「木村拓哉さんや竹内結子さんと比べて惨めに…」中越典子(46)が明かす“朝ドラ主演後の苦悩”
今年は現在放送中の連続ドラマ2本を含む、ゲスト出演も合わせてすでに5作品に出演。5月10日からは約10年ぶりとなる舞台『リチャード三世』に立っている。
そんな中越さんが、「他人と比較してしまって辛かった」という過去を告白。また、熱い地元愛や、へんてこ人形作りの素顔を聞くうちに、「みんなと一緒じゃなくていい」という自分軸を育んできた姿が伝わってきた。
--ご活躍中のみなさんの「B面」を伺っています。中越さんは、これまでを振り返って、お芝居の仕事を辞めようと思ったことはありますか?
中越典子(以下、中越):朝ドラを卒業して、月9の『プライド』(2004)に出させてもらいました。その辺からですかね。みんなが自由にお芝居をやってるように見えて。主演の木村拓哉さんや、竹内結子さんとか、みんな、本当にすごい役者さんだと思うたびに、自分が惨めに感じるようになってしまったんです。それまでは、自分で役を考えて、どこのセリフの感情でどう動くか……と掘り下げる癖がなくて、行き当たりばったりでお芝居をしていました。そのことに気づいた時間だったというか。だからとても弱かったですね、心が。
--『プライド』の少しあとに出演された、『サラリーマンNEO』(2006〜2007)も個人的にとても好きでした。
中越:それこそ、いろいろともがいていた時期です。生瀬勝久さんとかすごい方たちばかりで、毎回心が折れていました(苦笑)。長回しで、5カメぐらいで一気に撮るんです。間合い重視というか、その場の空気を大事にしていく演出で。いつも変な汗をびっしょりかいていました(笑)。とても楽しかった半面、すごく不安ばかりで。OKと言われても「絶対これ本当はOKじゃないよな」「みんな面白くないって思っているんだろうな」みたいなことをずっとずっと思っていました。
◆子育てと向き合い生まれた「自分は自分なんだ」という核
--どうやって乗り越えていったのでしょうか。何かきっかけはありましたか?
中越:子供を産み、自分以外のものに対して一生懸命になったことで、自信がついたのだと思います。自分は別にどう思われようと、「お芝居できない人だね」と思われたとしても、別にそれでもいい。とにかく一生懸命にやりさえすれば「自分は自分なんだ」という、きちっとした核の部分ができてきたんです。安心感というか、「(それで)いいんだよ」という。
--子育てを通じて自分が強くなった、と。
中越:8年〜9年、子育てメインで生きてきました。テレビをつければ「いいな」と思うし、舞台を観れば「やりたい」と思うけれど、それよりももっと大事な命を守らなければと。毎日、怪我しないようにとか、泥に入らないようにとか、たったそれだけのことなんですけど、ものすごく大事で。それを続けたことによって、自分自身が図太くなったんだと思います。「何を言われようといい。私は命を守って生きてきたんだから」みたいなところが、自分を強くしてくれました。
--仕事への向き合い方も変わったのでしょうか。
中越:「別にみんなに好かれなくてもいい」と割り切るって、根本に触れることですよね。特に私の仕事だと、仕事が来ないとそれだけで「嫌われているんだ」とつい思ってしまうんです。でも今は、「私は私でちゃんと生きている、胸張っていいんだ」と思える。求めてくれた人がいたら「じゃあそこに全力で返そう、今は目の前のお芝居に集中しよう」と。無駄なところに力を入れずに、大事な部分に注力できるようになったんじゃないかと思います。
