言いたいです。

初めて楽器に触ったとき

Q4.好きなアーティストは?

一つには絞れませんが1970-90年代の洋楽が大好きです。

Q5.ご自身の楽器、指揮者、作曲家からそれぞれあげるとしたら?

コントラバス奏者=池松宏:僕の先生ですがソロでもオケでも間の取り方が天才で、しかも他の人も自然と従うような空気感を作る技術が職人的で憧れの奏者です。

指揮者=ユーリテミルカーノフ:読響で共演した名指揮者で、音楽とはなにかを教えていただきました。彼が指揮台に立つだけでオケの音がガラリと変わるんです、一生忘れないと思います。

作曲家=ジャン・シベリウス:情景が思い浮かぶような音楽が大好きです。交響曲第5番の3楽章など。

Q6.クラシック以外だったら?

earth wind & fire

中学の先生の影響で知り、なんて素晴らしい音楽だ!と思って家に帰って親に報告したらリビングに全てCDがすでに揃っていました。そこからグルーシンやチックコリア、ロックバンドなども聴き漁るようになりましたね。

Q7.ヘビロテしているCD/おススメしたいCDは?理由も併せてお願いします。

山下達郎さんの『All time best 1975-2012』

単純に山下さんの曲が好きなんです、「Ride on time」、「sparkle」などを聞いて育ちました。

初めての発表会

Q8.座右の銘は?

大は小を兼ねる

Q9.今気になっている世界情勢は……

ロシアによるウクライナ侵攻。

亡くなった方や国を追われた方々のことを思うと胸が張り裂けそうです。自分がいかに恵まれているかを自覚するとともに戦争の悲惨さも感じます。

Q10.空いている時間/休みの日は何してる?

最近は休みがあまりありませんが、、あったとしたら寝ているとほとんど一日が過ぎます。

Q11.あなたにとって「完璧な日」とは?

好きな時間に起きて寝る日

Q12.好きな食べ物は?

からあげ

Q13.好きな動物は?

犬、特にゴールデンレトリーバー

Q14.好きな言葉は?

「今日のリハは早く終わります」

Q15.好きな和声進行は?

ドレスデンアーメン

Q16.海と山どっちが好き?

Q17.奈良の好きなところは?

人間。優しい方が多いです

Q18.一日のうち好きな時間は?

家族と過ごす時間、人と楽器を弾く時間(一人は苦手)、友達と遊ぶ時間

音楽の道に進もうと思った中学生の頃

Q19.インドア派?アウトドア派?

インドア

Q20.目覚めはいい方?悪い方?

悪い、携帯のアラームは10個、それ以外にデジタル時計のアラームもかけます

Q21.最近or今までで一番嬉しかった経験は?

結婚、いい仕事ができたとき

Q22.得意だった科目は?

家庭科、意外と手先が器用で裁縫とかも得意でした。

Q23.反対に苦手だった科目は?

数学。数字を見るだけで頭が痛くなりますね。

Q24.推し教えて!

配信者の だるまいずごっど さん

Q25.どこにでも行けるならどこを旅したい?

晴れた日のイングランドの湖水地方

Q26.人生もう一巡するなら、やってみたいことは?

ヨーロッパの田舎の湖のほとりにのんびり住んでみたい。

Q27.あなたが手放せない「三種の神器」教えてください。

ハバキ、タンナカ、ハラミ、ツラミ

三種の神器①ハバキ

三種の神器②タンナカ

三種の神器③ハラミ

三種の神器④ツラミ

Q28.演奏できる楽器はいくつある?

コントラバス、エレキベース、チェロの3つです

Q29.音楽家になりたいと思ったのはいつ?それはなぜ?

17-8歳(高校2年)。先生や学校のOBにそういう道もあると言われて

Q30.クラシック音楽のどこが好き?

アナログなところ

Q31.楽譜のカキコミ、こだわりある?

