スマホやパソコンの「メモリ」と「ストレージ」とは何? 知っていればトラブルやリスクを避けられる基礎知識

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先日、渋谷の某カフェで、30代の女性2人組がスマートフォンやアプリの会話をし始めた。
はじめはまったく気に止めていなかったが、IT・モバイル系のライターの筆者としては、自然と耳にはいってきた。

1人はスマートフォンに詳しくなく、もう1人が教えていた。
2人が利用しているのはiPhoneで、データの「保存容量」の話になった。
説明を受けている人は、iPhoneのストレージ容量が機種によって異なることをまったく知らない様子だった。

そのため、もっとも安いiPhone、つまりストレージ容量がもっとも少ないiPhoneを購入したようだ。

日本でiPhoneが発売されて13年以上になるので、今ではiPhoneやスマートフォンの知識を身につけた人が増えているが、まだiPhoneのストレージ容量の違いやストレージの意味を知らずに利用している人も多いようだ。

その場で見ず知らずの人たちにiPhoneのストレージについて解説するわけにはいかない。

そこで今回、スマートフォンの「メモリ」と「ストレージ」について解説したい。


■スマホやパソコンのメモリとは、そもそも何のためにある?
パソコンやスマートフォンにおけるメモリとは、一般的にRAM(Random Access Memory:ランダム・アクセス・メモリ)と呼ばれるものを指すことが多い。

RAMとは、
一時的にデータを記憶するメモリのこと。
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)が、ユーザーの操作を実行する際に使われる「作業領域」ともいえるものだ。
よく「作業机(デスク)」にたとえられる。


メモリは作業机をイメージするとわかりやすい


デスクの上には、カレンダーやペン、ペン立て、ノート、付箋、キーボードなどが置いてあり、それらを利用して作業し、成果物をつくる。
デスク上の文具を「アプリ」と考えてみると、わかりやすいだろう。

作業机の上でアプリという道具を出して作業し、成果物を作成する(動作させる)、というイメージだ。
そして作業が終わればアプリを閉じ(文具を片付け)て、次に作業するスペースを空ける。

つまり、スマートフォンでユーザーの操作に対して、対応した動作をさせるための作業をする場所がRAM(作業机)というわけだ。

そしてRAMの容量とは、この作業できる広さ(机のサイズ)を表しているのだ。

たとえばRAMが4GBよりも、6GBの方が、作業エリア(作業机)が広くなるので、より多くの作業ができる。
6GB、8GB、12GBと、メモリ容量が大きくなれば、たくさんのアプリが同時に利用できる。
逆に、メモリ容量が小さければ、同時に利用できるアプリが少なくなるだけでなく、スムーズに作業を処理できなくなり、スマートフォンの動作が遅くなってしまう。
最悪、スマートフォンの動作が止まってしまう(フリーズ)といったことも起きる。


■ストレージとは、そもそも何のためにある?
ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)をはじめ、USBフラッシュメモリやSDカードなどデータを保存するための記憶装置のことをストレージという。
本体内にあるストレージを内部(内蔵)ストレージ、本体外にあり、ケーブルやUSB端子で接続するストレージを外部(外付け)ストレージと呼ぶ。
またスマートフォンの場合は、内蔵ストレージ(データ保存用のメモリ)のことをROMと呼ぶことも多い。

ただし本来ROMとは、
Read Only Memory(リード・オンリー・メモリ)の略称。
「Read Only」読み出し専用のメモリなので、書き込みはできない記憶装置を意味している。
CD-ROMやDVD-ROMのように、記憶されているデータを読み出すことはできても、新たなデータを保存できないものをROMという。

スマートフォンの内蔵ストレージを「ROM」と呼称するのは、厳密には誤りではあるのだが、今では「データの保存メモリ」を「ROM」という呼称されることが定着している。


ストレージはさまざまなデータを保存するところ


ストレージは画像や動画、音楽、ドキュメントなど、さまざまなデータを保存できる。ストレージの容量が大きければ、本体に保存できる画像の枚数や動画、音楽の本数が増える。

参考までにiPhone 13シリーズでは
・128GB
・256GB
・512GB
・1TB(iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro MAX)
これらの容量が異なるモデルが用意されている。

Androidスマートフォンも似た容量が用意されているが、機種によって異なる。
おおむね32GB〜1TBまであるが、現在は64GB〜256GBが主流だ。

そして、先に解説したメモリ(RAM)と同じく、ストレージも容量が大きければメリットとなるが、容量が大きくなれば本体価格が高くなる。

そのため、ストレージ容量は大きいほど良いとはいえ、自分の使い方以上に大きすぎると、支払った価格が無駄になってしまう。

しかしストレージ容量が、自分の用途よりも少なすぎると、深刻な問題を引き起こす場合がある。
スマートフォンは、使えば使うほど、データが保存され、ストレージ容量が埋まっていく。
そしてストレージがデータで一杯になると、新しいデータを保存できなくなるので、メール受信ができなくなったり、動作の履歴や記録を保存できなくなり、最悪、スマートフォンの動作が遅くなったり、動かなくなったりするのだ。

今の時代のスマートフォンでは、32GBのストレージ容量だと2年持たせるのは至難の業だろう。

というのも、ストレージ容量は32GBと記載されていても、32GB全てを使えるわけではない。最初からインストールされているOSやアプリなどの容量を差し引いた容量が実際のデータ保存できる容量「ユーザー領域」となるからだ。

もちろん追加したアプリも、アプリが保存するデータも、ストレージに保存される。
このため、たとえば写真はまったく撮っていなくても、アプリをたくさんインストールすれば保存容量はどんどん減っていくのである。

今のスマートフォンであれば、少なくても64GB、できれば128GBのモデルにしたいところだ。

ここまで読んで、メモリについて理解をできれば、
冒頭の2人の話で、説明を受けていた1人は、
・本体に保存できる容量についての知識がない
・iPhoneはストレージ容量に応じた機種が複数用意されている
このことを知らなかったために、メモリが最小のiPhoneを選んでしまった、ということがわかる。

今回のメモリやストレージの知識は、決して難しい内容ではない。
しかし、正しい情報を知らなければ、スマートフォンやパソコンを使う上で、トラブルや不具合などに出会うリスクが高くなる。

とくにスマートフォンやパソコンは、購入時のコストが高額となるだけに、
ただ「安い」だけで、購入すると、後々後悔することになる。

なぜ安いのか? 
それを見極められる知識は、自分自身を守ることになる。

知識は、後悔しない買い物をする上で、とても大事なのだ。




執筆:S-MAX編集部 2106bpm