【漢字トリビア】「舌」の成り立ち物語
「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今回の漢字は「舌」。選挙を控えて、巷では「舌戦」がくり広げられています。今回は「舌」に込められた物語を紹介します。

「舌」という字は、口の中から出ている舌の形を描いた象形文字。
古代の甲骨文字には、舌の先端がふたつに分かれ、蛇のように激しく動く様子が表されています。
言葉を発し、ものを食べる。
動物たちは、からだを清潔に保つためや傷を治すためにも舌を使います。
生命活動に直結する舌は、いつも忙しく働いている。
その様子を見たいにしえの人は、感謝の念を抱きつつ、この「舌」という漢字を刻んだのです。
本来、食べ物それ自体には味などありません。
動物や人間が味覚器である舌や嗅覚を介して、脳内で「おいしい」「まずい」と感じているだけのことなのです。
味覚は、生物の進化によって生み出された感覚。
人間や動物は、自分の身体に必要な栄養を味で感じ取る力を磨いてきました。
エネルギー源になる甘みや、細胞をつくるもとになるうまみ。
体液バランスや神経伝達機能に欠かせない塩味。
味覚の働きによって脳が有益な物質だとみきわめたとき、それらを食べることを促して生き伸びてきたのです。
苦味や舌のしびれなどの感覚は毒物である可能性が高いため、食べるのを避けていましたが、コーヒーやビール、ゴーヤなどは学習することによって楽しむようになりました。
よく働く舌のおかげで、地球上の人生を謳歌し、多彩な食の幸福を味わっている私たち。
「舌」の鋭い判断力に感謝したいものです。
ではここで、もう一度「舌」という字を感じてみてください。
舌は、いつも正しく働くとは限りません。
舌先三寸で人をだますこともあれば、舌の根も乾かぬうちに発言をひるがえすこともある。
舌の剣と書く「舌剣」は人を傷付ける。
ただ饒舌なだけで中身のない主張をする舌もある。
かつて、自らの感覚を研ぎ澄ませ、生命を守り育んできた先人たちのように、怪しい働きをする舌をしっかりみきわめて、確かな判断を下す力を養いたいものです。
漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。
*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
『日本人の味覚は世界一』(鈴木隆一/著 廣済堂新書)
『味と匂いをめぐる生物学』(斎藤徹、谷口和美、谷口和之/著 アドスリー)
7月9日の放送では「字」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。
【あわせて読みたい】
★「不登校から夢に向かって転校」高1女子が宣言(2016/7/6) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/g8DytsoQV5.html
★ももクロ 「洞窟内で食べる鍋」に興味津々(2016/7/3) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/MzkNAf06yu.html
★【漢字トリビア】「選」の成り立ち物語(2016/7/1) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/W4u7zpBS0r.html
<番組概要>
番組名:「感じて、漢字の世界」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/

「舌」という字は、口の中から出ている舌の形を描いた象形文字。
古代の甲骨文字には、舌の先端がふたつに分かれ、蛇のように激しく動く様子が表されています。
動物たちは、からだを清潔に保つためや傷を治すためにも舌を使います。
生命活動に直結する舌は、いつも忙しく働いている。
その様子を見たいにしえの人は、感謝の念を抱きつつ、この「舌」という漢字を刻んだのです。
本来、食べ物それ自体には味などありません。
動物や人間が味覚器である舌や嗅覚を介して、脳内で「おいしい」「まずい」と感じているだけのことなのです。
味覚は、生物の進化によって生み出された感覚。
人間や動物は、自分の身体に必要な栄養を味で感じ取る力を磨いてきました。
エネルギー源になる甘みや、細胞をつくるもとになるうまみ。
体液バランスや神経伝達機能に欠かせない塩味。
味覚の働きによって脳が有益な物質だとみきわめたとき、それらを食べることを促して生き伸びてきたのです。
苦味や舌のしびれなどの感覚は毒物である可能性が高いため、食べるのを避けていましたが、コーヒーやビール、ゴーヤなどは学習することによって楽しむようになりました。
よく働く舌のおかげで、地球上の人生を謳歌し、多彩な食の幸福を味わっている私たち。
「舌」の鋭い判断力に感謝したいものです。
ではここで、もう一度「舌」という字を感じてみてください。
舌は、いつも正しく働くとは限りません。
舌先三寸で人をだますこともあれば、舌の根も乾かぬうちに発言をひるがえすこともある。
舌の剣と書く「舌剣」は人を傷付ける。
ただ饒舌なだけで中身のない主張をする舌もある。
かつて、自らの感覚を研ぎ澄ませ、生命を守り育んできた先人たちのように、怪しい働きをする舌をしっかりみきわめて、確かな判断を下す力を養いたいものです。
漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。
*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
『日本人の味覚は世界一』(鈴木隆一/著 廣済堂新書)
『味と匂いをめぐる生物学』(斎藤徹、谷口和美、谷口和之/著 アドスリー)
7月9日の放送では「字」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。
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★「不登校から夢に向かって転校」高1女子が宣言(2016/7/6) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/g8DytsoQV5.html
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<番組概要>
番組名:「感じて、漢字の世界」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/
