20代で“不動産営業マン”の息子は「年収1000万円」と聞き驚き!「ノルマが厳しくて辞める人も多い」とのことですが、激務な分稼げるのでしょうか?“高収入・低離職率”の業界も確認

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20代で年収1000万円を超えていると聞けば、「そんなに稼げるの?」と、おどろく人も多いでしょう。若くしてそれほどの収入を得られる背景には、業界特有の給与体系が関係しています。 本記事では、不動産業界で高額な報酬が支払われる仕組みのほか、高年収が狙えるインフラ業界との比較や、実力主義の厳しい側面にも触れながら、就職を考える際の業界選びのポイントを解説します。

20代で年収1000万円を生み出す不動産業界の仕組み

不動産業界の中でも、特に「デベロッパー」と呼ばれる開発業者や、投資用不動産を扱う売買仲介の分野では、年齢に関係なく高い収入を得られる環境が整っています。その大きな理由は、取り扱う商品の単価が非常に高いことです。
数千万円から数億円という物件を1件販売するだけで、会社には多額の利益が生まれます。そのため、契約を成立させた営業担当者に対し、利益の一部をインセンティブとして還元する歩合制が広く採用されています。
例えば、5000万円のマンションの売買を仲介した場合、不動産会社が得る仲介手数料は、物件価格の約3%にあたる150万円程度になるのが一般的です。
もし会社がその手数料の20%を営業担当者に還元する仕組みであれば、1件の成約につき30万円が基本給に上乗せされる計算になります。このような契約を継続的に獲得できれば、若くして年収1000万円突破も十分可能です。
基本給の設定はそこまで高くせず、成果に応じた歩合給の割合を大きくすることで、社員の競争意識を高め、会社の売上拡大につなげるビジネスモデルが成立しているのです。

全業種トップの平均年収を誇るインフラ業界の安定性

若いうちから高収入を得る可能性がある不動産業界とは対照的に、平均年収の高さで注目されるのがインフラ業界です。国税庁が公表している「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、電気・ガス・熱供給・水道業といったインフラ業界は、平均年収832万円と全業種の中でトップとなっています。
この業界は、人々の生活に欠かせない公共サービスを提供しており、景気の変動に左右されにくい安定した収益基盤があります。
また、インフラ事業には膨大な設備投資が必要で、新規参入のハードルが非常に高いため、大手企業による寡占市場になりやすいのが特徴です。その結果、過度な価格競争が起こりにくく、企業は安定した利益を確保しやすくなります。
ただし、不動産業界のように20代で年収1000万円に到達するような爆発力はあまり見られません。勤続年数を重ねることで着実に給与が上昇し、管理職となる40代以降や勤続20年前後で1000万円に到達するケースが多い、長期的な高収入モデルです。

実力主義の裏に潜む離職率の高さ

高年収の裏には、それぞれの業界特有の厳しい現実も存在します。不動産業界は実力主義の色合いが強く、毎月の営業ノルマを達成し続ける精神力が求められるでしょう。
契約が取れなければ歩合給は発生せず、基本給のみで生活しなければならず、そのプレッシャーから、数年で業界を離れる若手社員も少なくありません。不動産業界の高い給与は、そうした激しい競争に対するリスクの対価とも言えます。
一方でインフラ業界は離職率が低く、長期的な雇用を前提とした安定感が魅力です。ただし、個人の突出した成果が給与にすぐ反映されるわけではないため、成果主義を好む人にとっては物足りなさを感じることもあるでしょう。

高収入で稼げる業界選びのポイント

「年収1000万円」という数字は働く上での大きなモチベーションになりますが、業界選びを収入の高さだけで決めるのは危険です。大切なのは、自分の性格や価値観がその業界の働き方に合っているかを見極めることです。
若いうちから実力を試して大きく稼ぎたいのか、それとも安定した環境で専門性を高めながら長く働きたいのかによって、選ぶべき業界は大きく異なります。高年収はあくまで結果であり、長く健全に働き続けられる環境を見つけることこそが、充実したキャリアにつながるからです。

高年収の裏にある働き方の本質を見極めよう

20代で年収1000万円を超えることもある不動産業界は、高額商材と歩合制による実力主義によって成り立っています。一方で、平均年収トップのインフラ業界は、社会基盤を支える安定性と年功序列による堅実な高収入が特徴です。
高い報酬の裏には、厳しい成果要求や長い下積みといった一面が存在します。高い年収の数字だけを追うのではなく、自分の適性に合った業界を選ぶことが、長期的なキャリア形成において重要になるでしょう。
 

出典

国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー