ガソリン「160円→190円」値上げで“通勤手当”が追いつかず赤字に!? 毎月「500キロメートル」走行ですが、今後の“増加額”はどれくらいですか? 今後の支援も確認
月500キロメートルの車通勤ではガソリン代はいくら増えるのか
まずは、価格上昇の影響を見ていきましょう。月500キロメートル走るときのガソリン代は、「月間走行距離÷燃費×ガソリン単価」で計算できます。燃費別のガソリン代は、図表1のとおりです。
図表1
例えば、燃費が15キロメートル/リットルなら、月500キロメートル走るのに必要なガソリンは約33.3リットルです。これを160円/リットルで計算すると約5333円、190円/リットルなら約6333円となり、差額は月あたり約1000円です。年換算では約1万2000円の負担増になります。
燃費12キロメートル/リットルなら差額は月あたり約1250円、燃費10キロメートル/リットルなら月あたり約1500円です。毎月の増額は数百円から千円台でも、年間では無視できない金額となるでしょう。
通勤距離が長い人ほど、燃費があまり良くない車に乗っている人ほど、ガソリン代の増加額は大きくなります。さらに、渋滞が多い道を通る地域では燃費が悪化しやすいため、実際の負担は試算より重く感じられるかもしれません。
通勤手当があっても赤字になるのはなぜか
車通勤では「通勤手当が出ているのに足りない」と感じることがあります。その理由の1つは、通勤手当が必ずしもガソリン実費に完全連動していないためです。実務上は、距離に応じた定額支給や、一定期間ごとに見直している会社も多く、価格が急に上がってもすぐ反映されないことがあります。
加えて、マイカー・自転車通勤者の通勤手当には、税務上の非課税限度額が設定されています。
国税庁によると、例えば片道2キロメートル以上10キロメートル未満は4200円、10キロメートル以上15キロメートル未満は7100円、15キロメートル以上25キロメートル未満は1万2900円などです。限度額を超えて支給された分は、給与として課税対象になります。
通勤手当の支給方法は会社ごとに異なる
通勤手当は、どの会社でも同じルールで支給されるものではありません。支給額の計算方法や対象条件は就業規則や賃金規程によって異なるため、同じ距離を車で通勤していても、会社によって支給額に差が出ることがあります。
まずは、自分の勤務先がどのような基準で通勤手当を決めているのかを確認することが大切です。
ガソリン高騰への補助金はある?
ガソリン高騰により通勤手当では足りないとき、赤字分を補ってくれる公的支援はあるのでしょうか。2026年3月20日時点で確認できる国の仕組みとしては、資源エネルギー庁の「燃料油価格定額引下げ措置」があります。
これは石油元売・輸入事業者に補助金を出し、卸価格を抑えることで小売価格の上昇を抑制する制度です。イラン情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置として、2026年3月19日以降から、ガソリンの場合は30.2円/リットルが支給されます。
ただし、これはあくまでガソリン価格全体を押し下げるための措置であり、車通勤の会社員個人に対して「通勤赤字分を直接補てんする給付金」を支給する制度ではありません。
仮に、補助によって店頭価格が190円ではなく170円まで抑えられたとすると、月500キロメートル・燃費15キロメートル/リットルのケースでは月額約5667円となり、190円時より月あたり約667円負担が軽くなります。
支援には一定の効果が期待できますが、「通勤赤字をゼロにする制度」と受け止めないほうが実態に近いでしょう。
手当と支援の仕組みを踏まえた対策が重要
ガソリン価格が160円/リットルから190円/リットルへ上がる場合、月に500キロメートル走行し、燃費が15キロメートル/リットルの車で通勤すると、月に約1000円、年間で約1万2000円負担が増えることになります。通勤手当が出ていても、支給額によって赤字になることは十分あり得るでしょう。
国の支援も開始されましたが、主に小売価格全体を抑える仕組みのもので、車通勤者個人の不足分を直接補う制度ではありません。まずは勤務先の規程を確認し、通勤手当の扱いと家計負担の両面から対策を考えることが重要です。
出典
資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果
国税庁 通勤手当の非課税限度額の引上げについて
資源エネルギー庁 イラン情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
