NVIDIAとMicrosoftは6月2日(火)、Windows PCプラットフォームにおける生成AIのパフォーマンスを飛躍的に向上させるための包括的な協業を発表した。この中でNVIDIAは、Windows PCを再定義する新しいスーパーチップ「NVIDIA RTX Spark」を発表。アドビ「Photoshop」「Premiere」といったクリエイティブアプリケーションにおけるAI処理速度の引き上げにも期待がかかる。

この新型チップ「RTX Spark」の投入により、従来はインターネットを介してクラウド側のサーバーで処理されることが多かった大規模なAI編集タスクを、ユーザーの手元にあるPCの内部だけで処理できるようになる。チップに内蔵された高性能なAI専用コア(Tensorコア)のパワーを活用し、ローカル環境での超高速なAI処理を実現する仕組みとなる。

最新のハードウェア構成により「RTX Spark」の処理能力を実現。GPU部には「NVIDIA Blackwell RTX GPU」を採用し、6,144個のCUDAコアと、FP4精度に対応した第5世代Tensorコアを搭載。この強力なGPUが、独自の超高速通信技術「NVIDIA NVLink-C2C」を介して、20コアの高性能な「NVIDIA Grace CPU」と直結される。

最大1ペタフロップスのAI計算性能と最大128GBのユニファイドメモリを備え、1,200億パラメータの大規模言語モデルの実行や、12K 4:2:2ビデオ編集、90GBを超える超大型3Dシーンのレンダリングなどが、すべてバッテリー駆動のノートPC上で行えるとしている。

この取り組みは、アドビ製品をはじめとする次世代のクリエイティブツールにも恩恵をもたらすという。アドビもNVIDIAとの提携により、本チップに向けて「Photoshop」および「Premiere Pro」のコアレンダリングエンジンをゼロから再構築。RTX Sparkを活用することで、編集、カラー、エフェクトの処理において最大2倍に高速化するとしている。

クラウドの通信待ちやサーバーの混雑に左右されることなく、ローカル環境で高精細なRAW現像や画像編集のAI処理を完結できる点が、写真家やエディターにとってもメリットとなりそうだ。

NVIDIAとMicrosoftは、今回のパートナーシップ、ひいては新型スーパーチップ「RTX Spark」の投入を通じて、Windows PCを次世代のパーソナルAIコンピュータへと進化させるという。本チップを搭載したノートPCやデスクトップPCは、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Microsoft Surface、MSIなどの主要ブランドから今秋より順次発売される予定としている。