永井謙佑(撮影:佐野美樹/PICSPORT)

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エルサルバドル戦の試合後、永井謙佑は「抜けちゃった」と苦笑しながら報道陣の前に現れた。「抜けた」のは快足で相手を抜き去ったことではなく、古傷の右肩が「抜け」てしまったことだった。

もっとも、永井は試合前日「抜ける」ことを狙っていると語っていた。「(相手守備陣の)背後を狙って、裏で起点を作りたい」と、飛び出すプレーを予告していたのだ。

惜しみなく上下動するプレーが生きたのは19分。冨安健洋が「正直、ちょっと長すぎたかなと思った」というパスを前線に送ると、永井は相手選手2人と競りながらボールをキープし、切り返してかわすと自身の初ゴールを決めた。

「思いのほか(相手選手が切り返しに)食いついてくれて、その後がフリーだったので、うまく入ってよかったです」

そう言いながらも体勢的にはファーサイドに蹴りそうになりながらニアサイドを抜く技も見せた。本人にそう言うと、「ファーに打ったらふかすかなと思って」と少し笑顔になる。41分の追加点は「(原口元気からの)リターンが来るなら、あそこかなと思って。元気のおかげです」と謙遜する。そして再び落ち着いたトーンで話を続けた。

「今回は(追加招集ということで)ラストチャンスだと思ってやってきましたし、年齢も年齢なので、結果を出せてよかったです」。そう言いながらも「ケガして退場しちゃったんで……」と心残りを口にした。

2得点は十分に結果を出したと言えるだろう。だが、永井はもっと実績を積み重ねたかったようだった。もし久保建英が出場するときもプレーしていたら、FC東京でお互いをよく知るというメリットを生かして、ハットトリックも達成できたのではないか。

そう言われた永井は少し考え、「だいたいタケ(久保)がデビューするときは、オレはベンチにいます」と一言。2017年11月26日、久保がJ1リーグにデビューした広島戦で、久保と交代したのは永井だったことを振り返り、やっといつもの笑顔になっていた。

【テキスト:森雅史/日本蹴球合同会社、撮影:佐野美樹/PICSPORT】


(撮影:佐野美樹/PICSPORT)



(撮影:佐野美樹/PICSPORT)



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(撮影:佐野美樹/PICSPORT)



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(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ 山中亮輔

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ 小林祐希

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)


▼ エルサルバドル戦の先発イレブン

(撮影:佐野美樹/PICSPORT)