在日イラン大使館が投稿した「日章丸」の画像(29日)=X(旧ツイッター)から

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 出光興産系列のタンカー「出光丸」が4月末にホルムズ海峡を通過したことを受け、在日イラン大使館は4月29日、X(旧ツイッター)に、1953年に英国の封鎖を突破してイランから石油を買い付けた出光興産のタンカー「日章丸」の画像を投稿した。

 今回の通過許可との関連性は不明だが、投稿では「この遺産が意義を持ち続けている」とし、日章丸事件が両国の友好関係につながっているとアピールした。

 日章丸事件は、イランで大国に屈しない日本の勇気ある行動として伝わり、親日感情の強さの礎になったとされる。当時、イランは英資本に石油利権を独占されており、民族主義者のモサデグ首相(当時)が51年に石油の国有化を断行した。反発する英国はペルシャ湾に軍艦を派遣し、世界にイラン産原油を購入しないよう呼びかけた。

 情勢が緊迫する中、石油の独自調達ルートの開拓を試みた出光興産の創業者、出光佐三氏(1885〜1981年)は53年、日章丸をイランへと極秘裏に差し向けた。英国の封鎖をかいくぐり、石油を調達して川崎港に無事帰還した。

 出光興産に恩義を感じるイランが今回、意図的に出光丸を「優遇」したとの臆測が飛び交うが、イランは通過理由や経緯を伏せており、真偽は不明だ。イラン大使館は投稿で「日章丸の歴史的な任務は、両国間の長年にわたる友情の証しだ」とも訴えた。(国際部 岡本拓真)