ロシアのエースが批判に反論した。

 ロシアのウクライナ侵攻に対し、世界中から批判の声が高まるなか、沈黙するロシア代表の選手たちにも厳しい意見が飛んだ。

 3月1日には、エバートンのウクライナ代表DFヴィタリー・ミコレンコが、自身のインスタグラムのストーリーで、ロシア代表のエースでキャプテンも務めるアルテム・ジューバ(ゼニト)を筆頭に、ロシア代表チームを痛罵した。

「お前がクソなチームメイトと共に沈黙を守っている間にも、平和的な市民がウクライナで殺されている。お前は残りの人生、地下牢に閉じ込められることになるだろう。そして最も重要なのは、それはお前の子供たちも一緒だということだ。僕は嬉しいよ」

 これに呼応したのが、ウェストハムの所属するウクライナ代表のエース、アンドリ―・ヤルモレンコだ。2日にインスタスラムに動画を投稿し、ロシア代表をこう糾弾した。

「ロシア代表の選手たちに質問がある。君たちは、なぜクソ野郎のように座っていて、何も言わないのか?私の国で、ロシア人は人々を殺し、妻を殺し、母親を殺し、子供を殺している。しかし、君たちは何も言わない。何もコメントをしていない君たち全員が団結して、私の国で実際に起こっていることを人々に示してくれ。君たちは人々に影響力を持っている。それを見せてほしい。お願いだ!」

 ヤルモレンコはさらに、過去に卑猥な動画が流出するスキャンダルがあったジューバに対して、「カメラの前でタマを見せたがる人もいるようだが、本当にタマ(男)を見せてみる時が来た」と皮肉を飛ばしている。
 
 これに反応したのが、標的となったジューバだ。同日、自身のインスタグラムを更新し、次のように綴った。

「最近まで、私はウクライナでの出来事について話したくなかった。恐れているからではなく、政治の専門家ではないので、そうするつもりはなかった」

 そう切り出した33歳のFWは、「しかし、他のみんなと同じように、私には自分の意見がある」として、こう続けている。

「戦争は怖い。しかし、私は人間の攻撃性と憎しみにショックを受けている。それは毎日、信じられない数のそれを受けている。私は国籍に基づく差別に反対している。ロシア人であることを恥じてはいない。私はロシア人であることを誇りに思う。なぜアスリートが今苦しむべきなのか理解できない」

 大型ストライカーは、「私は二重基準に反対している。なぜ誰もが常にスポーツと政治は別だと叫んでいるのに、ロシアに関しては、この原則が完全に忘れられているのか? 繰り返すが、戦争は怖い。ストレスの多い状況では、人々は時にネガティブになる。立場や職業に関係なく、今やすべてのロシア人にどれほどの怒り、汚い言葉が注がれているのか。侮辱や脅迫を書いている何千人もの人々がいる」と嘆いている。

「ロシアが非常に多くものを与えた人々からこれらを聞くのは二重に奇妙です。これはすべて、よりネガティブなものを生み出すだけです。戦争は終わっても、人間関係は残る。そして、巻き戻すことは不可能になる。これを覚えていてほしい」

 最後に、「P.S.イギリスの大邸宅で腰かけて厄介なことを言う同業差たちに:これで私たちを怒らせることはできない、私たちはすべてを理解している!すべての人に平和と善を!」と締めくくっている。

【動画】インスタグラムでロシアの選手たちを批判するヤルモレンコ