担当M(以下M):先日、記者会見の後に鹿島のオリヴェイラ監督が、日本のレフェリーは試合開始から10分間はイエローカードを出さないが、そのあとはすぐに出すと問題提起しました。なぜかほとんど報道されませんでしたけど。

ラモス(以下R):おっと、また審判問題ですね。確かにオリヴェイラ監督の言うことはわかりますよ。確かに10分を過ぎるとすぐイエローカードが出るという感覚はあります。だけど僕はあまりそれを変えなくてもいいんじゃないかと思います。

M:現状で問題はないですか?

R:細かく言えばあるけど、大筋ではね。僕は試合が止まるということがあまり好きじゃなかったから今のままでもいいと思うんですよ。試合が始まってすぐの時間帯はリズムを作ろうとしているので、そんなときに度々ストップされるといい試合にならない。だから開始から10分ぐらいはちょっとぐらい激しくても笛は少なくてもいいんじゃないでしょうか。それより最初の10分でちゃんと基準を示してくれれば安心できるんです。日本の審判は決して下手というわけじゃないけど、試合によって波が激しかったりするんですよ。「この前あんなにいい笛を吹いていたのに、どうして今日はこうなるの?」と言いたくなることはしょっちゅうだったから。

M:それがないと最初に警告を出したとき、選手がイライラするんですね。

R:それだけじゃなくて、いざ警告を出そうとするときに選手が判定に納得がいかないと試合がおかしくなる。それを防ぐためには、最初の10分間でもここぞというときにちゃんと選手を読んで話をすることなんですよ。「次にこれをやったら警告するぞ」と言っておく。そのときはちゃんと止めたほうがいいと思います。そうすることで他の選手たちにも聞こえるから。

M:そこで審判と選手との信頼関係を作るわけですね。

R:やり過ぎはダメですけどね。僕が嫌なのは選手がレフェリーの手に触ること。レフェリーが歩いていこうとすると、横から手を引っ張ったりするでしょう? ちょっと待ってよって。あれを僕は許せない。そんな行為にレフェリーが警告をしなかったらなれ合いですよ。そこの一線は守ってほしい。選手も主審もね。僕は結構口が悪かったけど、あれはやらなかったですね。

M:ラモスさんは口が悪かったんですね。何となくわかっていましたけど。

R:いろいろ言ってました。でもヒドいのは、僕がすっごく文句をいっている横で味方の選手が笑っているんですよ。僕があまり怒って興奮しているから、僕が変になっちゃったって言って。僕にしてみれば味方のために怒っているのにそりゃないよって。まぁ、それでみんな笑って終わったりしていたからよかったんですけどね。