「許可された英国行きも断った」久保復帰の舞台裏をソシエダ番記者が明かす「調整は予想以上に難航した」【現地発】
バスク語で綴られたこの短いメッセージが、タケ・クボ(久保建英)の公式Instagramに投稿された。負傷による離脱期間は、クラブが認めていた通り2か月を超え、実質的には3か月近くに及んだ。この長すぎる空白は、それまでタケのプレーに大きく依存していたラ・レアル(レアル・ソシエダの愛称)にとって、あまりに大きな代償となった。
1月18日、首位バルセロナを相手に幸運な勝利(2-1)を挙げてから、チームの状況は一変した。タケ不在の2か月半の間に、ラ・レアルは来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を争う位置まで這い上がり、今週末にはコパ・デル・レイの決勝という大舞台に挑む。
本来であれば、セビージャで行われる決勝に万全の状態で臨むはずだった。しかし、そのリハビリテーションは、リスクを最小限に抑えつつ最短距離を走るという、困難な時間との戦いとなった。タケはラ・レアルでの活動に専念するため、3月シリーズにおいて日本代表に合流する選択肢を辞退した。
マタラッツォ監督は、環境を変えることが気分転換になると考え、スコットランド戦とイングランド戦が行われる英国に行き、日本代表のメディカルチェックを受けることを許可していたが、タケはそれを断り、スビエタ(練習場)で決勝に向けたコンディション作りに没頭する道を選んだ。
前節のレバンテ戦で決勝での先発出場の目処を立てる計画もあったが、調整は予想以上に難航した。マタラッツォ監督が慎重を期して復帰を一週間遅らせた結果、今回のアラベス戦もベンチスタートとなり、18日のアトレティコとの決勝でスタメンに名を連ねる可能性は極めて低くなった。
もし万全であれば、ゲデス、オジャルサバルと共に「恐怖のトリデンテ」を形成していたはずだが、現時点ではスペイン代表デビューを飾ったばかりのアンデル・バレンネチェアが先発の座を射止める公算が高い。
それでも、タケは復帰戦で自らの価値を証明した。投入4分後に外側を追い越すアランブルへ正確なパスを供給。その折り返しからゲデスが狙うも、シュートは枠を外れた。60分、FKのクリアボールを拾ったゲデスがファーサイドへ絶妙なクロスを上げる。これをタケが知性と繊細さを兼ね備えたヘディングで折り返し、オスカールソンの頭へと完璧なラストパスを届けた。この一撃がネットを揺らし、スコアは3-2。タケのお膳立てにより、逆転劇は完成したかに見えた。
