カレーに罪はないが…(写真はイメージ)

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神戸市立東須磨小学校の「教員いじめ」で、その道具に使われたカレーを給食から一時的に中止すると市教委が発表し、ネット上でも波紋が広がっている。

カレーショップからは、「カレーに罪はない」と疑問視する声が続出している。しかし、市教委では、「児童らが精神的ショックを受けているため」だとして、当面続ける考えだ。

「カレー好きな子多いだろうに」「何で子供が責任...」

「なぜそういう発想になるのかな?」「本質がズレてるよ」「子供ってカレー好きな子多いだろうに」「何で子供が責任取らされるんだよw」...

加害教員らが激辛カレーを被害教員に無理やり食べさせる様子の動画がテレビなどで繰り返し流れ、いじめ問題の深刻さが白日の下に晒された。その一方、神戸市教委では、この動画にショックを受けた児童がいるとして、2019年10月16日の保護者会で給食カレーの一時中止を発表し、ツイッター上などでは、この決定に疑問や批判の声が噴出している。

「何の罪もない子供たちが可哀そう」との声が相次ぎ、フラッシュバックで気分が悪くなる児童がいれば、個別のメニューで対応すればいいのではないかとの意見が出た。また、「いじめをマネする児童が出るのを恐れたのではないか」といった憶測も出て、むしろ、いじめたり食べ物を粗末にしたりしてはダメと教育するいい機会になるとの指摘もあった。

一方で、「応急処置的なもの」「カレー出さないは正解やろ」「何かあると困る」と、市教委の対応に理解を示す声も一部であった。

著名人からの反応も相次いでおり、様々な意見が書き込まれている。

アルピニストの野口健さんは「カレーは何も悪い事はしていないよね...」と疑問を呈し、吉村洋文大阪府知事は、「クビにすべきは、カレーじゃなくて、加害教員でしょ」とツイートした。

カレー店からも異論続々「カレーに罪はありません」

ライターで著名ツイッターユーザーの深爪さんは、「カレーを見ただけで具合が悪くなる児童も出てもおかしくないと考えれば、ある意味妥当な措置なのかな」などと市教委の対応に一定の理解を示した。

カレーショップからは、カレーへの風評被害などを懸念する声も次々にツイートされている。

静岡県沼津市にある「印度屋キッチン・ダバ下香貫店」は10月17日、「給食のカレーに罪はありません」と問題提起し、カレー料理の前でスタッフがお願いのように手を合わせる写真をアップした。この投稿は、大きな反響を呼び、10万件以上もの「いいね」が付いている。また、ほかのカレー店も続々呼びかけており、ツイッター上では、カレーを避けずに食べようと写真を投稿する動きが活発になっている。

神戸市教委の健康教育課は18日、給食について、東須磨小から相談が来て、時期を決めずに当面、カレーを変更することにしたとJ-CASTニュースの取材に答えた。変更の理由については、「詳細は、お答えしかねます」とした。

代替メニューとして、カレー粉は止めたうえで、肉やジャガイモ、ニンジンなどの食材を生かした煮物にするなど、味付けを変えるそうだ。

カレーを食べられない児童に個別対応することについては、「同じ釜を使って自校調理しており、メニューを分けるのは難しいです」と話した。給食のカレーを今後の教育に生かすことについては、「そういう声を聞いていませんので、学校から相談があれば考えたい」と言うに止まった。カレー一時中止についての意見は、18日昼過ぎ時点までは来ていないという。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)