米テキサス州のトヨタ販売店(4月下旬)=関根晃次郎撮影

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 【ワシントン=関根晃次郎】米政府が自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を巡り、自動車・部品が無関税となる条件の域内部品調達率を75%から80%超に引き上げるよう求めていることがわかった。

 米国製部品の使用比率も新たに設定するよう要求。メキシコなどで北米向け車両を生産している日本の自動車大手にも影響が及ぶ可能性がある。

 USMCAは貿易赤字を問題視するトランプ大統領が第1次政権時代の2020年、それまでの北米自由貿易協定(NAFTA)を見直す形で発効した。6年ごとに協定の見直しを行うことが定められており、期限の今年7月を前に、5月28日から米国とメキシコとの間で先行して本格協議が始まった。

 関係者によると、米政府はメキシコに対し自動車・部品が無関税となる条件の厳格化を提示。域内からの部品調達率を現状の75%から80%超に引き上げるよう求めた。米国内に工場などの生産拠点を戻し、雇用を生み出したい狙いがある。

 また、米国側は新たに米国製部品の使用比率を設定するよう求めている。具体的な割合は50%が有力視されており、無関税の条件に追加されるかが焦点となる。

 これまで日本の自動車大手や部品メーカーなどは、巨大市場である米国に近く人件費も安いメキシコやカナダに完成車工場や部品工場を整備してきた。トヨタ自動車を始めホンダや日産自動車、マツダも関連工場をメキシコに構えている。

 トヨタの場合、メキシコで生産する完成車に占める米国産部品の割合は3割程度とされる。仮に50%の調達が条件となれば、関税負担やサプライチェーン(供給網)の見直しを迫られる懸念もある。

 USMCAは、3か国が合意すれば新たな条件で協定の有効期限を42年まで延長し、無関税の仕組みを維持する。米メキシコは6月に2回目の見直し協議を行う予定。一方、カナダ政府はトランプ政権への批判的な立場を崩しておらず、協議の日程も今のところ未定だ。

 トランプ政権はこれまでもUSMCAからの離脱をちらつかせるなどし、自国に有利な修正を求めてきた。ただ、米自動車大手もメキシコに工場を構え、協定の恩恵を受けており、各国の思惑が複雑に絡み合う。交渉が合意に至らなければ、現状の枠組みを維持したまま27年以降も毎年協議を重ねることになっている。