【サッカー日本代表】終盤形を変えて伊東純也がゴール! スコットランド代表に勝利

伊東純也の先制ゴール PHOTO:Getty Images
今夏のサッカーワールドカップ(W杯)へ向けて強化を図るサッカー日本代表は3月28日(日本時間29日)、スコットランドのハムデンパークでスコットランド代表と対戦し、後半途中出場したMF伊東純也(ゲンク)が終盤にゴールを決めて1-0と勝利した。
次戦は3月31日(日本時間4月1日)にロンドンのウェンブリースタジアムでイングランド代表と対戦する。
日本が試合終盤、人とシステムを替えて得点を奪い、アウェイでの勝利をものにした。
0-0で迎えた78分、日本は初招集のFW塩貝健人(ヴォルフスブルク)、MF鎌田大地(クリスタルパレス)、DF橋岡大樹(ヘント)を投入して前線を2トップに変更。全体のシステムを3-4-2-1から3-1-4-2へ変えて、攻撃に厚みを持たる形にシフトした。
すると84分、多くの選手が絡んで待望の得点が生まれた。
橋岡の縦パスを受けた伊東がFW上田綺世(フェイエノールト)と絡みながら右サイドから中央、さらにMF中村敬斗(スタッド・ランス)を経由して左サイドへ展開する。
ボールを受けたMF三笘薫(ブライトン)は左サイドをドリブルで持ち上がり、内側を駆け上がったDF鈴木淳之介(コペンハーゲン)にパス。
鈴木がペナルティボックス左から中へ入れると、塩貝がニアサイドで落とし、ゴール前に走り込んだ伊東が右足で捉えて均衡を破った。
この試合では2月末に国際サッカー評議会(IFAB)で承認された親善試合での交代枠新ルールが採用され、1チーム最大11人の交代が可能になった。
今回のアウェイ2連戦を「W杯への選手選考の場とチームの強化」と位置付ける日本代表の森保一監督は、これをフル活用した。
先発には出場機会の少ない選手を多く並べて、トップにFW後藤啓介(シントトロイデン)、シャドーにMF佐野航大(ナイメヘン)とMF鈴木唯人(フライブルク)を起用して、ケガで長期離脱が続いていたDF伊藤洋輝(バイエルン)も1年ぶりに戦列に加わった。
立ち上がりはどこか硬さも見られてボールを失うミスも見られたが、守備のハードワークを続け、前半半ばを過ぎると佐野航大、鈴木唯人らがシュートでゴールに迫るようになる。38分にはMF田中碧(リーズ)が足を振ったが、クロスバーに阻まれて得点にはならなかった。
日本は後半開始から三笘、DF谷口彰悟(シントトロイデン)、DF鈴木淳之介の3人を投入すると、60分過ぎに伊東、MF堂安律(フランクフルト)、中村、上田の4人を送り込み、さらに78分には前述の3人を投入して後半は計10人を入れ替えた。
後半投入された顔ぶれが出場機会の多いメンバーだったこともあって、日本は連係の乱れもなく、攻撃力を上げて得点につなげた。

三笘薫 PHOTO:Getty Images
攻撃のクオリティを求める声
キレのある動きで後半のチャンスメークに絡んだ伊東は、「後半はスペースが空いてきたところでうまく攻撃できた」と振り返り、自身の得点については「ゴールは良かったが、1つ前にもチャンスがあった。そこも決めていればもっとよかった」と話した。
伊東が言う「1つ前のチャンス」とは67分の場面。ロングボールを受けた上田が落したところを伊東が受けてドリブルでゴール前に切り込み、近い距離から狙ったが、相手GKに阻まれた。
ここで得点にはならなかったが、日本は攻撃のリズムをつかみ、その2分後には三笘が決定機を作った。
左サイドを仕掛けた中村からパスを受けた三笘がペナルティボックスに切り込み、相手GKを引きつけて右足で狙ったが、ゴール前に走り込んだ相手に阻まれた。
三笘は昨年9月以来の代表戦で、交代投入直後はシャドーに入り、途中から左ウィングの中村とポジションを入れ替えてプレーしたが、「シャドーの役割は攻撃ではある程度できたと思うし、サイドで数的優位を作ることもできたと思う。いろいろなオプションは出せたかと思う」と手ごたえを示した。
だが一方で、「後半チャンスをたくさん作って勝てたのは良かったが、もう少し安定して2-0、3-0に持っていければよかった」と話した。
78分までプレーした田中も最後のクオリティに言及して、「前半は(ボールを)刺すチャンスに刺しきれなかったりした。
後半は前半ボールを動かしていたのが効いて、ボールも入るようになったが、入った後にシュートで終えるのか1回押し込むのか、そこのクオリティを上げていかないといけない」と言った。

鈴木彩艶 PHOTO:Getty Images
復帰のGK鈴木彩艶が好セーブ
スコットランドは28年ぶりのW杯出場を決めた欧州予選を戦い抜いたメンバー中心の先発で、セリエAで活躍するMFスコット・マクトミネイ(ナポリ)が試合序盤から日本ゴールを脅かした。
前半8分、右サイドでのロングボールを使った展開から、MFジョン・マッギン(アストンビラ)の右クロスにゴール前に走り込んだマクトミネイが合わせる決定機を作った。
前半終了直前にも右サイドからのクロスにヘディングで合わせ、後半序盤にはミドルシュートで狙われたが、いずれもGK鈴木彩艶(パルマ)が好セーブでゴールを守った。
鈴木は昨年10月のブラジル戦以来の出場で、同じくケガから復帰したDF伊藤とともに無失点勝利に貢献した。
GK鈴木は、「ピンチはあったが、無失点で試合を進められたことで最後の得点で勝利につながった。非常に難しいゲームだったが、GKとしてもチームとしてもゼロで抑えられたのはよかったと思う」と振り返った。
この試合では、21歳FW塩貝健人が代表デビューを飾った。得点こそなかったが、中盤での競り合いやポストプレーなど積極的な動きを見せ、決勝ゴールに絡む活躍でインパクトを残した。
森保監督は、「試合中に10人を入れ替えながら戦って、しっかり無失点に抑えて最後に決めることができたのは非常によかった。選手たちが同じ絵を描いてくれて、交代しても流れを崩さずにできた」と評価した。
終盤の2トップへの切り替えについても、「W杯を戦う上で違うシステムで攻撃に圧力をかけて、守備のバランスも崩さない。そこをチャレンジした」と言った。
日本は前回2022年W杯のグループステージで守備を固めたコスタリカ代表をこじ開けられずに苦戦して0-1で敗れた苦い経験がある。堅守で知られるスコットランドを相手に、本大会を睨んで試した打開策の一つだった。
日本代表指揮官は、「W杯に出場する守備の堅いチームに対して、最後に形を変えて点を取りに行き、点を取れたというのは自信になる」と言った。
次は中2日でイングランド代表戦に臨む。
(kk)
