カスタマイズ欲の減少とともにクルマに対する情熱も冷めてしまう

 家族が増えたとか、生活環境が変わったとか、クルマを乗り換えるというときの理由はさまざまあると思うが、ちょっと切ない理由のひとつが「愛車に飽きた」というものだ。購入するときは欲しくてたまらなかったハズの愛車なのに、気づけばすっかりその熱も冷めていた……というのは悲しいものである。

 当然、年齢を重ねて食事の好みが変わるように、趣味趣向が変わっていくということもあるだろうが、今回は飽きの来ないクルマとはどんなものなのかを考えてみたい。

1)カスタマイズはほどほどに

 飽きのこないクルマと言うと、カスタマイズパーツが豊富なモデルであればあれこれカスタマイズの妄想が膨らんで飽きにくいと考える人もいるだろう。しかし、カスタマイズの方向性というのはそんなに頻繁に変わるものでもない。

 そのため、ある程度カスタマイズが完成してしまうと次にやることがなくなってしまい、カスタマイズ欲の減少とともにその車種に対する情熱も冷めてしまう可能性が高い。そうならないためにも、カスタマイズは一気にゴールまで行くのではなく、コツコツとやっていくほうが愛車と長く付き合えるだろう。

物珍しさやハイパフォーマンスすぎるクルマも飽きる可能性あり

2)マニアックすぎる車種も考えもの

 一般的にレア車と言われるようなマニアックなクルマも難しいところだ。購入当初はその珍しさから、周囲の仲間などからも注目され、メディアから取材の依頼が舞い込むなんてこともあるかもしれない。

 しかし、時間が経てば周囲もそれに慣れ、その一方でレア車過ぎて同じ車種の仲間が見つからないということになると、なかなか厳しい状況になる可能性も高い。やはりクルマ趣味というのは、仲間がいてこそ幅が広がるというものなのだ。もちろん、そのレア車を心から愛して購入している人にとっては、そんなことはまったく苦にならないと思うが、物珍しさだけで手を出すのはオススメできない。

3)ハイパフォーマンスすぎるのも疲れる?

 ニュルブルクリンク1周何分何秒とか、1〜100km/h加速が何秒とか、ハイパフォーマンスモデルをアピールする基準はいくつもあるが、あまりにハイパフォーマンスすぎるモデルも飽きがきやすい印象がある。

 そもそもそこまで過激なモデルを常日頃使い続けるのも疲れてしまうだろうし、ハイパフォーマンスモデルは常に進化を続けていて、より速いモデルがどんどん生まれていることを考えると“最速”である期間は非常に短い。週末だけとか、月に数回のサーキット走行のときだけ引っ張り出すという使い方ならいいかもしれないが、日常の相棒としては意外とオススメしにくいモデルと言えるだろう。

 とはいえ、長く乗ると心に決めた車両を数か月で手放してしまったり、一方で繋ぎのために適当に買った軽自動車にドップリハマってしまった人がいたりと、一概に長く乗れる車種が何かと断言するのは難しいというのが正直なところ。それだけに長く乗れる車種を見つけられた人は幸せと言えるだろう。