超⼀体感のなか⾒せたENHYPENの覚悟。ワールドツアーソウル公演をレポート!

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ENHYPENが5⽉1⽇〜3⽇、韓国・ソウルのKSPO DOMEにて、⾃⾝4度⽬となるワールドツアー「ENHYPEN WORLD TOUR ‘BLOOD SAGA’」を開催。2⽇の公演の模様をレポートします。

バンドセットを従えた、気迫と⾼揚感あふれる⼀夜

(P)&(C) BELIFT LAB Inc.

6⼈体制となって初めてのツアー。緊張と責任感が交錯する中で、6⼈の揺るがない結束⼒と覚悟を⾒せるように、終始圧倒的な熱量でステージを繰り広げた。デビュー以来、ヴァンパイアコンセプトを追求してきた彼ら。今回もヴァンパイアカラーは健在。ツアータイトルには「⾎の叙事詩」を意味する「BLOOD SAGA」を冠し、1⽉にリリースした7thアルバムの延⻑線上にある“ヴァンパイアたちの愛の逃避⾏”を、壮⼤にステージ上で描き出した。

定刻を5分ほど過ぎた会場。⽣バンドの演奏が響き渡る中、ステージ中央に深紅の布がゆっくりと天井近くまで上がっていく。布が勢いよく振り落とされると、そこには観客席を⼒強いまなざしで⾒つめながら凛とたたずむ6⼈の姿が現れた。JAYが「Itʼs a knife!」という雄たけびでライブの幕開けを宣⾔。⼒強いバンドプレイが⾼揚感を掻き⽴てる。ローボイスでどすをきかせるNI-KIが最⾼にクールだ。ポイントダンスとなる⼿で刃先を突き付けるジェスチャーを⾒せると、⻩⾊い歓声が響き渡った。

JAYのささやきから始まった「Daydream」でSUNGHOONが観客を挑発するような表情を⾒せると、「Outside」ではNI-KIが「ソウル、叫べ〜!」と観客を⿎舞。ステージが⾚い照明で染まり、炎が激しく上がる中、序盤からフルスロットルで突き進む。開始わずか10分で、完全に会場を掌握した。

続くはENHYPENのコンセプトであるヴァンパイアを最も体現した楽曲「Brought The Heat Back」。前⽇よりもどこか迫⼒と余裕を感じさせるパフォーマンスだ。会場には花⽕と⾦⾊の紙吹雪が舞い、まばゆい⻩⾦の世界へと染め上げられた。

ここで最初のMCへ。NI-KIはオンライン配信を⾒守る⽇本のファンに向けて「いま画⾯の向こうで⾒ている皆さん! たくさんの期待と応援、よろしくお願いします」と⽇本語でメッセージを送ると、JAKEがすかさず「⽇本語上⼿ですね」と称賛。SUNGHOONは「昨⽇よりももっと楽しめるのか注⽬したいです。皆さんが盛り上がってくれれば、僕たちも盛り上がっていきますよ!」と呼びかけ、ファンの熱量を引き出す。JAYも「初⽇と同じように気合を⼊れてきました。全⼒で楽しみましょう!」と⾼らかに呼びかけ、会場の熱気を⼀気に引き上げた。

スタンドマイクに持ち替え、“愛の逃避⾏”をテーマにした「No Way Back」を歌い上げると、6⼈が⽴っていた可動ステージがゆっくりとステージ下に降りていった。それと同時にスクリーンには洞窟から光へと歩みを進める6⼈のシルエットが浮かび、第1セクションが終了した。

VCRを挟み、「Big Girls Donʼt Cry」、SUNGHOONのダンスブレイクを加えた「No Doubt」と舞台は続く。森を思わせるセットで披露された「Sleep Tight」「Bills」は草地に座ったり⽴ち上がったり思い思いの形でパフォーマンス。美しいメロディにJUNGWONも⽬を閉じて楽曲の世界観に浸っていた。「Moonstruck」ではスローなダンスの中に静かな情熱がにじみ、SUNOOのハイトーンボイスが切なさを倍増させる。

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続いて疾⾛感あふれる「Paranormal」では、メンバーたちがメインステージから花道を駆け抜けてサブステージへ。ドラムのリズムに合わせて体を激しく上下に揺らすNI-KIとJAY。全⾝で⾳を感じる6⼈の姿に、会場のシンガロングも⼀層⼒強さを増していく。そして「Blockbuster」でそのエネルギーが⼀気に爆発。フライング装置に乗り込み、バンドが鳴らすアグレッシブなロックサウンドに乗せて情熱的に歌い上げる6⼈。JAYの気持ちよさそうな姿も印象的だった。

続く「Go Big or Go Home」はバンドアレンジが新鮮な彩りを加えていた。JUNGWONがSUNOOの肩に腕を回して歌うと、SUNOOの表情がふっとほころぶ。愛らしくて平和な“ポケッズ”ケミにキュンとなるひととき。SUNGHOONも軽やかに跳ねながらリズムに乗り、JAYは「ENGENE(ファンネーム)! 待っていたよね? クラップ!」と呼びかける。さらにJUNGWONの「⾛れ!」の合図でハイライトの6⼈の群舞がスタート。キレのある動きが会場を魅了し、ENGENEのテンションも最⾼潮に達した。その熱を保ったまま始まった「Future Perfect (Pass the MIC)」では、「Oh〜Oh〜」というシンガロングが響き渡り、気迫あふれる濃密なセクションを締めくくった。

