滑り止めの私立大学に入学金「25万円」を支払いましたが、本命合格後に辞退しても返金不可って本当なのでしょうか?

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大学受験では、第一志望校の結果が出る前に「滑り止め」として別の大学の入学手続きを行うケースも少なくありません。 その際、入学金として20万円以上を支払うこともあり、「本命に合格したら辞退するのに、このお金は戻らないのだろうか」と疑問を抱く人も多いでしょう。 本記事では、私立大学の入学金の平均額や、辞退した場合の返金の扱いについて分かりやすく整理します。

私立大学の入学金の平均はいくらくらい?

文部科学省の「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」によると、私立大学の入学金の平均額は24万806円とされています。
大学や学部によって差はあるものの、25万円前後という水準は決して珍しいものではありません。
私立大学を併願校として受けていた受験生にとっては、第一志望校の合否が確定する前にこの金額を支払うことになるため、家計への影響は小さくないといえます。

辞退しても入学金が「返金されない」って本当?

私立大学の入学金は、多くの場合「入学の権利を確保するための費用」と位置づけられており、授業料とは性質が異なるものと整理されています。募集要項や入学手続要項において、「一度納入された入学金は入学を辞退しても返還しない」と明記している大学もあるようです。
これは、入学金が授業を受ける対価ではなく、その大学に入学できる地位(権利)を取得・確保するための費用とされているためです。そのため、実際に入学しなかった場合でも、原則として入学金は返還されないケースが多いのです。

入学金をめぐり、文部科学省が示した対応の方向性

近年、私立大学における入学金の負担については、複数大学を受験して入学金を納付する機会が増えていることや、経済的理由で進路選択が制約される可能性が指摘されてきました。
こうした状況を受けて、文部科学省は令和7年6月付で「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について」という通知を発出しました。この通知は、私立大学に対して以下の3点を要請する内容となっています。


1.各大学が設定する入学料の額や納付時期などの趣旨・考え方について、学生や保護者をはじめとする社会の理解を得られるよう積極的に説明すること。
2.学生の経済的負担を軽減する観点から、入学料の額の抑制に努めること。
3.実際に入学しない学生が納付した入学料の負担を軽減するための方策を講じるよう努めること。

具体的な対応例としては、入学金の納付時期を複数回設定する、入学金の減免制度を拡充する、あるいは事情に応じて返還対応を検討するといった取り組みが想定されています。
これらは通知の趣旨に沿って、学生や保護者の負担軽減を図るための方策として、各大学が柔軟な対応を検討することが期待されています。

入学金負担を抑えるためにできること

文部科学省の通知では、私立大学に対して入学金の扱いについて学生・保護者への配慮を求めていますが、入学金の返還や減免が一律に義務づけられたわけではありません。そのため、受験生側としては、各大学の募集要項や手続条件を個別に確認することが引き続き重要になります。
例えば、入学手続きの期限が比較的遅く設定されている大学を併願校として選ぶことで、本命校の合否を待って判断できる可能性があります。また、大学によっては、入学金の延納や分納制度を設けている場合もあります。
こうした制度の有無や条件は大学ごとに異なるため、出願前の段階で確認しておくことで、結果的に入学金の負担を抑えられるケースもあります。

まとめ

文部科学省の調査によれば、私立大学の入学金は平均で24万806円と高額であり、本命合格後に辞退した場合でも返金されないケースが一般的です。一方で、文部科学省は近年、入学金の負担が進路選択に影響を与えないよう、私立大学に対して配慮を求める通知を出しており、制度のあり方を見直す動きも見られます。
現時点では、入学金の扱いは大学ごとの判断に委ねられているため、受験生や保護者としては、制度の背景を理解したうえで、手続期限や費用条件を踏まえた進路選択を行うことが現実的な対応といえるでしょう。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
文部科学省 私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について(通知)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー