スポニチ

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 ◇セ・リーグ 阪神4―3DeNA(2026年4月2日 京セラD)

 今季の阪神・木浪は、とにかくしぶとい。初回、1点を先制してなおも二、三塁。竹田に追い込まれてから4球ファウルで粘り、9球目のフォークを左前に運んで2点を追加した。

 「粘れたことがすごく良かった。1点だけじゃなくて、2点取れたのがすごく良かったと思う。なんとか食らいついた結果だった」

 3回の左前打も2ストライクから直球をとらえた。今季の2ストライク打率は・667(6打数4安打)と、簡単に終わらない。6回には中前打。今季初の6番起用に応え、今季初の猛打賞をマークした。打率・700と好調そのもの。社会人Honda時代にも慣れ親しんだ京セラドームで3戦連続スタメン起用され、躍動した。

 昨季は遊撃を小幡に追いやられ、熊谷にも後れを取った。苦しい1年を通じ学んだことがある。「自分に期待しすぎないこと」だ。

 「(小幡)竜平の調子が下がってきたときに“そろそろ俺だろう”と思って球場に行っても、スタメンに名前がなかった。その翌日に“きょうこそ”と思っても、またない。それを繰り返すうちに、気づいたんです」

 首脳陣を「見返したい」と思ったことは、1度や2度ではない。しかし、出られない理由を探したり、誰かのせいにしても、自分をみじめにするだけだとわかった。たどり着いた答えは「自分ができる準備を淡々とすること」だった。

 今春キャンプでも追う立場だったが、ひた向きに汗を流し続けた。オープン戦で結果を残し、道が開けた。3試合連続でスタメンを任される現状を「試合のためにどう準備するかっていうのをずっとやっている。やるべきことをちゃんとやって臨めていると思う」と浮つくことなく受け止める。移動日に甲子園でゲームがある日は始発の新幹線に乗り、昼前から甲子園で走り始めるのがルーティン。妥協なき男の活躍に、驚きの要素はない。(倉世古 洋平)