【新型情報あり】歴代トヨタクラウンまとめ|初代~15代目まで60年余の歴史を振り返る
【初代】トヨペット クラウン RS型/S20系/S30系(1955~1962年)
クラウンの記念すべき初代モデル・RS型/S20系/S30系は、1955(昭和30)年に誕生しました。
当時のクラウンが名乗っていたブランド名はトヨタではなく「トヨペット」です。トヨペットは当時のトヨタが小型車ジャンル向けに使っていたブランド名で、小型セダンの「コロナ」など他の車種でも使用されていました。
デザインは、アメリカの自動車メーカーが市販していた車種をお手本としつつもトヨタ社内で施されたものです。現代では珍しい「観音開き」のリアドアを取り入れたことで、後部座席への乗り降りがしやすいよう作られています。
エンジンは、モデル初期に最高出力48馬力の1,500ccの直列4気筒OHV(オーバーヘッドバルブ)仕様、後期には1,900ccへ排気量がアップしています。
戦後の高度経済成長期、自動車・クーラー・カラーテレビの「3C」ブームに繋がるきっかけを生んだ、日本製乗用車の礎を作ったモデルです。
【2代目】 トヨペット クラウン S40系(1962~1967年)
2代目となるクラウン・S40系は、1962(昭和37)年に登場したモデルです。
初代よりもボディサイズがひと回り大きくなり、「5ナンバー」サイズの限界まで広げられています。「X型フレーム」と呼ばれる構造を取り入れたワイド&ローなエクステリアデザインにより、のちのクラウンが高級路線を歩んでいく原点となりました。フロントグリルに備わった「王冠」のエンブレムは、11代目・S170系まで継続使用されています。
メカニズム面では、「トヨグライド」と呼ばれるAT(オートマチックトランスミッション)を本格的に採用。現在の電子制御ATに繋がるトランスミッションが誕生しました。
1964年には、上級車種として「クラウン エイト」が誕生。クラウン エイトは、日本の国産車では初となるV型8気筒「オールアルミ」エンジンを採用した点が話題となりました。
S40系が登場した時期は、高速道路の開通や東京オリンピックの開催など高度経済成長期の真っ只中。時代を見越した進化を遂げていた車です。
【3代目】トヨペット クラウン S50系(1967~1971年)
3代目・S50系は、1967(昭和42)年に登場したモデルです。
高速道路や長距離移動でもゆとりをもって走れるセダンをテーマに開発されています。当時のクラウンはタクシーや法人向けの印象が強かったため、個人オーナーにも受け入れられるエクステリアデザインとなりました。
メカニズム面では、2代目・S40系で採用された「X型フレーム」を止め、新たに「ペリメーターフレーム」を採用。フロアを低く抑えて軽量な設計としつつも、走行時の耐久性を高めるため随所に補強材が取り入れられています。
搭載されたエンジンは2,000ccの直列6気筒SOHC(シングルカム)仕様がメインとなり、最高出力は100馬力から125馬力とグレードによって異なっていました。
「直列6気筒」は、のちの歴代モデルでも長らく使われていたエンジンパッケージとなり、クラウンを語るなら欠かせない象徴となっています。
【4代目】クラウン S60系/S70系(1971~1974年)
4代目となるS60系/S70系は、1971(昭和46)年に登場したモデルです。
S60系/S70系では、ブランド名がトヨペットから「トヨタ」に差し代わり、心機一転生まれ変わったのが特徴です。
空力性能を意識した「スピンドルシェイプ」と呼ばれるエクステリアデザインを採用。当時は角のついたボディを取り入れているモデルが多かった時代で、各所に丸みを帯びさせたフォルムは一線を画していました。
また、当時では希少価値のあった「ビルトイン式カラードバンパー」を取り入れたのもS60系/S70系の特徴です。全グレードにボディカラーと同じ色のバンパーを標準装備し、スペシャリティカーでもオプション設定が多かったアイテムを使用して話題となりました。
【5代目】クラウン S80系/S90系/S100系(1974~1979年)
通算5代目のモデルとなったS80系/S90系/S100系は、1974(昭和49)年に登場したモデルです。
エクステリアは、4代目・S60系/S70系の「スピンドルシェイプ」から一転、再びオーソドックスなデザインに戻されています。新たに、4ドアハードトップ仕様のボディラインアップを追加したほか、S80系/S90系/S100系以降のモデルで定番グレードとなる「ロイヤルサルーン」が追加されているのが特徴です。
S80系/S90系/S100系が登場した当時はオイルショックが発生したり、排出ガス規制が厳しくなったりと環境対策が問題となっていた時代でした。S60系/S70系のメカニズムを継続しつつも、2,500cc直列6気筒SOHCを中心に、排出ガス規制に対応したエンジンを搭載していたのも特徴です。
【6代目】クラウン S110系(1979~1983年)
6代目・S110系は、1979(昭和54)年に登場したモデルです。
