「モーニングスターETFカンファレンス2012」が2012年12月16日、東京国際フォーラムで開催され、ETFの運用会社として資産残高ランキングで世界のトップ3を占める3社が特別講演を行った。(写真は、左から、バンガード・インベストメンツ・ジャパン代表取締役の加藤隆氏、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ証券営業本部長のリチャード・クレアモント氏、ブラックロック・ジャパンiシェアーズ事業部ストラテジスト渡邊雅史氏。サーチナ撮影)

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 「モーニングスターETFカンファレンス2012」が2012年12月16日、東京国際フォーラムで開催され、ETFの運用会社として資産残高ランキングで世界のトップ3を占める3社(バンガード・インベストメンツ・ジャパン、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ、ブラック・ロック・ジャパン)が特別講演を行った。3者3様に語られた講演内容から、世界の市場で拡大を続けるETFの多様性がうかがえた。

 バンガード・インベストメンツ・ジャパン代表取締役の加藤隆氏は、バンガード社が2兆米ドルの運用総資産を有する世界最大級の運用会社であり、ETFを含むインデックス・ファンドのマーケットシェアでも44%を占めるトップ企業であることを紹介。さらに、過去3年間の米国ETFの純資産流入ランキングでも3年連続(2012年9月末現在)でトップを維持し、引き続きバンガード社のファンドには、強いニーズがあると語った。

 バンガード社のファンドの特徴は「低コストと高品質」(加藤氏)。2011年中の米国ミューチュアルファンドの平均エクスペンス・レシオ(ファンドの経費率)が1.12%であるところ、バンガードのファンドの平均は0.20%。さらに、米国籍ETFに限ると、業界平均が0.55%に対して、バンガードは0.17%だった。この背景には、「バンガードは世界で唯一つ、ファンドの投資家によって所有されるという構造を持った運用会社であること(一般的な運用会社が、その株主への利益還元を行うところ、収益の全てをファンドを通じて投資家に還元できる)」、そして、「バンガードのETF構造は既存のインデックスファンドと合同で運用される(米国でビジネス特許を取得)」という2つの要因によって他社が追随できないとした。

 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSgA)の証券営業本部長、リチャード・クレアモント氏は、SSgAが運用資産額2兆米ドルの運用会社であり、1993年に米国初のETF(SPDRトラストシリーズ1:S&P500)を米国に上場したパイオニアであると紹介した。2004年には業界初のコモディティETF「SPDRゴールド・シェア」を上場し、世界2位のETFプロバイダーとして先進のファンドを開発し、提供してきていると強調した。

 また、「S&P500ETF」とともに成長を遂げたETF市場について、「取引所での売買が可能(信用取引、空売りも可能)」「割安なコスト」「透明性(保有銘柄の情報開示)」「分散投資(代表的なバスケットを1回の取引で取得)」「現物設定/解約(かい離を最小化)」などの投資家メリットが理解された結果と解説した。すでに世界には5200本を超えるETFが存在し、純資産総額は2兆ドルに迫る。このような中で、最近のETFのトレンドについて、「新興国の株式、債券への注目が継続している」「世界的に高齢化社会になり、富の蓄積よりも安定利回りへのニーズが高まっている関係で、高利回りに注目が高まっている」「2008年に誕生したアクティブ運用型ETFに資金流入が拡大している」とした。そして、「SSgAは、引き続き日本におけるパイオニアとしての役割を果たす、最高のETFの経験をお届けします」(クレアモント氏)と語った。  ブラックロック・ジャパンのiシェアーズ事業部ストラテジストの渡邊雅史氏は、ブラックロックは運用資産残高3.67兆米ドルで世界最大級の資産運用グループであり、ブラックロックのETFブランド「iShares(iシェアーズ)」は世界最大のETFブランドであると紹介。「iシェアーズ」は日本で94本を届出て、多種多様な資産クラスへの投資を可能としている。また、保有銘柄一覧を日次で日本語開示しているなど、積極的な情報開示をしていると説明した。

 さらに、2012年11月14日に衆議院解散宣言が行われた夜間の米国市場で「為替の円安と日本株上昇を見込んだ海外投資家が、米国上場の日本株ETFは通常の5倍以上の売買代金があった」と、日本市場の動きを先回りする投資家の機敏な動きにもETFが活用される事例として紹介した。また、ニッチな投資対象を求める投資家のためのiシェアーズとして「米国ハイイールド(iシェアーズ iBoxx米ドル建てハイイールド社債ファンド)」「アジアの国別株式(インドネシア、フィリピン、タイなど)」「新興国の小型株(iシェアーズ MSCIエマージング・マーケット小型株・インデックス・ファンド)」「貴金属(iシェアーズ・ゴールド・トラスト、iシェアーズ・シルバー・トラスト)」など。さらには、フロンティア・マーケットへのアクセス手段として、中東、ナイジェリア、バングラディシュ、ベトナム等に投資するiシェアーズについて紹介した。(編集担当:徳永浩)