(C)永井豪・石川賢/ダイナミック企画・真早乙女研究所

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現在絶賛放送中のテレビアニメ『ゲッターロボ アーク』をより楽しむための、石川賢「ゲッターロボ・サーガ」の魅力を探るインタビュー企画は後編に突入。ゲッター線をもっとも強く浴びた脚本家にして、編集者時代に『アーク』コミックの担当を務めた中島かずきさんが、さらにディープに石川ワールドの魅力、そして『アーク』アニメへの期待を語る!(全2回・後編)

――『アーク』の先の展開についてなど、石川先生から伺ったことはないのですか。
▲サーガ最終章である『ゲッターロボ アーク』のコミックは未完のまま幕を閉じたが……。 
(C)1974-2021 Go Nagai・Tetsuko Ishikawa/Dynamic Production

中島 本当に何も聞いてないんですよ。先生との関係は、原稿をいただくだけでいいという思いがあったんですね。そこは結構ビジネスライクに、あまり深入りしないところで。

――いやいや、ビジネスライクじゃないですよ。ビジネスだったら、今後の展開をちゃんと知っておかないと困るじゃないですか。

中島 (頭を抱えて)なるほど、そうか……自分が読者になってしまっているから、先を知りたくなかったんだ! 確かにおっしゃるとおりです(苦笑)。

――石川ファンの思いが強すぎましたね(笑)。

中島 その一方、話がどんどん広がっていく中で自分はどこまで責任が持てるのか、この連載の場を守れるのかっていう怖さもあったんですよ。結果的に(スーパーロボットマガジンは)休刊になっちゃいましたし、そこは本当にすみませんという気持ちがあって。

――中島さんから見た石川先生像がどんなものだったか、お聞かせください。

中島 穏やかな方でしたね。本当にニコニコしてて、自由人っていうのか……「自分も歳をとったら、こんな人になりたいな」と思える方でした。

――完全に作品と乖離したイメージですね。

中島 そうそう。「こんなホワ〜っとした人が、何であんなテンションのクレイジーなものが描けるんだ」って思ってましたね。

――お話したことなどで印象に残っていることは。

中島 自分が脚本を書いた97年版の『髑髏城の七人』を観に来てくれて、その後一緒にご飯に行ったら「脚本がいいよ」と褒めてくれたのが嬉しかったですね。

――改めて、石川賢作品の魅力はどんなところにあると思われますか。

中島 やっぱり「明るい乱暴さ」ですよね。人が生きていく力強さみたいなものが、すべての作品の根底にあると思うんです。石川さんはさっき話したようなお人柄なので、どんな凄惨なものを描いてもどこかユーモラスな部分があるんですよ。
▲『アーク』敷島博士のキャラクターにも「明るい乱暴さ」の魅力が。

あと石川さんは基本的にすごく構成力がある人だと思うんだけど、「このまままとめたら面白くないよね」って、描きながらご自身で物語のスケールをぐっと広げていくんじゃないかと感じてました。勝手に動いていくペンを自由に遊ばせていく感じ。だから、漫画そのものが持っているダイナミズムを感じられるんです。

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――せっかくの機会ですので、『ゲッターロボ』以外でおすすめの石川作品をぜひ教えてください。

中島 個人的に一番好きなのは『虚無戦記MIROKU』ですね。あの時期の絵とストーリーが一番好きなんですよ。あとは『伊賀淫花忍法帳』。あのバカバカしさ、最後のオチがとにかく「すげえな」の一言で。初心者には『魔界転生』(原作:山田風太郎)が一番読みやすいかな。これは本当におススメです! 今入手は難しいかもしれませんけれど、ぜひ頑張って読んでほしいです。

――『アーク』を原作準拠で、しかもTVシリーズでアニメ化するというニュースは、ファンの立場からは驚愕の一言だったんですが、中島さん的にはいかがでしたか。

中島 自分が興した作品がテレビで観られるっていうのは、やはり嬉しいですよね。本当に楽しみにしています。

――具体的にどういうところに期待したいですか。

中島 やっぱりアークやエンペラーが動くところとストーリーのスケール感かな。

――アークの造形って、ゲッターロボを基本にいろいろ進化した要素が入っていて面白いデザインですね。

中島 ええ、何せ牙と爪があるロボットですからね。石川さん、そういうところを気にしないんだ、自分が面白いと思うところにどんどん行くんだな、と驚きました。多分あの人の中で、ゲッター線の進化の先にあるのはこういうのだ、と思っているんですよね。
▲ヒーロー側のロボットに悪魔・野生的なイメージを大胆に投入。

――今までのシリーズを読んでいる読者の中には「ゲッターロボってこういうものだ」っていう既成概念、スタイルみたいなものがあるじゃないですか。なのに石川先生は逆にそういうのが……。

中島 ないんですよ。覚えているのが、石川さんが『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』の1話を観られた時にお会いすることがあって。ニコニコと「面白いんだよ、ゲッタードラゴンがいっぱい出てきて」っておっしゃったんです。その後、自分の作品でもどんどん量産型を出してくるようになりましたから、面白いと思ったものは貪欲に取り入れていくんですよね。
▲『ゲッターロボ アーク』にも量産型ゲッターロボ「ゲッター02」が登場。

――自作のアニメ化作品からアイディアを貰うってすごいですね!

中島 そういうところがすごく自由だし、石川賢という作家のすごいところだと思うんですよね。そうそう、昔石川さんに「自分でリメイクしたいロボット漫画ってありますか」って聞いたことがあるんですよ。そしたら『鉄人28号』(横山光輝)っておっしゃって、そこでゲッターワンの造形がすごく腑に落ちたんですよ。

――……あ!

中島 そう、要するに鉄人と同じで寸胴なんですよ。だからゲッターロボって、横山ロボのニュアンスを、自分で描いたらどうなるかみたいな気分があったのかもしれない。

――今のお話を聞いていてこちらも気が付きましたが、鉄人ってやたらとすぐ壊れるじゃないですか。ゲッターロボの壊れやすさって、そこから来てるのかも!?

中島 かもしれないですね、簡単に腕が落ちたりするから。

――またゲッターって、壊れるとカッコいいんですよね!

中島 そうなんですよ! やっぱりムサシの最期のところ、ボロボロになって自分で腹を引き裂いてゲッター線の動力炉を出すところの絵のカッコよさがもう!

――もはや取材ではなく『ゲッターロボ・サーガ』のファントークになってしまいましたが(笑)、最後に中島さんから、改めてアニメ『ゲッターロボ アーク』への期待の言葉をお願いします。

中島 自分が立ち上げて、結果的に中途半端にしか幕が引けなかったという忸怩たる思いがありますので、今回アニメになることで、『アーク』を物語としてちゃんとまとめた形で観られることを楽しみにしております。スタッフ・キャストの皆さん、本当に頑張ってください!

>>>『ゲッターロボ アーク』キャラ&メカ場面カットを見る(写真12点)

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