妖艶さと親しみやすさ。ENHYPENの魅⼒が詰まったセクションに

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6⼈と、彼らを執拗に追う追撃者たちとの戦いを描くVCRの世界に没⼊していると、追撃者に扮したダンサーたちが画⾯を⾶び出し、アリーナに出現。6⼈を探すような動きに、会場全体は緊迫感に呑み込まれていく。ここからはヴァンパイアの世界により深く⼊り込むセクション。今回のツアーで初披露となる振付の「Stealer」、晩餐会⾵のセットで⾊気たっぷりに歌い上げた「Drunk-Dazed」と続けると、会場は完全にヴァンパイアムードに包まれた。

直後のMCでは、メンバーたちのキュートな素顔がのぞく場⾯も。JAYが「“(⽇本語で)いっぱい”お腹すいた」とつぶやき、JUNGWON は「追撃隊が登場しましたが、捕まってないですよね? 4か⽉間⼀⽣懸命逃亡しているのにライブにまで追ってきました」と苦笑い。他のメンバーも「しつこい(笑)」「ここまで?」とブーイング。そして、JAYの「⾎の味を感じたい⼈、叫べ〜」という煽りで「Fate」「CRIMINAL LOVE」へ。興奮冷めやらないまま、本編は幕を閉じた。

パワーを与え、受け取り…。ファンへの感謝と新章への決意

(P)&(C) BELIFT LAB Inc.

アンコールではトロッコに乗り、スタンド席のファンとコミュニケーションしたり、メドレーで楽しませる。そしてライブはエンディングトークへ突⼊。

NI-KIが「昨⽇もよかったので、今⽇はどうなのか⼼配していましたが、その⼼配がいらないくらい皆さんが楽しんでくれて、すごく楽しくてフェスティバルのようでした。短い時間でしたが、この公演が(皆さんの)明⽇の活⼒になってくれたらうれしいです」と語ると、JAKEは「僕たちと同じようにENGENEもこのツアーにこれまでとは違う気持ちで臨んだと思います。皆さんが楽しんでくれたおかげで上⼿くできました。感謝しています。感想をたくさん書いてくださいね。もっとかっこいい姿で戻ってきます」と感謝を伝えた。

JUNGWONは「今⽇、髪を切りました! 17歳になったでしょ? 若くなりました」とおどけつつ、「⼼を込めればそれは相⼿にも伝わると思っています。ENGENEが本当に楽しんでくれて、僕たちも本気を出して、お互い通じ合えたと感じました。100%の⼒を尽くした公演でした」と満⾜げな表情。SUNOOはピースサインでもちまえの愛嬌を⾒せると、「今⽇も本当に頑張りました。最終公演のつもりで⼀⽣懸命やりました。昨⽇とは⽐べ物にならないエネルギーをもらいました」とピースフルな笑顔を⾒せた。

SUNGHOONは、「今⽇も昨⽇もすごく楽しかったです。3⽇公演ですが、ソウルからいつも始めますが、ツアーの初⽇は残念なことが多いです。昨⽇は僕たちとENGENEが、⼀緒に完璧なライブを作ってくれて、歴代⼀番よかった初⽇ステージができたと思います。感謝していますし、うれしいです。これから何をもっとするべきなのか、何にチャレンジするべきなのか、学んだようです」と⼿ごたえをにじませた。

最後はJAYが「今回はスタートから違いました。⼼配もありましたが、準備してきた分、⾃信もありました。2⽇⽬ですが、『ここまで頑張ってきたんだな』とすっきりした気持ちです。最後まで上手くやって戻ってきます。ずっと僕たちについてきてください」と⼒強く締めくくる。そこには、これまでの様々な思いと、6⼈で歩む未来への覚悟がしっかりと刻まれているようだった。そして、そんな彼らの思いを投影するように「未来を描いた曲」(JUNGWON)と紹介された「SHOUT OUT」へ。キラキラの笑顔で歌う6⼈に、花⽕が打ち上がり、会場いっぱいに多幸感が広がった。

メンバーたちが⼿を振ってステージを後にし、会場が暗転。ここでライブは終了と思いきや、真っ暗な会場に「ENGENE! 寂しくないですか?」というJUNGWONの声が響く。「もう⼀回ジャンプできますか?」と呼びかけると6⼈が再登場! なんと、予定にはなかったダブルアンコールのサプライズ!

「Paranormal」「Knife」と、オープニングに劣らぬエネルギーで全⼒のパフォーマンスを⾒せる6⼈。ENGENEも両⼿を上げて応え、会場は再び熱狂に包まれた。最後はJUNGWONとSUNOOがオンライン視聴するENGENEたちに向かって投げキッスを送り、2時間半にわたる壮⼤な物語の幕を閉じた。

ENHYPEN

エンハイプン 2020年に韓国、2021年に⽇本デビュー。「ENHYPEN WORLD TOUR ‘BLOOD SAGA’」は21都市を巡り、全32公演を予定。⽇本では12⽉から来年2⽉にかけて、4⼤ドームツアーを開催。

取材、⽂・酒井美絵⼦