【密着】授業料は「1週間64万円」──外国人が修業する“ラーメン学校” 日本で学んで世界で出店『every.気になる!』
外国人を魅了する日本のラーメン。今、食べるだけではなく、日本に作り方を学ぶため修業に来る外国人が増えています。千葉県にある“ラーメン学校”を訪ねると、夢や目標を持って打ち込む若者たちの姿がありました。ラーメンにかける思いを取材しました。
■「日本の学校で基本を学んだ」

韓国・富川(プチョン)にあるラーメン店「麺が如く」。ここは日本で修業した韓国人の店で、ランチ時は満席になる人気ぶりです。売りは、濃厚なうまみが特徴のとんこつラーメン(約970円)です。
お客さん
「スープも麺もすべてがおいしい」
店主の洪(ホン)さんは35歳で脱サラしました。「日本の学校で麺やスープの基本的なことを学びました」と話します。
中米のグアテマラにも、日本で修業して店をオープンした人がいました。千葉・八千代市に、2人が学んだ「ラーメン学校 食の道場」があります。
■1週間の授業料は約64万円

ここで4月にラーメン修業をしていたのは、インドネシアから来た飲食店経営者のニックさん(26)です。「日本風のカフェを始める予定で、そこでラーメンも提供したいので修業に来ました。(インドネシアで日本のラーメンは)とても人気です」
日本人も受講可能で、修業期間は1週間。1日8時間、麺打ちの基礎から鶏ガラや豚骨スープの作り方、オリジナルラーメンの開発まで学びます。ラーメン講師と通訳が付きっきりの7日間マンツーマンコースで、授業料は63万8000円(通訳代11万円含む)。
■うまみを引き出すため…手間惜しまず

鶏ガラを使ったスープ作りの様子を取材しました。講師は「(沸騰後)10分ぐらいで、できるだけいっぱい取ります」と伝えます。重要なのが、くさみを出さないためのアク取りです。
ニックさん
「こういうアク取りをしたことはありません。かなり手間がかかりますね」
講師
「肉がはがれてくるまでに取り切るのがベスト」
手間を惜しまないことが、うまみを引き出すポイントだそう。
■鶏白湯スープ×黒ニンニク…お味は?

修業5日目からは学んだことをもとに、自分の好きな食材を使ってオリジナルラーメンを考えます。ニックさんは「インドネシアはクリーミーなうまみが好まれるので、鶏白湯を作ろうと思います」と話しました。
最終日に完成したのは、丁寧にアクを取った鶏白湯スープに黒ニンニクを合わせ、辛味オイルを効かせた、濃厚でパンチのある一杯です。試食した講師は「とてもおいしいです。よく仕上がっています」と評価しました。
ニックさん
「本当にうれしいです。10月に店をオープンします。ここで学んだことすべてを、自分の店でいかします」
■有名ラーメンに魅了されて修業

これまで受講した外国人は200人以上です。マレーシアからラーメン修業に来たのは、大学生のアイザックさん(25)。「私が初めてラーメンを食べたのは(マレーシアの)一風堂です。そこからラーメンが大好きになりました」
親の援助で学びに来ていて、マレーシアでラーメン店を出すことが夢なんだそう。これまでは独学で作っていたといいます。
アイザックさんが「鶏ガラはたたかないんですか?」と質問すると、講師は「たたかないです。たたいちゃうと、いいにおいも飛んじゃうし」と答えました。
講師の教えで作ったスープを口に運んだアイザックさんは、「自分で作ったときと全く味が違う」と驚いた様子でした。
■ラーメン作りは「面白いけど難しい」

修業5日目はオリジナルラーメンの研究です。講師が「想像しながら合わせてみましょう」とアドバイス。様々な味を試し、スープに使う食材を決めます。
鶏のスープに焦がしニンニクを合わせてみると、アイザックさんは「悪くないけど、ニンニクが強すぎる。(ラーメン作りは)面白いけど難しいです。簡単そうに見えるけど、とても難しい」。2日間、試行錯誤しました。
■すっきりとした酸味で高評価

アイザックさんがスープの決め手になる食材に選んだのはトマトでした。「トマトの風味が好きなんです。トマトはマレーシアでも手に入りやすいそうです。
トマトを濾(こ)すと、透明なスープになります。そこに鶏のスープなどを掛け合わせます。味だけではなく、見た目にもこだわった一杯。
試食した講師からは「きれい」「おいしい」「トマトってあんまり日本は入れないかもしれないけど、スープめちゃおいしい」と声が上がりました。すっきりとした酸味があり、高評価でした。
アイザックさん
「おいしいラーメンをマレーシアの人たちに届けたいです。I LOVEラーメン」
