〈東大・エロ接待〉「逆らえなかった…」とソープランドも教授と一緒に“ごっつぁん”した准教授の初公判「マジで殺すよ」とトンデモ音声を暴露、衝撃の接待写真も入手

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東京大学大学院の贈収賄事件。収賄罪に問われた元東大大学院特任准教授・吉崎歩被告(46)の初公判が東京地裁で開かれた。吉崎被告は「相違ありません」と起訴内容を認めた。公判では、被告が大学側の内部調査に対し、ソープランドへの立ち入りを「性感染症の検査」などと偽って説明していた実態が判明。また、弁護側は、被告が100万円を贖罪(しょくざい)寄付したことを明らかにし、世界的な科学者の情状証言などで情状酌量を求めた。

接待先のソープランドに早足で入る吉崎被告と佐藤被告の画像、待合室で待つ姿、クラブでおしりを前にニヤける姿も

高級クラブやソープランドで接待…196万円相当の賄賂を受け取った

法廷に現れた吉崎被告は、ストライプ模様のスーツを身につけ、終始うつむき加減で裁判に臨んだ。裁判官から起訴内容について問われると、「相違ございません」と短く答え、争わない姿勢を明確にした。吉崎被告は両手を震わせながら、被告人席に戻った。

起訴状によると、吉崎被告は2023年3月から2024年8月までの間、元教授の佐藤伸一被告(収賄罪で起訴)と共謀。一般社団法人日本化粧品協会(JCA)の代表理事・引地功一被告(贈賄罪で起訴)から、講座設置の便宜を図った謝礼として、計30回にわたり、銀座の高級クラブやソープランドでの接待など、総額約196万円相当の賄賂を受け取ったとされる。

被告人質問の冒頭、吉崎被告は絞り出すような声で謝罪の意を述べた。

「今回の過ちにより、関係するすべての方に深い失望と不信感を与え、多大なご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。

東大総長が謝罪会見を行う事態を招き、(引責辞任した)東大病院長や、医学部長、さらには私の共同研究者や家族、そして患者の皆様に対しても申し訳ない思いでいっぱいです。みなし公務員という自らの立場を考えれば、国民の皆様に対しても、深く反省し謝罪を申し上げなければならないと思っております」

 内部調査には風俗店への立ち入りについて「性病の検査」と説明

事の始まりは2023年2月。高級飲食店での会食だった。ここで上司の佐藤元教授が、自らの権限で講座設置に尽力したことを強調し、引地被告が約15万円の支払いを受け持った。

吉崎被告は、この時の心境をこう吐露した。

「佐藤先生から『引地さんはスポンサーだからね』『これも仕事のようなものだよ』と言われ、断れば佐藤先生の機嫌を損ねることになると感じました。スポンサーである引地氏の機嫌を損ねてはいけないという思いもありました」

そこからは転落の一途をたどる。吉崎被告は佐藤元教授の指示を受け、引地被告に対し「また打ち合わせはいかがですか?」「軌道に乗るまで月に2回ほど」とメッセージを送り、自ら銀座のクラブでの接待を要求し始めた。

接待はさらにエスカレートする。2024年3月のタイ視察で、現地女性による性的サービスを受けた佐藤元教授が「最高レベルだった」と歓喜したことを受け、引地被告が国内でのソープランド接待を提案。吉崎被告もこれに飛びついた。

検察側の指摘によれば、吉崎被告は「佐藤先生が超楽しみにしているようです。毎月2回行きたい」と引地被告側に催促。驚くべきことに、これらの接待は「昼間」に行われていた。佐藤元教授が妻にGPSで行動を監視されるのを避けるためだったという。

さらに、不祥事発覚後の東大の内部調査に対し、吉崎被告は風俗店への立ち入りについて「性病の検査」だったなどと虚偽の説明を繰り返していた。

「ソープランドに行った事実が漏れると外聞が悪いため、佐藤元教授から『研究の一環で行ったことにするのが良い』との指摘がありました。佐藤元教授との間で、(性感染症の検査という)嘘の理由で答弁する旨の誓約を交わすという話があり、私もそれに応じてしまった部分があります」

