「シングルマザーは恋愛・結婚するな」とする乱暴な“シングルマザー叩き”の声は依然として多く…(※写真はイメージです)

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 13日、京都府南丹市園部町の山林で園部小の安達結希さん(11)が遺体で見つかった事件では、父親の会社員・安達優季容疑者(37)が死体遺棄容疑で逮捕された。安達容疑者が結希さんの母親と昨年12月に再婚したばかりということもあり、ネットでは《生活が不安だから再婚したいなら不安じゃなくなるまで自分で稼げ》《まだ恋愛したいなら子供が巣立ってからに》《子供が犠牲になるような再婚(交際)なんて絶対にすべきではない》といった、シングルマザーの連れ子再婚や恋愛への批判の声が少なからず上がっている。

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 遺体の遺棄に「私のやったことに間違いありません」と供述しているという安達容疑者。動機についての解明も待たれるが、生前の結希さんが「ようおっさん(義父)とケンカするんや、いややわ」とぼやいていたことを「週刊新潮」は報じている。先述のネットの声も、再婚にあたっての義理の親と子の関係構築の難しさを前提にしてのものだ。

「シングルマザーは恋愛・結婚するな」とする乱暴な“シングルマザー叩き”の声は依然として多く…(※写真はイメージです)

「今回の件については、まだ詳細が明らかになっていない部分もありますが、お子さんが亡くなられたという結果は非常に痛ましく、胸が痛みます。そのうえで、こうした出来事を単なる個別の問題として終わらせるのではなく、同じようなことが繰り返されないために、家庭の中でどのような点に注意が必要なのか、一般的な視点から考えていくことが大切だと思います」

 こう語るのは、日本家族問題相談連盟理事長で公認心理師の岡野あつこ氏だ。

「前提として、シングルマザーの子連れ再婚や恋愛をひとくくりに批判する風潮はおかしい。たしかに今回のように“新しい父親”や“お母さんの彼氏”による子への虐待や加害のケースがあるのも事実ですが、もちろんうまくいっている家庭が大半です。一概には言えません」

 かくいう岡野氏も、実子を連れて再婚した経験の持ち主。これまでの相談者の中には、子どもが義理の親になついたうえで再婚したケースも決して珍しくないという。

「ただし再婚後、“ステップファミリー”となってからのむずかしさはどこの家庭にもあると思います。一般的に再婚家庭では、親子関係の距離感をどう築いていくかが非常に重要。血のつながりがない関係の中で、どこまで関わるのか、どのタイミングで踏み込むのか。このバランスが難しく、無理に親として振る舞おうとすると衝突が生まれやすく、逆に距離を取りすぎると、子どもが孤立してしまうことも。もちろん、多くのご家庭は丁寧に関係を築きながらうまくいっていますが、関係構築を急ぎすぎることが負担になるケースがあるのも事実です」(岡野氏、以下同)

「小学校高学年」という時期

 今回の事件では、結希さんは11歳だった。

「小学校高学年の子どもは、自立心が芽生え、親への反発が出やすい時期。また自分の感情をうまく言葉にできないという、非常に不安定な時期でもあります。実の親子であってもケンカや反発はふつうのことだと思いますよ」

 岡野氏のもとにきた相談にも、小4の息子を持つ母親のこんなケースがあった。

「シンママだった女性に12歳年下の彼氏ができて、息子に紹介したそうです。息子と彼氏は気が合った様子で、一緒に食事や遊びに行くなどしていました。そんな様子を見て、ある時A子さんは“彼と再婚しようと思う。弟か妹はほしくないか”と息子に相談。すると、“妹も弟も要らないから、いますぐ別れて。どこの馬の骨ともわからない男がママを幸せにできるわけがない”と激しく反対したそうです」

 離婚で精神的に弱り、再婚を焦っていたと相談者は語っていたという。結果、年下彼氏にとっては遊びだったことが判明し、「相手を見誤って息子に怒られた」と大いに反省をしていたそう。

「男の子であれば“母親を守らなきゃ”と考え始めるのもこの時期です。自我が芽生え、相手男性をライバル視していた部分もあるかもしれない。ここまで言える子は珍しいことかもしれませんが……」

母を捨て父のもとに

 また、小6男児の母親のこんなケースも。

エリートで出世欲の強い夫に嫌気がさし離婚した女性でした。離婚後、交際をスタートしたのは、息子が通う塾の講師でした。息子を伴って彼の家に住み始めたのですが、女性は“彼氏”を最優先。お風呂は一番風呂、食事も彼を待って……など息子をないがしろにして生活した結果、愛想を尽かした息子は父親のもとに逃げてしまった、という話もありました」

 こちらは「子連れ再婚」ではなく「子連れ同棲」であったが、恋愛モードに入った母を息子が見ていられなくなったパターンだ。

「前の家庭では“自分が一番”だったものが、ママを独り占めできなくなったストレスもあったかもしれません。外では問題なく見えても、家庭の中では感情が強く出ることもあり、それを大人が“正そう”“言うことを聞かせよう”とすると、関係がこじれてしまうことがあります」

再発を防ぐためには

 こうしたすれ違いを防ぐために大切なのは、子どもをコントロールしようとするのではなく、関係性を整えるという視点だと岡野氏は指摘する。具体的には、

「日常の中での声かけや関心を増やすこと。叱る前に、まず気持ちを受け止めること。そして、夫婦間で子どもへの関わり方を共有しておくことです。こういった小さな積み重ねがとても重要になります……実の親子でも難しいことではありますが、ステップファミリーでは余計に気をつけてほしい」

 特に再婚家庭では、「一気に親になろうとしない」「信頼関係を段階的に築いていく」という意識が欠かせないそう。

「こうした問題は、ある日突然起きるものではなく、日常の中の小さなすれ違いや孤立の積み重ねの中で起きていくことが多いもの。だからこそ、“問題が起きてからどうするか”ではなく、普段の関係性の中で違和感に気づき、整えていくことが、何より大切だと感じています」

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デイリー新潮編集部