フジテレビ

写真拡大

フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は、投資家の村上世彰氏らが関わる旧村上ファンド系投資グループに不動産事業を売却することが15日、分かった。清水賢治社長は今回の売却について、コンテンツ制作に重点を置き、テレビ放送局として本来のあるべき姿に戻すことなどを3月31日、社員に向けて説明した。

昨年、村上氏側の投資グループは17.95%を保有するFMHの筆頭株主となり、さらに買い増す意向を示していた。FMHは2月に自社株買いを実施。村上氏側が応じて株を売却し、持ち分は4.34%にまで低下した。だが、3月19日までに5.76%まで上昇していた。

3月26日には、村上氏らが関わる投資会社ATRAと村上氏の長女・野村絢氏は、FMHの不動産事業を3500億円で買収する意向を発表していた。

村上氏側は、以前から不動産事業の中枢だった子会社サンケイビル(東京・千代田区)の経営権取得にも意欲を示していた。だが、FMHから自社株買いに応じなければ不動産再編の実施はできないと伝えられ、株を売却したとされる。他方でFMHは、旧村上ファンド側から「今後FMH株を取得することはない」とした意向が表明されたことなどに触れ、両者の間で攻防が続いていた。

「いいかげん切り離したかったのでしょう」

サンケイビルを中核にFMHの収益の柱だった不動産事業。売却について、社内ではどのように受け止められているのだろうか。あるフジテレビ関係者はこう話す。

「発表を受けて悲観的になることもなく、むしろ前向きにとらえている社員も多かったように見えました。清水社長は旧態依然の事業から脱却し、売却した金を今後の投資に役立てようとしているのではないでしょうか。あと、旧村上ファンドからの突き上げをいいかげん切り離したかったのでしょうね」

2022年の早期退職募集には100人以上が手を挙げたフジテレビ。

「残ったとしても以前とは違って接待には上司の確認が必要になり、経費削減の波は感じています。できる人から引き抜きがあったりして辞めていきます。今年の3月も多くの社員が去っていきましたが、計画的な人員整理もひと段落といった感じです。経営陣が一新して、徐々に才能ある若手が活躍できる体制ができつつあります」(前出フジテレビ関係者)

今回の決断が功を奏するか、競合他社はもちろん多くのメディアが注目している。