禁断の大調査「法人所有率が高いタワマン」トップ10《大阪版》を公開…登記を全部あげたら「転売ヤーの実態」がわかった

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「今の大阪はタワマンバブル。異常ですわ」ある不動産業者は真顔でそう語った――。

都心部タワマンの高騰が止まらない。東京23区内の物件が話題になることが多いが、中華系富裕層に人気の大阪都心6区(北区・中央区・西区・天王寺区・浪速区・福島区)でも同様に上昇し続けている。'26年3月時点の平均坪単価は494万円。10年前と比べて2倍以上だ。

高騰の大きな要因は、投資目的の海外富裕層の存在である。彼らの購入を見込み、新築物件を購入してすぐに転売する不動産業者が増加していることも、高騰に拍車をかけているとされてきた。

すぐに転売するだけで「2億円以上」の利益

大阪市北区の「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE」は、昨年12月に完成した新築タワーマンションだ。

地上46階建て・総戸数484戸、立地は梅田駅近くの超一等地とあり、'24年2月に販売開始されると、購入希望者が殺到。人気の高層階は100倍近い抽選倍率となり、最上階約300m2の部屋には関西史上最高額の25億円の値がついた。

地元不動産業者が明かす。

「実は、申し込みにはかなりの数の不動産業者が参加していました。目的はもちろん、『転売』ですよ。実際、グラングリーンの物件はすでに売りに出始めている。新築時に3億円台だった部屋が、6億円を超える金額で販売されています。これだけ強気の価格でも、間違いなくバンバン売れます」

新築物件をすぐに転売しただけで、2億円以上の利益というわけだ。

これまで、実際にどれほどの外国人や不動産業者が購入しているのかを示す「正確なデータ」はなかった。タワマンの一戸ごとに不動産登記情報を取得して所有者を確認しなければならず、膨大な手間と費用がかかるためだ。

「約4万5000戸の不動産登記」をすべて取得

今回、本誌はそんな前代未聞の調査を行っている会社を発見した。

大阪市中央区に本社を構える「TOWERZ」。タワマンを専門に不動産仲介を行っている企業で、大阪市内では5年連続成約数ナンバー1の実績を誇る。

同社の取締役COOを務める芝崎健一氏が語る。

「19階建て以上のタワー形状の物件をタワマンと定義し、大阪都心6区にある165棟、約4万5000戸の不動産登記をすべて取得しました。

大手デベロッパーがシェアを握っている不動産業界において生き残るには、他とは違う『強み』を持つ必要があります。我々の強みは情報力。タワマンに関するありとあらゆる情報を集めて顧客に提供することで、支持を集めてきました。不動産登記もまた、極めて重要な情報の一つだと考えています」(以下、「 」内は芝崎氏の発言)

登記を一件ずつ目視で確認してデータを積み上げていった結果、タワマン高騰の要因である「転売ヤー」の存在がはっきりと表れたという。

戸数の半分が“法人所有”のタワマンも

「物件ごとに法人所有者をあげていきました。全体では15.3%ですが、人気のタワマンになると40%を超えるケースもある。たとえば、'25年8月に完成した『ザ・パークハウス大阪梅田タワー』だと42・8%が法人所有で、その約半数が不動産会社……つまり、転売など投資目的の購入者です。

実際、竣工から約8ヵ月の今年3月時点で、当該タワーは総戸数173戸のうち、54件が売りに出されている。3分の1近い物件が中古販売されているわけです。当然、価格も新築比約160%と高騰しています」

上の表は、法人所有率の高いタワマンをランキングにしたものだ。上の価格ランキングと比較すると、法人所有率と価格高騰の関連性が浮かび上がってくる。

「大阪のタワマン価格は14年連続で上昇していますが、転売が過熱し始めたのはコロナ後の'22年頃からです。金融機関の融資審査が緩和されたことも要因と言われています。法人が複数の名義を使って抽選に参加するケースもあるため、個人の方が購入するのは至難の業になっています」

【後編記事】『大阪の超人気タワマン、登記を全部上げてみたら「やっぱり外国人だらけだった」と判明』へつづく。

「週刊現代」2026年4月27日号より

【つづきを読む】大阪の超人気タワマン、登記を全部上げてみたら「やっぱり外国人だらけだった」と判明