そしてダラーラが施した処方箋は、まずウルフがピレリに特注したワイドプロファイルのP7タイヤが収まるよう、ワイドフェンダーを装備。ホイールはそのデザインからテレダイヤルホイールと呼ばれる形状の、カンパニョーロ製マグネシウムホイールを採用。さらにサスペンションのチューニングと、ハブの大型化を断行。エンジンはランボルギーニが提供した、ボアxストローク85x73mmの5リッターユニットが提供された。これはプロトタイプに採用された、脆弱なエンジンとは異なるものであったという。

インテリアもF1のステアリングや、4点式フルハーネスのシートベルトなどが装備された。また、ボーク&ベックのダブルディスククラッチや8キャリパーのAPレーシングディスクなども装備された。

これがいわゆる、ウルフ・カウンタックと呼ばれた第1号車であるが、ウォルター・ウルフはこれに続いて、さらに2台のウルフ・カウンタックをダラーラに依頼して作らせている。2台目のモデルはシャシーナンバー1120202、そして3台目はシャシーナンバー1121210であった。3台目の1121210はカウンタックSの初期モデルといわれる。

ロッソビアンコ博物館に展示されていたモデルは、その外観からもわかるようにウルフ・カウンタック。シャシーナンバー1120202のモデルである。ウォルター・ウルフが所有していた時代は、5リッターエンジンが搭載されていたが、売却前に4リッターエンジンに戻されたというから、ロッソビアンコの時代は、少なくともエンジンに関しては4リッターであったようだ。因みに降ろされた5リッターエンジンは3号車に搭載されたと言われている。

文:中村孝仁 写真:T. Etoh