「見え方」で体幹バランスが整う メガネ専門店が届ける49色のカラーレンズ
大分県豊後大野市にある完全予約制のメガネ店が、独自の技法で商品を作っています。カラーレンズやコーヒーかすからつくるフレームなど、使用者に寄り添った一本を届ける男性店主の思いに迫りました。
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49色のカラーレンズが秘める力
豊後大野市大野町で、完全予約制のメガネ店「イノチ」を営む灰谷孝さん(51)。独自の検査技法で最も心地よく、見え方が整うオーダーメイドのメガネを製作しています。
灰谷さんが作るメガネの最大の特徴は、49色のカラーレンズから選ぶ「イノチグラス」。独自の研究から、その人に合う色のレンズをつけるとパフォーマンスが向上するといいます。
検査では、ベースとなる6色の紙を順番に見つめながら片足立ちになり、肩を強く押してもらって安定感を確かめていきます。
渡辺記者:
「灰谷さんにかなりの力で押してもらっていますけど、何かが変わるわけではないんですが、本当に良い色を見たときは、すとんと安定しています」
灰谷さん:
「レンズは色を付けることができ、つまり光の波長を変えることができます。そこでどういう変化が起きるのか知りたいと思ったのが、メガネを作り始めたきっかけです」
大学と共同研究
灰谷さんがメガネを作り出したのは8年前。発達障害を持つ子どもたちを支援する事業を手がけていた際、子どもたちから『本が読みづらい』『人と目を合わせづらい』といった悩みを聞き、目について勉強しました。
灰谷さん:
「目に関する悩みが、視力とは関係なく起こっているのではないかとずっと疑問に思っていました。納得できる答えが見つからず、自分で目とメガネの専門学校に通ったんです」
その後、最初の1年間で400人分を無料で製作するなど、独自の理論を体系化。去年3月には東北大学などとの共同研究により、「レンズの色によって人のバランス調整機能は20%以上変わる」と立証されました。
灰谷さん:
「子どもたちが『片足立ちがめっちゃ強くなった』とか、『このメガネのレンズだと走るのがすごく楽』と喜んでもらえるのが本当にうれしいですね」
トップアスリートも愛用
灰谷さんのメガネは、ミラノ・コルティナオリンピック「スキーノルディック複合」で6位に入賞した山本涼太選手や、サッカー元日本代表の権田修一選手など、一流アスリートや著名人も愛用しています。
各地から問い合わせが来るというイノチグラス。半年ほど前から愛用している豊後大野市の女性は、「コンタクトレンズには戻れない」と話します。
(愛用者の女性)「以前は目の奥に力が入っていて、今はそれがなくなり、すごく見やすくなりました。もうメガネ派です」
コーヒーかすを再利用…肌にも環境にも優しいフレーム
さらに灰谷さんは今年1月、福井県鯖江市の工場と特殊なフレームを開発しました。
灰谷さん:
「これはコーヒー豆のしぼりかすから作ったフレームです。自然素材でできているので、肌につけたときの違和感も少ないです」
日本で1日に2億杯分捨てられるといわれるコーヒーかすを使ったフレーム「earth3」。ほぼ自然由来で、化学物質過敏症や金属アレルギーの人にも優しいメガネです。
視力を矯正するだけでなく、おしゃれをするだけでもない「イノチグラス」。灰谷さんは、カラーレンズがより身近になり、誰もが心地よく暮らせる日常になってほしいと願っています。
灰谷さん:
「例えば学校でも色付きのメガネが、その子を支えるサポートになるというのことが、もっと受け入れられていくと思っています。みんなの中で選択肢みたいになっていくのが当たり前になるといいですね」
