代表戦での出場はわずか4分間のみだったが、やはり移動による疲労は相当なもの。マドリー戦の久保はベントスタートが現実的か。(C)Mutsu KAWAMORI

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 日本サッカー界が誇る至宝に対して、マジョルカ指揮官のアプローチは慎重だ。

 火曜日にドゥシャンベで行なわれたワールドカップ・アジア2次予選、日本代表は難敵タジキスタンを相手に3−0の勝利を収め、3連勝を飾った。この試合の86分に登場したのが、久保建英だ。前節のモンゴル戦で出場機会がなかった18歳は、トップ下の位置に入って精力的にピッチを駆け回ったが、代表における史上最年少ゴールは挙げられず。記録更新は11月のキルギス戦にお預けとなった。

 ラ・リーガでのさらなる躍進を期す久保にとって、今週末の一戦はきわめてスペシャルだ。レンタル元であるレアル・マドリーとのホームゲームで、ローン契約ながら出場が認められている。

 そんななか、スペイン全国紙『AS』が増大する久保へのプレッシャーについて言及。マジョルカのビセンテ・モレーノ監督はその起用に細心の注意を払っているという。

「マドリーのプレシーズンで鮮烈な活躍を見せ、鳴り物リ入りでマジョルカにやってきたタケ──本人はそう呼んでほしいようだ──には特大のスポットライトが当てられてきた。だがモレーノ監督は一貫して、18歳の青年である彼に過度なスポットライトは必要ない、大きな責任を負わせるべきではないと考えている。ずっとスタメン起用を続けていないのもそのためで、今回も日本代表戦の移動による疲労を最大限に考慮するはずだ」

 
 久保は8節を終えたラ・リーガ1部で、6試合に出場して3度先発に指名されている。直近のエスパニョール戦(10月6日)では周囲の予想に反してスタメン落ちし、地元メディアなどは疑問を投げかけていた。

 指揮官は久保の微妙な心の揺れに、なにかしらの変化を感じ取っているのか。土曜日に本拠地ソン・モイスで迎えるマドリー戦。大一番での起用法に注目が集まる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部