日本国憲法施行79年 改憲めぐる動きと日本の今を考える
日本国憲法が施行されてきのうで79年を迎えました。衆議院選挙で大勝した高市政権は、この憲法を変えることに強い意欲を示していて、国会での発議も現実味を帯びてきています。国民主権をうたう「憲法」について改めて考えます。
高市首相
「立党から70年、時は来ました。憲法改正に向け、改正の発議について、なんとか目途が立ったと言える状態で皆様とともに、来年の党大会を迎えたいと考えています」
高市首相
「わたしたち自民党は、立党から70年、憲法改正の旗を掲げ続けて参りました。自主独立の権威の回復に向けて、日本人の手による自主的な憲法改正は、わが党の党是です」
現在の憲法は、第2次世界大戦に敗れた日本がアメリカなどGHQに占領されていた1947年に施行され、二度と戦争をしない平和国家を目指しました。憲法はこれまで一度も改正されていません。
憲法改正をめぐる動きについて、街の人たちは…
女性
「高市さんが一生懸命がんばっていらっしゃると思いますので、必要であれば、国民に必要であるというのであれば、憲法改正は必要だと思います」
男性
「別に変えなくてもいいと思います。なんか、変えてどうなるかというのが、たぶん若い人たちあんま分かってないんで、別に変えなくていいと僕は思います」
NNNと読売新聞が行った先月の世論調査では、高市総理が来年の党大会までに憲法改正の発議のめどを立てたいという考えを示したことについて、「評価する」が60パーセントで、「評価しない」の29パーセントを大きく上回りました。高市内閣の支持率も、依然として高い水準を維持しています。高市人気を追い風に自民党は、改憲発議に必要な議席3分の2以上を衆議院は単独で確保。参議院は少数与党のままですが、野党を取り込み議論を加速させる構えです。
国会で可決された場合、是非を問う国民投票が行われます。国会では、憲法審査会で具体的な議論が始まっています。憲法の何を変えようとしているのでしょうか。
自民党は主に4つの改正を提案しています。
・災害などの緊急事態において国会や内閣の対応を強化するほか、
・参議院の合区の解消、
・教育環境の充実、
・そして最も重視しているのが、「9条の改正」です。
憲法9条では、戦争や武力による威嚇、武力行使について永久に放棄し、陸海空軍その他の戦力は保持しないとしています。自衛隊は合憲か違憲か、解釈を巡る議論が続き位置付けが曖昧なため、自民党は自衛隊を条文に明記すべきとしています。9条を巡る議論は、大きく意見が分かれています。
男性
「変えた方がいいと思いますよ。例えば自衛隊を憲法でちゃんと認めるような表現にした方が私はいいと思いますよ」
男性
「時代に合わせて、憲法を変えていった方がいいんじゃないかなって思います」
「とはいえども戦争すべき国ではないので、守るうえで憲法を改正した方がいいんじゃないかと思います」
男性
「私は変えない方がいいと思っています。昔ながらの平和憲法ということで守ってきたものなので、いま自民党が調子いい状態で、安易に変えない方がいいかなと思います」
女性
「今まで戦後80年、日本は絶対戦争しないというのは、これから先もやってもらいたいので」
改憲を支持する専門家は。
拓殖大学 濱口和久特任教授
「ウクライナ戦争が始まるっていうのは誰も最初思ってなかったと思うんです(だけど結果的に起こった)」
「国際情勢の変化、これは当然ですね。日本国憲法ができたときの時代の状況と今のこの令和のこの状況、大きく変わってますから、そうなれば状況が変われば、時代が変われば当然9条も含めた見直し改正というのは、必要になると思います」
国際情勢が大きく変わる中、自衛隊を憲法に明記して行動範囲を決め、時の政権によるあいまいな解釈での運用を避けるべきと主張します。
拓殖大学 濱口和久特任教授
「9条を変えることによって逆に歯止めをかけると私は思うのですね」
「自衛隊の存在は何なのか位置づけをしっかりとしておかないと、その場当たり的にですね、その場しのぎというか、場当たり的にやってしまってしまうことが恐ろしいので」
「だったらしっかりと、憲法も含めた形でしっかりと明記したことによって、憲法に則ってこういう自衛隊を活動するし、あるいは自衛隊もそうですが、しっかりと法律で法律に則って動けるような形でしっかりと作っておいた方がいいのかなと思いますね」
一方、憲法を変えずに守るべきと主張する護憲派は。
高岡つばさ法律事務所 坂本義夫弁護士
「そもそも自衛隊を書き込むことによって、自衛隊が憲法上の組織になるので」
「そうするとこの自衛隊運動の活動のために何かしなきゃいけないっていう話になりますね。何かするために、あなた方国民が私たち政府に対して自衛隊の活動をやれって言ってんだから、じゃあそのためにあなたが人権をちょっと制約してもいいですよね。ってこういう論理になってしまうんですよね。そこがやっぱり私が一番問題だと思ってる」
憲法に自衛隊を明記することで、自衛隊が戦争に参加する可能性が高くなると主張します。
高岡つばさ法律事務所 坂本義夫弁護士
「例えばアメリカがイランで今のような攻撃をしたり、アメリカはどこで攻撃するか分かりませんけれども、そういうことをやった時にアメリカを守るための活動として自衛隊が海外で戦争に参加するということは、当然あり得ると思うんですね」
「変えることが1つ目的になってしまうと、議論せずに変えることだってできるわけで。それはちょっと良くないことかなと思います」
「憲法を自分たちのものにするということは大事だと思います。それが今の憲法を変えることとは同義じゃないと思います」
その自衛隊をめぐっては。
「君が代は~♪」
自民党大会で国歌を歌ったのは、陸上自衛隊の音楽隊に所属する自衛隊員。自衛隊の政治活動は法律で厳しく制限されています。野党からは問題視する声があがりました。
立憲民主党 田島議員
「自衛官の政治的行為を制限する自衛隊法第61条 これに抵触するのではないか」
高市総理
「職務ではなく私人として依頼を受けて国歌を歌唱したと。特定の政党への支援を呼びかけたということではなく、法律的にも問題ないと考えている」
国民民主党 榛葉幹事長
「これじゃあ(自衛隊員の)彼女がかわいそうだ。全く悪くない。ただ一言、少し想像力がなくて、自民党がおっちょこちょいでした、以後気を付けます。以上ですよ」
自衛隊と政治との距離を懸念する声はくすぶったままです。憲法改正に「おっちょこちょい」は許されません。
Q高市さんは来年の党開会までにと言っているが
男性
「(高市首相は)成果を上げようとしているところもあると思ってて、しっかり議論したうえで成果をアピールするとかではなくて、本当に必要かどうかをちゃんと考えたうえで、実施するんだったら、仕方ないと思います」
Q議論は進んでいないと思いますか
「もうちょっとはい、深く、あの、やった方がいいと思います」
数の論理だけでなく、少数意見にも耳を傾けながら、丁寧に議論を深めていくことが必要です。
憲法は私たち国民の自由と生活を守る、最も重要な土台です。憲法を変えるかどうかを最終的に決めるのも国民です。一人ひとりが学び、考えることが大切です。
