ベストフレンドの犬と一緒に寝る男児(画像は『Together anything is pawsible 2020年9月2日付Facebook「Let sleeping dogs lie...」』のスクリーンショット)

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1歳になっても言葉が出ず、目を合わせることもなく、人にほとんど関心を示さなかった「自閉症スペクトラム障害」の男児が3年前、自宅に1匹の犬を迎えたことで驚くべき変化を遂げた。男児の母親が『Metro』『The Autism Site』などのインタビューに応じ、運命を変えたコッカー・スパニエルとの出会いや関わりについて語った。

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英ハンプシャー、アンドーヴァー在住のヘイリー・カービィー=バルナーさん(Hayley Kirby-Bulner、44)の息子レオン君(Leo、4)は、人とコミュニケーションをとることが困難で強いこだわりを持つ発達障がい「自閉症スペクトラム障害、以下ASD」を抱えている。

レオン君の場合、1歳になっても言葉が出ずに自分の殻に閉じこもり、心配したヘイリーさんは2017年にメスのコッカー・スパニエル“ファーン(Fern、3)”を自宅に迎え入れた。そしてこの子犬との出会いが、レオン君に驚くような変化をもたらした。

ヘイリーさんは息子とファーンとの関わりについて、次のように語った。

「3年前のレオンは人にほとんど興味を示しませんでしたが、フォーンには一瞬で恋に落ちたのです。フォーンと接するレオンは、それまで私たちに見せたことがないような輝く目をしていました。そしてフォーンは、レオンにとってかけがえのない存在になったのです。」

「レオンは人間よりも動物が好きなのです。ファーンとはかくれんぼをして遊び、眠るのも一緒。お揃いの服も持っているベストフレンドなんですよ。」

「何よりも素晴らしいことは、レオンが心を開き少しずつ発話するようになったことです。ファーンがやってきて3年、レオンはコミュニケーションをとるのが上手になり、目を見て話をしてくれます。それにノンストップでおしゃべりをするんですよ。」

ヘイリーさんによると、ファーンはASDの子のアシスタントドッグ(介助犬)の訓練を受けており、癇癪を起して手が付けられなくなったレオン君を落ち着かせて安心させるそうだ。またレオン君がパニックに陥って床に頭をぶつけるようなことがあれば、レオン君と床の間に身体を入れて危険が及ばないように対処し、常に寄り添い、安全な環境を与えるという。

ヘイリーさんは「ファーンは、レオンにとってまさに救世主だったのです。そして私たちが日々、ファーンにどれだけ助けられているのか…。例を挙げたら切りがありません。それにファーンとレオンの絆は日に日に強くなっていってるんですよ」と語ると、あるプロジェクトを進めていることを明かした。

「レオンのようにASDを抱え、経済的な理由でアシスタントドッグを手に入れることができない子供たちに訓練されたコッカー・スパニエルを贈ってあげたいのです。そのため今、レオンと一緒に刺繍が入った小物などを制作し資金調達をしているんですよ。またクラウドファンディングサイトも立ち上げました。」

「プロジェクトは順調で、私たちの夢が叶うまであと一歩です。ASDの子にアシスタントドッグの第1号を贈ることができるのも時間の問題でしょう。」

ちなみにヘイリーさんは、レオン君とファーンの日常を捉えた写真や動画をSNSに多数投稿しており、お揃いのマントを着る姿や、レオン君がファーンと楽しそうに遊ぶ様子を垣間見ることができる。

その中でヘイリーさんはこんな言葉を残している。

「たった1匹の特別な犬が、特別な子の一生を変えてくれた。強くあれ。今は嵐でも、永遠に雨が降り続くことはないのだから。」

画像は『Together anything is pawsible 2020年9月2日付Facebook「Let sleeping dogs lie...」、2019年4月18日付Facebook、2019年7月15日付Facebook「And then you came along and my life became beautiful」、2020年2月20日付Facebook「‘If you think you are beaten, you are」、2020年12月16日付Facebook「After a very difficult night with Mancub he is full of beans yet I’m not!」、2020年12月30日付Facebook「Help Yourself To Happiness」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)