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衆議院が解散されると、テレビでは「万歳!」の声とともに議員たちが議場を去る光景が映し出されます。今回の高市早苗総理大臣による解散(憲法7条解散)で、今は衆院選まっただ中です。

【写真を見る】衆議院解散で議員ではなくなると大臣の立場はどうなる? 総理大臣や国務大臣ではなくなる? 衆議院選挙の期間中は国の有事にどう対応する?(山形)

でもここで疑問が。衆議院が解散されると議員は全員いわゆる「クビ」となり、議員バッジを外します。では、衆議院議員で総理大臣やそのほかの大臣を務めている人はどうなるのでしょうか。大臣の立場もなくなってしまうのでしょうか。

「すぐに無職に?」と思われがちですが、実は総理大臣や国務大臣(閣僚)たちの立場は、衆議院が解散してもすぐにはなくなりません。理由は、行政機関が完全にストップしては国がパニックになるおそれがあるからです。

では「解散後、大臣たちはどうなるのか?」という疑問を、憲法のルールに基づいてみていきます。

■解散したら「大臣」は・・・

衆議院が解散されると、議員たちはその瞬間に「衆議院議員」としての身分を失います。 しかし、内閣総理大臣と国務大臣はそのまま職務を続けます。これを専門用語で「職務執行内閣」といいます。

○なぜ辞めないの?

日本国憲法第71条にはこう記されています。「内閣は、新たに内閣総理大臣が任命されるまで、引き続きその職務を行ふ」

もし解散と同時に全員が辞めてしまったら、その瞬間に日本のリーダーがいなくなり、外交や災害対応などの行政が完全にストップすることになります。そのため、「次の総理が決まるまでは、今のメンバーが責任を持ってください」というルールになっているわけです。

○大臣たちが「辞める」タイミングは?

大臣たちが正式にその職を退くのは、解散の瞬間ではなく「総選挙のあとの最初の国会(特別会)」です。

議員が国務大臣を務めている場合は(時に民間からの登用もある)、ですから衆議院の解散で議員はバッジは外すことになりますが、大臣の仕事は続くのです。

その後の総選挙は、当然閣僚たちも候補者として選挙戦を戦うことになります。

■大臣が辞めるのは、いつ?

選挙が終わった後の特別国会で、内閣は「総辞職」します(憲法第70条)。その後、新総理の指名が行われ、新しい内閣が発足するという手続きになるのです。

これでようやくバトンタッチ完了です。つまり解散から選挙を経て、新しい総理が決まるまでの期間、国務大臣は「大臣」としての仕事を並行して行うのです。

○「議員」ではないのに「大臣」でいいの?

日本の議院内閣制では、大臣の過半数は国会議員でなければならないとされています。しかし解散によって「国会議員」ではなくなったとしても、「次の総理が決まるまでの暫定期間」に限っては、議員でなくても大臣としての権限を持ち続けることができます。

国会議員として国務大臣になったのに、暫定措置として国会議員でなくなっても大臣ではいられるのです。ちょっと不思議ですが、国家の停滞を避ける意味では重要な仕組みと言えます。

■選挙中の大臣は何をしている?

「職務執行内閣」と呼ばれるわけですが、何でもかんでも自由にできるわけではありません。できることは日常的な行政事務、緊急時の災害対応、外交上の儀礼的な対応などになります。審議・議決機関である国会がないわけですから、新たな決め事はできません。

つまり、新しい大きな政策の決定や、予算を伴う大がかりな新規プロジェクトの立ち上げなどはできないことに。基本的には「現状維持と危機管理」がメインの役割なわけです。

大臣は要人であるわけですから、選挙期間中もSP(警護官)がつき、大臣車で移動することが多いなどなど・・・見た目の「大臣感」はそのままとなります。今回の解散で議員をクビになっても、候補者として国務大臣を続けながら、地元の選挙区を駆け回ることになるのです。