「マジで殺すよ。本当に」

蜜月関係にあった3者の関係は、突如として破綻する。

2024年8月30日。寄付講座の開設によって、化粧品などの商品による収益が上がらないことに激昂した佐藤元教授が、会食の席で引地被告に牙を剥いた。吉崎被告はこの不穏な空気を感じ取り、自らのスマートフォンで録音を開始していた。

法廷で読み上げられた反訳書(録音を文字に起こしたもの)の一部には、最高学府の教授とは思えぬ佐藤被告の言葉が刻まれていた。

「早く利益出せよ。マジで。化粧品が売れなかったらあんた金持って来い」
「この講座の人事権と経営権は僕が決める。約束不履行が続くなら講座は終わりですよ」

そして、決定的な一言が放たれた。「マジで殺すよ。本当に」。

吉崎被告は、この録音について「まさか『殺すぞ』とまで言うとは思わなかった」と振り返ったが、この決別が、引地被告による警察への被害相談、ひいては汚職事件の発覚へとつながった。

情状証人として出廷した、吉崎被告の共同研究者で世界的な科学者である北森武彦氏は、被告の能力を評価しつつも、その危うさを指摘した。

「吉崎氏は非常に優れた研究者・医師だが、場当たり的な判断をして、批判的視点を失いがちな面がある。あっちの顔も立て、こっちの顔も立てているうちに、ルールから外れる誤った判断に陥ったのではないか」

吉崎被告は現在、無職の身だという。被告人質問では、自らの過ちを償うため、日弁連などが運営する法律援助事業基金に対し「100万円を贖罪(しょくざい)寄付した」ことを明かした。

「佐藤先生に嫌われてしまえば東京大学に私の居場所はなくなってしまう」

一方で、検察官から「佐藤元教授の指示なら何でもやるのか」と問われた吉崎被告は、次のように語った。

「言われたら何でもやる、というつもりは決してございません。佐藤先生のおっしゃることがすべてだと思っていたわけでもありません。ただ、それを止められなかった自分自身の非を詫びております。

私は長崎大学の出身で、当時、佐藤先生は同大学皮膚科の教授でした。そこからずっと先生についていく形で東京大学まで参りました。私にとって佐藤先生の言葉は、それほど大きな意味を持つものだったのです」

しかし、検察側は「本件講座の別の男性研究員は、佐藤元教授からソープランドに誘われた際、断っている」と指摘。「佐藤元教授の言うことは絶対ではないはずだ」と追及した。

吉崎被告は、「なかなかご理解いただくのが難しいかもしれません」とし、苦悶の表情を浮かべながらこう答えた。

「もし私が先生に嫌われてしまえば、東京大学に私の居場所はなくなってしまいます。私は長崎の医局とも半ば縁を切るような形で東大に来ており、ここで見捨てられれば、今後どうやって身を立てればいいのか分からなくなっていました。

今にして思えば、東大という組織に属さずとも、医師の本分である『患者を診る』ことはどこでもできたはず。そんな当たり前のことすら分からなかった自分の未熟さを恥じています。それほど当時は、先生の言葉をそれほど絶対的なものとして認識していたのです」

検察側は最後に、「佐藤元教授が欠席した際も単独で接待を受け、『羽目を外してはしゃいだ』と認めており、主体的に犯行に及んだのは明らか」と厳しく断罪。懲役1年2月、追徴金約196万円を求刑した。

対する弁護側は、教授という絶対的権力者に逆らえない「受容型」の事案であるとし、週刊誌報道などで社会的制裁をすでに受けているとして執行猶予付きの判決を求めた。

吉崎被告は最後に「信頼を裏切ってしまった皆様に、深くお詫び申し上げたい。本当に申し訳ございませんでした」と述べ、法廷を後にした。

判決は5月22日に言い渡される。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班