100歳を過ぎてから800頭以上の子孫を残して自らの種の絶滅をたった1匹で救ったエスパニョーラゾウガメ「ディエゴ」の現役引退が発表されました。CNNやガーディアンなどの大手報道各社が、ディエゴの引退を惜しむ記事をそれぞれ報じています。

Parque Nacional Galápagos - 投稿

https://www.facebook.com/parquegalapagos/posts/2501860959924937

Sex machine: prolific Galápagos tortoise saves his species | Environment | The Guardian

https://www.theguardian.com/environment/2020/jan/13/tortoise-saves-species-sex-drive-galapagos-

Diego the sexy tortoise saved his species from extinction. Now he's back for more - CNN

https://edition.cnn.com/2020/01/11/americas/diego-playboy-tortoise-sex-life-galapagos-scli-intl/

エスパニョーラゾウガメ(Chelonoidis hoodensis)は、ガラパゴス諸島に属するエスパニョラ島に生息する大型のリクガメです。ガラパゴス国立公園が繁殖プログラムを始めたとき、エスパニョーラ島に生息していた野生のエスパニョーラゾウガメはわずか15匹のみと、文字通り絶滅の危機に瀕していました。

しかし、その15匹のうちに含まれていたのが、卓越した精力を持つディエゴでした。プログラム開始時点でディエゴは100歳を超えていましたが、ディエゴはあてがわれたメスたちと800匹を超える子孫を作ることに成功。プログラム全体によって生み出されたエスパニョーラゾウガメは約2000匹で、そのうち約40%がディエゴの「妊活」によって生を受けた計算です。



数多くの子孫の生誕や外来種の撲滅、エサとなるサボテン栽培の成功などを受けて、ガラパゴス国立公園当局は「繁殖プログラムの終了」を決定。ディエゴの種を救う活動に終止符が打たれました。プログラムを主導したワシントン・タピア氏は「さまざまな数学的モデルを駆使して100年後の個体数を予測しました。結論として、プログラムを継続しなくとも個体数を維持できるほどの数が回復したと考えられます」と説明しました。

なお、エスパニョーラゾウガメの個体数が落ち込んだ原因は、1800年代半ばに海賊船や捕鯨船によるエサと油を目的とした乱獲だと考えられています。