万が一の事故の際に自動で保険会社へ映像が送信される機能も

 最近、あおり運転被害のニュースが世間を騒がせているが、いつ、自身がそんなトラブルに巻き込まれるかもしれないご時世だ。さらに、出合い頭の事故など、どちらが悪いかを判定しにくい事故もある。

 そんなときも役立つのが、今、売れに売れているドライブレコーダーだが、いよいよ大手自動車保険会社が、ドライブレコーダーを用いた「テレマティクス保険」サービスを始めている。そう、ドライブレコーダー特約である。

 その内容は、月額1000円程度で、自動車保険会社専用のドライブレコーダーを貸し出してくれるというもの。これからドライブレコーダーを導入しようと思っているドライバーには朗報だ。

 それだけじゃない。一般的なドライブレコーダーは画像や音声を記録するだけだが、自動車保険会社専用のドライブレコーダーは、衝撃を感知すると自動的に事故受け付けセンター(や警備会社)につながるサポート機能付きの仕組みになっている。その自動通報機能に加え、マイクとスピーカーでオペレーターとの会話も可能な通信通話機能が備わっているのが大きな特徴となる。つまり、ヘルプネット=SOSコール的な機能もあるということだ。

 そのため事故の際、自身で保険会社に電話などする必要はない。なおかつドライブレコーダーに記録された画像などは、自動で保険会社に転送される場合もあり、いち早くサポートを受けられるというわけだ。

 たとえば、ある大手自動車保険会社では、「専用ドライブレコーダーが一定以上の衝撃(時速30km程度以上で壁と衝突した場合など)を検知し、約30秒間、車両の移動が確認できない場合は、事故と判定して、位置情報や衝撃検知時のイベント記録などが保険会社に送信されます。また、専用安否確認デスクのオペレーターは、専用ドライブレコーダーを通じてお客さまに安否確認コールを行います」とある。

 ただし、「専用ドライブレコーダーが衝撃を検知しない場合(衝撃の程度が専用ドライブレコーダーに設定された基準に満たない場合)は、衝撃検知の画面が表示されず、[緊急通報]ボタンもご利用いただけません。通常の事故・トラブルと同様、ご自身で事故受付センターやロードサービスまでご連絡ください」となる。

保険適用の事故でないとダメな可能性もある

 さらに、市販のドライブレコーダーとは違う、安否を家族に連絡してくれるなどの指定連絡者共有サービスまである。だが勘違いしてほしくないのは、あくまで自動車保険がカバーする事故についてのみ、サービスが受けられる点である。あおり運転被害にあっても、自動車保険が適応される事故にならなければオペレーターサービスは受けられない。その点では自動通報機能に加え、あおり運転被害にあったときに手動通報でき、警察や消防、ドクターヘリと連携できるSOSコール、オペレーターサービスとは完全に別物というわけだ。

 では、そうしたドライブレコーダー特約のデメリットはあるのだろうか。まずはドライブレコーダーの貸し出しを含む特約料金だ。大体、月700円〜900円で、年間1万円程度となり、3年で3万円程度となる。それは、市販のドライブレコーダーの前後録画モデルや360度録画モデルの高性能版と同等の価格だが、自動車保険会社のドライブレコーダーは基本的に前方のみ記録するモデルとなる(リヤカメラは別売)。

 これを安いと見るか、高いと見るか。さらに、運転中、どこをどう走っているかといったプライバシーを保険会社に自動提供するという面で抵抗を感じる人がいるだろうし、自身に不利な情報(画像)も否応なく保険会社に送信されることは覚えておきたい。

 もし、ドライブレコーダーの導入が、事故時の証拠としてはもちろん、あおり運転被害対策が主、というなら、市販の前後&360度ドライブレコーダーのほうが安心かもしれないし、いっそ、軽自動車のデイズにも搭載されるヘルプネット=SOSコールを備えたクルマと360度ドライブレコーダーのセットのほうが、むしろ、最強の安心を得られる方法となりそうだ。自動車保険会社のドライブレコーダー特約は、あくまで、事故の際の安心機能ということである。

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