Excelのデータを目立たせる! 条件付き書式の使い方

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Excelの表作成では、内容は当然のことながら、見栄えの良し悪しで大きな差がつく。

データを分析するにしても、レポートを作るにしても、あるいは見積書や請求書などのビジネス文書を作るにしても、見栄えは訴求力アップに欠かせないテクニックだ。

見栄え、訴求力に差がつく技としては、
入力されたデータによって自動的に書式を変えられる「条件付き書式」がめちゃくちゃ役立つ。


●条件に合うデータの書式を変えて目立たせる
もともとExcelのワークシートそのものが表のようなものなので、必要な文字やデータを並べていけば、ある程度の表は簡単にできてしまう。

しかし、いかに見栄えの良い表にするのか?
個性とセンスが問われるポイントだ。

・罫線の種類を変える
・セルの幅や高さを調整する
・使い過ぎはご法度とされるセルの結合でレイアウトを整える
これらは効果的だが、1つずつ設定するのはかなり面倒。

そこで「条件付き書式」の出番だ。
この機能を使えば、入力されたデータによって自動的に書式を変えられるのだ。


「条件付き書式」を設定すると、入力されたデータによってセルの書式が変わる。



●データによってセルの色を変えてみる
「条件付き書式」のわかりやすい例としては、
データによってセルの色を自動的に変える設定がある。

試験の採点結果の表で、各科目の得点が80以上ならセルの色を緑色で表示するといった使い方だ。これなら優秀な成績を取った受験者がすぐにわかる。


「条件付き書式」を設定するセルや範囲を選択して、[ホーム]タブの[スタイル]グループで[条件付き書式]をクリック。[セルの強調表示ルール]→[指定の値より大きい]を選択する。



数値に「79」を入力して書式の[濃い緑の文字、緑の背景]を選択したら[OK]をクリックする。「〜より大きい」なので、数値を「79」にすれば「80以上」になることに注意。



これで、値が80以上のセルに書式が設定される。


「条件付き書式」の便利なところは、
数値が変われば自動的に書式も変わることだ。

1マスずつ書式を設定した場合は、
書式を変更するときは、また1マスずつ変更しなければならない。
「条件付き書式」で設定しておけばその手間はいらないというわけだ。


●さらに条件を増やしてみる
それでは、今度は「80点以上は緑色、50点以上は黄色、49点以下は赤色」で表示してみよう。


「条件付き書式」を設定するセルの範囲を選択して、今度は[条件付き書式]から[新しいルール]を選択。



「ルールの種類」で[指定の値を含むセルだけを書式設定]を選択する。「ルールの内容」で条件が「50点以上79点以下は黄色」となるようにデータの値と書式を設定して[OK]をクリックする。



最後に[セルの強調表示ルール]で「49点以下は赤色」のルールを作成すれば、作成した複数のルールがすべて適用される。



ここで設定を確認してみよう。[条件付き書式]から[ルールの管理]を選択すると、ルールの優先順位や判定後の動作などを設定したり、新しいルールの作成や編集、削除したりもできる。


今回はもっともわかりやすい例として数値の大小を比較した「条件付き書式」を作成した。
これ以外にも、ルールには「文字列が〇〇の場合」や「範囲内の上位10位まで」「重複したデータを表示」などといったさまざまな条件を設定できる。

繰り返すが、「条件付き書式」を使うと、データが変わったときに自動的に書式もデータに合わせて変わるのが最大の便利なポイントだ。

「条件付き書式」を使うと、
毎月のレポートでワークシートをコピーして使ったり、定期的にデータを更新したりするような表では、毎回書式を設定する必要がなくなる。

また「条件付き書式」を使うと、
会社のグループ内で共有しているワークシートで、データを書き換えたら書式も自動的に変わって「おお!すごい!」なんて尊敬される……かもしれない。




執筆 八木重和