「覚えていない」のに? 女子中学生2人にわいせつ行為をした学習塾経営者が裁判で語った“責任”
女子中学生の衣服の中に手を入れて…
「記憶は定かではないのですが、そういうことがあったんだろうと、認めています」
経営する塾に通っていた2人の女子中学生にわいせつな行為をしたとされる塾経営者は、「記憶が定かではない」としつつも公判で罪を認めるのだった。
「’25年10月2日、千葉県警は学習塾『まえだ塾』(現在は閉鎖)の経営者・前田幹也被告(56)を不同意わいせつの疑いで逮捕しました。前田被告は9月上旬、教え子である10代の女の子の衣服の中に手を入れて体を触るなどのわいせつな行為をした疑いがもたれています。前田被告は『間違いありません』と認めたということです。
『まえだ塾』では時折、卒塾生が講師を務めることもありましたが、経営者である前田被告が主に教えていたようです」(全国紙社会部記者)
前田被告逮捕の一報を受け、『まえだ塾』に子供を通わせていた保護者たちが、「被害に遭ってないか」と自分の娘に確認。次々と余罪が発覚した。
前出の社会部記者が続ける。
「千葉県警は10月23日までに、前田被告を不同意わいせつの疑いで再逮捕しました。’24年7月下旬、教え子の女子中学生Aさんの衣服の中に手を入れて体を触るなどのわいせつな行為をした疑いです。
報道を見たAさんの母親から『娘も被害に遭ったかもしれない』と通報があったのが逮捕のきっかけだったようですが、前田被告は『まったく覚えていません』と容疑を否認していました」
さらに逮捕は続いた。
「昨年8月中旬、教え子の女子中学生Bさんの体を触るなどした不同意わいせつの疑いで同年11月13日に3回目の逮捕となりました。報道を見たBさんの父親から『娘も触られた』と通報があったということです。
検察は最初の逮捕容疑は不起訴にしたものの、AさんとBさんへの不同意わいせつの罪で前田被告を起訴しました」(前出社会部記者)
「何も覚えていない」?
’26年2月18日、千葉地裁で前田被告の初公判が開かれ、即日結審した。
検察官が読み上げた起訴状や冒頭陳述などから明らかになったのは、塾講師と生徒という、抵抗しづらく周囲にも相談しづらい力関係につけ込んだ卑劣な犯行だった。
「被告人は、’24年7月下旬、本件学習塾(まえだ塾)において、当時生徒であったAさんに対し、マッサージをするなどと言って、ストレッチポールの上にあお向けの状態で寝転がらせたうえで着衣の中に手を差し入れ、その胸部を触るわいせつな行為をしました」(Aさんへの犯行)
「被告人は、本件以前から、当時生徒であったBさんに対して『スタイルがいい』などと伝え、その胸囲などをメジャーで測り、メモ用紙に記載していました。そして’25年8月中旬ごろ、Bさんに対し『もう一回、測ってみる』などと伝え、Bさんの着衣の上からその胸囲をメジャーで測り、さらに手で触るわいせつな行為をしました」(Bさんへの犯行)
冒頭のように、前田被告は公訴事実を認めているものの、犯行そのものは「記憶が定かではない」と主張している。被告人質問では、検察官が「事件について何を覚えているんですか」と質問。前田被告は「Aさんの事件に関しては何も覚えていない」と答え、こう続けた。
「Aさんがそう言うのなら、そんな状況があったのかもしれないと思い、被害者感情も考えて、認めた次第です」
Bさんの事件に関しては、塾内の所用を手伝ってくれるBさんに服を買ってあげたいと考え、一度だけ胸囲を測ったことは「覚えている」という。その後、Bさんのサイズを書き込んだ図が出てきたことから「別の日にも測っていたんだな」と気づいたそうだ。
ただ、複数回にわたってメジャーで測ったことや体を触ったことは「覚えていない」として、こう続けた。
「私の生徒だった子がそのように言うってことは、そういうことがあったんだろうと信じただけです」
西沢恵理裁判官が「服のサイズが知りたいなら、『サイズはMとL、どっちがいい?』と聞けばいいんじゃないですか?」と質問すると、前田被告は「はい、そうしたと思いますが、必要以上のことをしました」と答えた。
卑劣かつ巧妙な犯行で悪質
検察官の「16歳未満の未成熟な子どもに対する性的感情があるのか」という質問を前田被告は「一切ありません」と否定。検察官はさらに追及した。
検察官「今回の事件は、わいせつな行為をしたという話ですが、覚えていないし、わいせつな行為をした認識もないから、AさんやBさんを性的対象として見てないということですか?」
前田被告「覚えていないからではなくて、そういう性的嗜好は持っていないということです」
検察官「今回、被害申告があって、こういった事件が起きたことを、あなたは認めています。それは、未成年を性的対象として見ているのかなと思うんですが」
前田被告「なるほど。しかし私の行動は、わいせつ行為が目的だったとは、自分では思っていません」
言葉につかえ、しどろもどろになりながらも、「未成年者を性的な目で見たことはない」と前田被告は主張するのだった。
公判では弁護人によってAさん、Bさんの親権者と示談が成立し、「刑事処罰を望まない」と述べたことが明かされ、最後に論告弁論が行われた。
検察官は「被害者らの性的未熟さにつけ込み、自己の性的欲求を満たす卑劣かつ巧妙な犯行で悪質」などとして「懲役2年」を求刑。一方、弁護人は、「各被害者との間で示談を成立させるなど反省を示しており、親族の監督も期待できることから再犯の可能性は低い」などと主張し、「執行猶予つきの寛大な判決」を求めた。
公判で前田被告は、「いずれの事件も覚えていないと言っていますが、どのような気持ちで示談をして謝罪したんですか」との検察官の質問に、しどろもどろになりながら、こう答えていた。
「本当に自分がやったんだろうか? という気持ちはありますが、被害者感情を考えれば、そういうことがあったんだろうと認めて、謝ることが私の責任だと考えました」
最初の逮捕が報じられ、心配になった保護者から「被害に遭ってないか」と聞かれるまで、AさんもBさんも自身の性被害を打ち明けることができなかった。親に打ち明けたくても打ち明けられずに思い悩む日々を過ごしていたのではないだろうか。
しかし、それは前田被告にとっては「記憶に残らない」程度のことだったようだ。
判決は3月2日に言い渡される予定だ。
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取材・文:中平良