5代目・S80系/S90系/S100系のオーソドックスなエクステリアデザインからキープコンセプトとなり、重厚で高級感を備えたフロントマスクが特徴のシャープな印象となりました。
ボディラインナップは4ドアセダンを中心に、2ドア/4ドアのハードトップとステーションワゴンを揃えて、ユーザーへ多彩な選択肢を提供しています。
メカニズム面ではエンジンのラインナップを拡充。2,000㏄のターボチャージャー付き仕様や2ドアクーペの「ソアラ」および「セリカXX」で使用されていた2,800cc直列6気筒DOHCを追加して、ユーザーへ選択肢を拡大しているのが特徴です。
【7代目】クラウン S120系(1983~1987年)
7代目・S120系は、バブル景気突入が近づいていた1983(昭和58)年に登場。
戦後から高度経済成長期の間に初代が誕生し、日本国民から憧れの車と親しまれてきたことから、「いつかはクラウン」とのキャッチコピーを生み出したモデルとなります。
このモデルから2ドアハードトップがラインナップから外れています。4ドアハードトップや4ドアセダン、ステーションワゴンのボディが用意されているのが特徴です。
S120系は、エンジンの種類を幅広くラインナップしていたのも強みです。
ライバルとなる自動車メーカーがV型6気筒エンジンを開発して採用する一方、直列6気筒エンジンを進化させ勝負しています。2,800cc仕様の排気量を3,000ccへ拡大、最高出力が190馬力にパワーアップしたり、2,000cc仕様には国産車初の”スーパーチャージャー”を装着して話題となりました。
S120系のグレード形態でも引き続き「ロイヤルサルーン」が採用され、独立懸架式サスペンションやESC(横滑り防止装置)を搭載。時代の先端を進んでいた高級車ならではの装備を取り入れた車です。
【8代目】クラウン S130系(1987~1991年)
8代目・S130系は1987(昭和62)年に登場し、昭和の年号で最後のモデルチェンジとなったモデルです。
このモデルでは、4ドアハードトップが個人オーナーにより人気を集めます。3,000ccの大排気量モデルは、全幅が1,745mmとなり3ナンバーボディとなり、高級感が高まったのは注目したいポイントです。
ボディサイズの拡大に加え、先進技術を採用していたのもクラウンならでは。インパネには「エレクトロマルチビジョン」と呼ばれる、現代のカーナビ技術に繋がる機能を搭載。車の状態をチェックできるほか、テレビの視聴やナビゲーション機能を使えるようにしてドライバーや乗る人を快適にできる装備が採用されていました。
また、1989(平成元)年のマイナーチェンジでは、最上級セダン「セルシオ」よりも前に名機「1UZ-FE」型の4,000ccV型8気筒エンジンを搭載します。最高出力は260馬力と当時屈指のパワーを誇ったパワーユニットです。
【9代目】クラウン S140系(1991~1995年)
9代目・S140系は、元号が平成に切り替わって最初のクラウンとなり、1991(平成3)年に誕生しているモデルです。
9代目からは、4ドアセダンとステーションワゴンを切り離して、4ドアハードトップのみフルモデルチェンジが行われています。その4ドアハードトップも、ロイヤルに加えて「マジェスタ」と呼ばれる上級シリーズが加わり、ラインナップを拡充しました。
マジェスタには新たに開発された「モノコックボディ」構造を取り入れたのに対し、ロイヤルシリーズは引き続きペリメーターフレームが採用されたのも注目したいポイントです。
S140系でも当時の先進技術が取り入れられていました。マジェスタには4つの車輪に「ダブルウィッシュボーン」のエアサスペンションを取り入れて、路面をしなやかに交わす乗り心地を実現しています。
また、ロイヤルのグレード「ロイヤルツーリング」にはトヨタ車初の5速ATを採用し、大排気量エンジンを活かすトランスミッションを採用していました。
【10代目】クラウン S150系(1995~1999年)
記念すべき10代目のクラウンとなるS150系は、1995(平成7)年に登場しています。
S150系の4ドアハードトップは、過去のクラウンとは一線を画し、長らく使用してきたペリメーターフレームに代えてモノコックボディ構造となりました。
と同時に、4ドアハードトップのボディ形状はこのS150系が最後のモデルです。ボディサイズを拡大させつつも、100kg以上も車両重量を軽くするのに成功し、無駄を削ぎ落としたボディとなっています。
マジェスタでは、国産初のVSC(車両挙動制御)を取り入れたほか、VVT-i(連続可変バルブ)を使用したエンジンを搭載するなど、上級モデルにふさわしい機能が盛り込まれています。
【11代目】クラウン S170系(1999~2003年)
クラウンの通算11代目・S170系は、21世紀へ時代が変わろうとしていた1999(平成11)年に誕生。
S170系の4ドアハードトップは、オーソドックスなフレーム付きの乗降用ドアを採用し始めた最初のモデルとなります。衝突安全性能を高めるための新設計で、ボディ強度が高まったのに加えて走りの質感も向上しました。
