感染症の予防のため、現在推奨されている対策はコロナ禍が過ぎ去っても残してもいい(shintako/stock.adobe.com)

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 いつも、この季節になるとインフルエンザで大騒ぎしていましたが、もう1年以上この病気に出会っていません。今、町医者である私のところには、高熱の患者さんはほとんど来院されませんので、当然といえば当然ですが、例年のインフルエンザ罹患数を考えると驚異的なことです。

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 厚生労働省のホームページで経時的なインフルエンザの罹患数をグラフで見ることができます。例年であれば年末から年始にかけてスパイク状にインフルエンザの患者さんの増加を認めますが、昨年末から今年度にかけては概ねフラットです。すなわちインフルエンザに罹患している人がほとんどいないということです。世界でも同様のことが起きているのだと思います。

 インフル以外でも、あらゆる感染症の罹患数が減少している可能性があるのではないでしょうか?先日、小児科の先生も患者さんがほとんどいないと仰ってました。来院されるのは、ワクチンの患者さんくらいだとか。決められた病院からの感染者の罹患数が週に一度報告されますが、それらでも感染性胃腸炎の患者さんが少数いるくらいの報告です。

 うがい、マスク、手洗いをしっかりと行い、三密を避けている効果が出ているのではないでしょうか。私のところにも気管支炎や上気道炎、胃腸風邪の症状で来院される患者さんはほとんどいません。コロナを恐れ受診抑制している影響はかなりあり、一概に言えませんが、現在推奨されている対策は必要な部分のみ、コロナ禍が過ぎ去っても残してもいいように思います。

 ただ、受診抑制の問題は深刻です。私の知り合いは悪性リンパ腫の経過観察中でしたが、コロナ禍のためかなり悪化した状態で受診され、今後が心配されます。過度の受診抑制、経済の疲弊が悪化しないなどの改善点は山積みですが、いい習慣は今後も残していきたいものです。

◆谷光 利昭 兵庫県伊丹市・たにみつ内科院長。外科医時代を経て、06年に同医院開院。診察は内科、外科、胃腸科、肛門科など。