オケ譜は先人の書きこみをなるべく消さないこと

Q32.今のアー写、何枚目?

3枚目。18歳の写真を25歳まで使い続けて詐欺だと言われた過去がある

現在のアーティスト写真 ©Kenryou Gu

Q33.演奏する楽器の好きなところは?

包み込むような柔らかい低い音

Q34.反対に、「ここだけはちょっと…」と思うところは?

電車と坂道がつらすぎるところ

Q35.オーケストラで大切なことは?

チームワークが大事なのでなによりも人間性が大事だと思います。白黒つけるよりもグレーゾーンで、しかし自信を持って上手にやっていくこと。

Q36.JNOってどんなオーケストラ?

JNOは高校の仲の良いクラスという感じです。気を使わずに音楽の話ができるし、皆非常にフレキシブルな考え方を持っています。心優しい人が多いです。

Q37.練習に遅刻した!言い訳は?

しない

Q38.メンバーに言っておきたいことはありますか?

今後も仲良くやりましょう

現在

Q39.この人のここが気になる、というメンバーはいますか?

弦楽器の人に、ソロを練習するときにどういう練習をするのかが知りたいです

Q40.もし一日だけメンバーの誰かになれるとしたら、誰になりたい?何をする?

反田(恭平)くん。自分が弾いているオケを振ってみてどう聴こえるのかを知りたい

Q41.三年以内に叶えたい目標は?

今楽器製作を頼んでいるので目下の目標は生々しい話、貯金になります(笑)。円安の影響で破産しそうです。

冗談はさておき、ヨーロッパと日本の金銭感覚の差は以前よりも感じるようになりました。

Q42.一番の宝物は?

人間関係、お金では買えないので。

――ありがとうございます。これで質問は終わりです。最後にプロデュース公演について、見どころをお願いします!

JNO Presents リサイタルシリーズ
『コントラバス 大槻健の世界2022』

出演者:Cb. 大槻健 Vn.岡本誠司  Vn.東亮汰  Va.長田健志  Vc.森田啓佑  Cl.亀居優斗  Fg. 河野星  Hr.矢野健太

予定曲目
ディッタースドルフ:ヴィオラとコントラバスのためのソナタ 変ホ長調 
バリエール:2本のチェロのためのソナタ ト長調  
シューベルト:八重奏曲 ヘ長調 Op.166 D803


若手メンバーを中心に集めました。どの人も楽器が上手いのはもちろん知っているので、それでいて視野が広く、また音楽に対しても自分の意見も持っていることを大事にしています。

プログラムは、単純で申し訳ないのですが、自分が弾きたい曲を選んだという感じです。
ディッタースドルフは作曲以外にもヴァイオリンの巨匠で、モーツァルトやハイドン、ヴァンハルと四重奏を演奏していた人物、良き友人であったようですね。
今回はヴィオラとコントラバスの曲ですが、当時のウィーンの音楽文化を感じると思います。
バリエールはフランス人のチェリストでしたがその音楽はイタリアにかなり影響されています。類まれなる才能の持ち主で若くに亡くなったことを悔やまれたそうです(享年40歳)。
森田くんとの掛け合いが、特に3楽章で盛り上がると思います。

シューベルトのオクテットに初めて出会ったのは草津音楽祭の先生たちによるコンサート。
当時習っていたクラウスシュトール先生(元ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席コントラバス奏者)が弾いていて、その温かい音がまるで天井から降ってきたように聞こえたんです。そのコンサートのメンバーはその場限りのものですし、コントラバス弾きが中心にリハーサルが進むことなんて世の中にはほとんどありません。彼の見ていた世界をみんなで表現したらどうなるんだろう、という思いはあの時からずっとありました。今回は僕のシリーズということで発言権も強く(?)、コントラバス弾きが密かに憧れている音楽作り、なんて、表現できたらいいなと思っています。

一期一会の音楽会です、ぜひぜひお越しください。