また、若年層向けの新シリーズとして「アスリート」をラインナップに追加したのもS170系からです。クラウンの高級な雰囲気を保ちつつも、専用のエアロパーツとサスペンションを与えて、スポーティな走りを楽しめる車に仕上げています。特に、最高出力280馬力を実現した2,500cc「1JZ-GTE」型ターボエンジンを搭載したグレード「アスリートV」は当時の高級車では珍しいハイパフォーマンスモデルです。
【12代目】クラウン S180系(2003~2008年)
12代目・S180系クラウンは、2003(平成18)年に登場。
21世紀に突入してから初めてのモデルチェンジで、「ゼロクラウン」のキャッチコピーを前面に打ち出して新時代を予感させるモデルとなりました。
歴代モデルで採用されていた直列6気筒エンジンに代え新たにV型6気筒エンジンを搭載したほか、プラットフォームとサスペンションを一新。車体の軽量化を推し進め、走行性能が向上しました。
シリーズラインナップはS170系に引き続き、ロイヤルとアスリート、マジェスタの3種類で構成されています。
モデル中期では、アスリートに直噴システム「D-4S」を取り入れた3,500ccV型6気筒エンジンを採用したグレードが追加されているのも、ゼロクラウンで注目したいポイントです。
【13代目】クラウン S200系(2008~2012年)
2008(平成20)年に登場した13代目・S200系は、大幅な刷新を行ったS180系のキープコンセプトモデルとなっています。
アスリートシリーズがよりスポーティさに磨きをかけた一方、同じボディを採用するロイヤルシリーズもスポーティな印象を感じさせるボディデザインとなりました。フロントグリルやエクステリア各所は落ち着いた雰囲気をもちつつも、ボディサイド上部に加えたキャラクターラインはシャープな走りを予感させる印象をもたせています。
そして、S200系では、トヨタが得意とする「ハイブリッド」を新たにラインナップへ追加。3,500㏄のガソリンエンジンにハイブリッドシステムを合わせています。
4,000㏄の大排気量エンジンと肩を並べるパワーやトルクを発揮し、2,000ccクラスのエンジン並みの低燃費を実現して話題となりました。
【14代目】クラウン S210系(2012~2018年)
14代目・S210系は、2012(平成24)年から2018(平成30)年まで6年もの長期間生産されていたモデルです。個人ユーザーだけでなく、いまも現役でパトカーや公用車でも活躍しています。
ロイヤル、アスリートのシリーズ構成を継続し、加えてハイブリッド仕様も用意していました。ともに、フロントマスクのデザインでグリル部分の面積を多くとり、シャープな顔つきが施されています。
エンジンバリエーションが整理され、3,000ccの廃止により2,500㏄および3,500ccのV型6気筒仕様の2種類に絞られました。加えて、ハイブリッド仕様に使われるエンジンは3,500ccから2,500㏄にダウンサイジングし、燃費性能を大幅に向上させています。
現代では基本装備となりつつある「安全運転サポートシステム」を早い時期から取り入れているのも強みです。「プリクラッシュブレーキ」や「パノラミックビューモニター」など、万が一の危険からドライバーや乗る人を守る機能が満載となっています。
【15代目】クラウン S220系(2018年~)
現行モデルとなる15代目・S220系は2018年から生産されています。
S220系では、トヨタの車づくりを体現している「TNGA」(Toyota New Global Architecture)を取り入れたGA-Lプラットフォームを採用。エクステリアは、ハードトップ形状からクーペを思わせるデザインに変貌し、若年層から人気を得るべくスポーティな印象を感じ取れます。
2,000ccの直列4気筒ターボエンジン以外のラインナップは駆動用モーターを備えたハイブリッド仕様となり、環境性能を意識しているのが特徴です。
また、S220系は車載専用通信機(DCM)を搭載し、「コネクテッドカー」として注目されています。安全運転サポートシステム「Toyota Safety Sense」によりドライバーのアシスト機能を多く備えているなど、後部座席に乗るだけでなくドライバーにも快適な運転を楽しませてくれるのが強みです。
次期型クラウンは2022年中に登場か?SUVスタイルに変貌も
15代にわたり、トヨタの高級モデルへ君臨してきたクラウンですが、2022年中のフルモデルチェンジが噂されています。既に15代目・S220系の新車受注は終了しているとの情報があり、早ければ2022年夏ごろに新しくなったクラウンの姿を確認できそうです。
歴代モデルがまとってきたセダンタイプのスタイリングではなくSUVテイストに生まれ変わる、FR(フロントエンジン・後輪駆動)からFF(フロントエンジン・前輪駆動)ベースに変更されるなど様々な噂が飛び交っている状況です。
既に、トヨタがオーストラリアで出願した商標が、次期型クラウンのエンブレムではないかと憶測が立てられている情報もあります。
生まれ変わるクラウンの姿がセダンのままであるか、SUVに生まれ変わるのか、発表されるその日を楽しみとしましょう。
