「PCプラス」の時代においても、グローバル市場は日本の開発力に注目している――NECレノボ・ジャパン、ロードリック・ラピン会長に聞く
2011年7月にNECのパソコン(PC)事業と中国レノボの日本事業を統合させた「NEC レノボ・ジャパングループ」が発足し、合弁会社(レノボNECホールディングス)の会長に就任したのがロードリック・ラピン氏だ(当初は傘下の事業会社レノボ・ジャパンの社長を兼務)。合弁会社の株式の51%はレノボが保有し、レノボのグローバル展開における合弁会社の役割が注目されている。統合により、PC事業での国内トップシェアの地位を盤石にさせつつ、統合後のこの2年間にもシェアを伸長させるなど、厳しい市場環境のなかでも堅実に成果を上げてきた。ここまでのカギとなった戦略と今後期待するシナジー効果について、ラピン会長に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 魚谷武志、指田昌夫)
最重要な戦略は、三つのコミュニティの声を
とにかく「聞く」こと
――4月に米調査会社のIDCが発表した2013年第1四半期の世界のPC出荷台数は13.9%減と過去最大の減少をみせるという厳しい市場環境です。そのなかでレノボはグローバルでも日本国内でも出荷台数を維持し、シェアを伸ばしています。この市場環境のなかで、合弁会社をどういう戦略でリードしてきましたか?
合弁会社の設立当初から、戦略的に最重要な施策として取り組んできたのはとにかく「聞く」、皆様の声に耳を傾けるということです。
耳を傾けるコミュニティの第一は、日本の消費者です。我々は合弁の準備作業中から、市場に対し何回も重ねてアンケートを実施してきました。どういう案件かは伏せたままで、「日本の国内メーカーとグローバル企業の合弁会社ができたらどう思うか」「国内メーカーには何が重要か」を調査してきました。
その結果分かった点が三つあります。日本のお客様の懸念は、国内の生産拠点が閉鎖されてしまうのではないか、サービス水準が落ちるのではないか、製品の品質が落ちるのではないかということでした。
それを踏まえ、実際に戦略的な投資をした上で、2011年7月の合弁発足の記者発表の場で、NECの米沢事業場の閉鎖はしない、NECブランドの製品については保守サポートを無償にすることを発表しました。これはサービス水準が下がるのではなく上がるということであり、かつ、製品の品質水準に自信がなくてはできないことを示す狙いのものでした。
発足後は、NECのサービスの評価が高いので、レノボ側のコールセンターも移管し、NECのコールセンターが両ブランドに対応しています。また、当日の修理対応も始めており、NECブランド、レノボブランドは改善していくというメッセージを出しています。シナジー効果の実現により重複する部分を削減し、それによってお客様に還元すべく投資をしてきました。
