Photo: Adobe Stock

写真拡大

「なんであの人が、出世したの?」
そう感じたことはないだろうか。多くの人は、「仕事で結果を出した人が出世する」と考える。しかし、現実はそう単純ではない。
その答えを教えてくれるのが、書籍『会社から期待されている人の習慣115』(越川慎司著・ダイヤモンド社)だ。これまでに数多くの企業で「働き方」を分析・支援してきた著者が、815社・17万3000人を徹底調査して「同世代より出世が早い人たち」の意外な共通点を突き止めた。大規模な統計データに基づき、「評価される人の行動」を科学的に解き明かした一冊だ。今回は同書から、期待されている人たちの78%が実践していた「朝の雑談の工夫」を紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

雑談したくても「何を話せばいいか」わからない

 朝、職場で同僚と顔を合わせたとき。
 休憩スペースで上司と一緒になったとき。

「何か話したほうがいい気がするけれど、何を言えばいいかわからない」

 そう感じて、結局、軽く挨拶するだけで終わってしまう人は多いのではないだろうか。

 雑談が苦手な人ほど、気の利いた話題や面白い話を探そうとしてしまう。

 しかし、出世が早い人たちは、もっとシンプルなところから会話を始めている。

 これまでに815社17万人を分析し、「職場で評価されている人たちの共通点」を解析した越川慎司氏は、著書『会社から期待されている人の習慣115』で、次のように書いている。

期待されている人たちの78%は、朝の雑談で「具体的なこと」から話し始めると、調査によりわかりました。これは一般社員における比率の約7倍です。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用

 つまり、雑談がうまい人ほど、「目の前にあるもの」の話をしているのである。

そこにあるものを「観察」してコメントする

 とくに、期待されている人たちが多用する「雑談の入口」がある。

 同書では、次のように示されている。

なかでも、最初のひと言は目の前にあるものの話から入るのが定石。とくに会話の入口として最も再現性が高かったのが「このコーヒー豆、いいですよね」といった観察コメントでした。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用

「このコーヒー豆、いいですよね」
「そのマグカップ、使いやすそうですね」

 こうした「観察して感じたこと」を話題として振ることで、相手も返しやすくなる。

 また同書では、この習慣が仕事の成果にもつながると提示している。

検証実験でも、抽象的な褒め言葉よりも、豆・抽出方法・マグカップといった具体に触れるひと言の方が、業務話題に自然に橋渡しでき、その後(情報共有、打ち合わせや依頼など)につながる確率が約1.4倍に上がることもわかりました。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用

 雑談は、ただの会話ではない。

 仕事につながる関係性をつくるための入口なのである。

「マイカップ」にするだけで印象が良くなる

 さらに同書では、雑談の内容だけでなく、その際の所作や持ち物も印象を左右すると指摘している。

調査では、マイカップを持ち歩く人は周囲から「環境意識が高い」「生活の所作が整っている」と見られやすいという結果も出ています。
使い捨て紙コップ組とマイカップ組の写真をランダム提示し、印象評価をおこなったところ、「信頼できる」「丁寧に仕事をする」に対する平均スコアはマイカップ組がいずれも有意に高く、初対面の人からの相談発生率にも差が出たのです。
――『会社から期待されている人の習慣115』より引用

 雑談において重要なのは、話のうまさではない。

 相手に関心を持ち、それを行動で示せるかどうかだ。

 その姿勢が、仕事を進めやすくする人脈の土台を作っているのかもしれない。

(本稿は、『会社から期待されている人の習慣115』の内容を引用して作成した記事です。書籍では「評価と信頼を得ている人たちの共通点」を多数紹介しています)