女性こそ「不労所得」で精神的な安定を得よう!更年期で苦しんだFPが注力する“高配当株投資”のセオリー

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47歳で更年期障害の症状が現れ始めたファイナンシャルプランナーの高山一恵さんは、「女性は更年期を見据えてライフプランを考えてほしい」と言います。高山さんご自身の経験とお金のプロの視点から、更年期のリアルと対策について、連載でお届け。今回は、働き方を緩めるために注力している高配当株投資について解説してもらいます。(第6回)

どんな株を狙えばいい?

今回は、働き方をシフトチェンジしていくにあたって、私が特に力を入れている配当金での不労所得作りについてお話します。

そもそも配当金は、企業が株主に対して支払うお金です。企業は、得られた利益や配当の方針、今後の業績などを踏まえて配当金の金額を決め、利益の一部を株主に還元しています。株主は、保有している株数に応じて配当金を受け取ることができます。

投資する株は、ずばり「高配当株・連続増配株」です。

高配当株とは、株価に占める配当金の割合(配当利回り)が高い銘柄のことです。

配当利回り=年間予想配当金÷株価で算出されます。

「配当利回りがいくら以上だと高配当株」という明確な基準はありませんが、一般的には3%を超えると高配当だといわれます。

高配当株の4つのメリット

高配当株のメリットには、次のようなものがあります。

●高配当株のメリット1:日々の株価の変動を気にする必要がない

高配当株から得られる配当金はインカムゲインといって、保有しているだけでもらえます。企業が利益を上げ続けていれば、その企業の株を持っている限り、配当金を受け取り続けられる可能性が高いです。

●高配当株のメリット2:配当金の再投資で複利効果が得られる

私の場合、配当金は受け取っていますが、高配当株で得られた配当金を再投資する場合には、より効率よくお金を増やすことができます。

●高配当株のメリット3:新NISAと相性がいい

投資できる金額に上限はありますが、高配当株を新NISAの成長投資枠で購入して保有していれば、定期的に非課税の配当金がもらえる状態を作ることができます。

●​高配当株のメリット4:相場全体の下落に比較的強い

高配当株は、市場の下落にも比較的強いといえます。市場全体が下落しているときには、優良の高配当株であっても一時的に値下がりします。しかし、株価が下落すると配当利回りは上昇します。業績好調の高配当株ならば、割安感から買いが集まります。相場全体の下落に強く、下落からいち早く抜け出しやすい傾向にあるのです。

また、相場不調の時に配当金がもらえれば、辛抱強く回復を待ちやすいですよね。

高配当株投資の注意点

ただし、高配当株投資には注意点があります。それは「配当利回りの高い銘柄に飛びついてはいけない」ということです。

配当利回りの計算式は「年間予想配当金÷株価×100」ですが、配当利回りが高くなるには

・年間予想配当金が増える
・株価が下がる

のどちらかです。

後者の場合、業績の悪化した銘柄である可能性が高まります。

業績悪化が続くと見られる銘柄は投資家が敬遠するため、どんどん株価は低くなる傾向にあります。業績が悪いのであれば、配当金の額も減る可能性は高いでしょう。つまり、配当利回りが高いだけで飛びついてしまうと、損をする可能性が高いというわけです。

高配当株に投資する場合には、業績は好調なのか、財務は健全なのかは必ず確認しましょう。また、そうした、値下がりのリスクや減配(配当金の減額)のリスクを下げるためには、1銘柄や2銘柄に集中投資するのではなく、10銘柄から20銘柄に分散して投資することが大切です。

私も業績や毎年の配当金の推移などを分析し、10銘柄程度に分散して投資しています。

連続増配株って?

では、連続増配株とはどのような銘柄なのでしょうか。

連続増配はトップの花王で31年(2026年3月末時点)。これでも十分にすごいことだとは思いますが、記録としては米国株より短めです。また日本株の多くは配当金が年2回となっています。

こういった企業の株を買い、長く保有し続けることで配当金を受け取るのが基本戦略となります。

もっとも、これまで増配してきた企業が今後も増配するとは限らないことは覚えておきましょう。業績が悪くなれば増配をストップすることもあります。さらには、配当金を少なくしたり(減配)、なくしたり(無配)する可能性もあるのです。

かつて高配当株として知られていた銘柄に東京電力があります。電力株やガス株は不況にも強いディフェンシブ銘柄。そのうえ配当金も高く、人気だったのです。しかし、その東京電力も、東日本大震災後は株価が大きく下落しました。そのうえ、配当金をゼロにしています。

このように、絶対に安全な投資はありませんので、ご注意ください。

高配当株ファンドという方法も

とはいえ、なかなか個別銘柄を選ぶのは難しいという方も少なくないでしょう。その場合におすすめなのが「高配当株ファンド」です。高配当株ファンドは、複数の高配当株に分散しながら投資している投資信託です。

高配当株ファンドには、次のようなメリットがあります。

●高配当株ファンドを活用するメリット1:分散投資が手軽にできる

高配当株ファンドは1本買うだけで複数銘柄に分散投資できます。仮に組み入れられている銘柄のどれかの業績が悪化し、減配や無配になったとしても、他の銘柄からの配当などでカバーする期待ができます。投資信託の運用会社は、銘柄を吟味してときどき入れ替え(ポートフォリオの見直し)を行いますので、手間もかかりません。

●高配当株ファンドを活用するメリット2:積立・再投資がしやすい

株も近ごろは1株から購入できるようになってきました。しかし、購入金額は株価によって変わるので銘柄ごとにまちまち。「1万円ちょうど」などと一定金額で積立投資することができません。

その点、投資信託ならば100円と少額から1円単位で積立投資ができます。毎月いつ、どの商品を、いくら積み立てるかを設定すれば、あとは自動的に投資が進みます。投資信託から得られる分配金も、設定すれば自動的に再投資できるので、複利効果も得やすくなっています。

私も個別銘柄に加えて、高配当株ファンドを活用して、リスクを分散するようにしています。

米国高配当株ETFという選択肢も

また、これまで投資などやったことがないという方は、米国高配当株に投資するETF(上場投資信託)を選ぶのもいいでしょう。ETFは、1本買うことで数十・数百の銘柄に投資するのと同じような効果を得ることができます。

たとえば、バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)、iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV)、S&P500高配当株式ETF(SPYD)などが挙げられます。いずれも、米国の複数の高配当株に分散投資を行います。いずれも手数料(経費率)が0.1%未満と安いのが特徴です。

どれかひとつの銘柄に集中投資してしまうと、その銘柄が暴落したときに大損する可能性があります。しかし、分散投資をしておけば、仮にどれかが値下がりしても、値下がりは限定的です。それどころか、他の銘柄の値上がりでカバーすることもできるかもしれません。

分散投資はリスクを抑え、堅実に増やすのに適した方法なのです。

配当金で精神的な余裕が生まれた

コツコツ高配当株、高配当株ファンドに投資してきて、現在は、年間で得られる配当金は100万円を超えるようになりました。不労所得の金額が大きくなってきたことで、気持ち的にも余裕ができ、今後の働き方についても自分の体調と向き合いながらじっくり考えることができるようになっています。

FIREをするにしてもしないにしても、不労所得を作っておけると、幅広い選択肢の中から選択することができます。さまざまな転機が訪れやすい女性こそ、不労所得を作ることで精神的な安定を得ることができ、生活の質を向上させることができるといえるでしょう。

高山一恵(たかやま・かずえ)
(株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー