リレーで憧れの先輩・清水鈴奈(左から2人目)にバトンを渡す三好美羽(同3人目)【写真:中戸川知世】

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国民スポーツ大会陸上

 滋賀・平和堂HATOスタジアムで3日から5日間行われた第79回国民スポーツ大会(国スポ)の陸上競技。中学日本記録保持者の三好美羽(広島・暁の星女子高1年)は少年女子B(高1、中3)100メートルに出場し、準決勝で敗退。レース後には大粒の涙を流した。昨年は14歳にして日本選手権の準決勝に進出。今大会は6月にヘルニアの手術を受けてから、わずか4か月での出場だった。手術の決断理由や苦悩、今後の目標を語った。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

 手術から4か月――。高校初の大舞台は悔しさで溢れるレースだった。

 予選は組3着で準決勝に進出した三好。号砲と共に低い姿勢から飛び出し、前に出た。中盤は懸命に粘るも、後半に伸びきれず、12秒17(向かい風0.1メートル)で組6着。昨年に続く、決勝進出はならなかった。

 レース後、大きな瞳から大粒の涙がこぼれた。

「自分の弱さを感じるレースでした。スタート練習が3か月くらいできていなくて、私のスタートの強みが消えかけている。そこを失ってしまったのがとても痛かった」

 神辺西中(広島)3年で出場した日本選手権で11秒95を記録し、14歳ながら準決勝進出。7月の全中で11秒57(追い風2.0メートル)を叩き出し、2010年に土井杏南が記録した中学日本記録(11秒61)を14年ぶりに更新した。

 フジテレビ系「ミライモンスター」でも特集されて話題に。実力はもちろん、Xは1.8万人、インスタグラムは5.5万人のフォロワーを持ち、自身のYouTubeチャンネルを開設するなど、陸上界にとどまらない知名度を誇る。

 しかし、春に進学した地元・暁の星女子高(広島)で1か月後、大きな試練が訪れる。

15歳で手術を決断「大好きな先輩が国スポで引退するので…」

 5月の広島県総体で準優勝。しかし、3月頃に発症したヘルニアが悪化した。「授業中も腰が痛くて、座れない状況。立った時に脚に電気が流れたみたいで、歩くのもしんどい状況だった」と当時を振り返る。

 椎間板ヘルニアの治療法・PLDD手術を6月に実施。代償として7月の日本選手権やインターハイは諦めざるを得なかった。ただでさえ怖さや不安が付きまとう手術。しかも高校入学後の大事な時期と理解している。

 それでも決断したのは、長い付き合いという同じ広島の先輩・清水鈴奈(環太平洋大・4年)の存在があったからだ。

「このままだともう走れなくなると思って、今年中には手術をしないといけないと思っていた。今年は試合に出られるか分からなかったけど、大好きな先輩が国スポで引退するので、リレーで一緒に決勝にいくために、あのタイミングで手術しました」

 手術は成功。ただ、思い通りに練習を積めたわけではない。「走れる時と走れない時があって、痛みが出たら練習をやめるという感じ。継続して練習はできていなかった」と苦悩を明かす。

 8月の福山スプリント記録会でレース復帰。何とか国スポ出場までこぎ着けた。成年少年女子共通4×100メートルリレーで1走を務めた三好は、2走の清水にバトンパス。目標の決勝には届かなかったが、先輩の現役最後の大会で予選、準決勝の2本を共に駆け抜けた。

 清水からも「可愛くて、速くてすごく頼りになる。周りにも元気を与えてくれるのですごく助けられています」と一目を置かれる。まだ15歳。「冬季練習が命だと思うので、冬季を頑張って(来年は)インターハイの決勝にいけるレベルになりたい」。挽回のチャンスはいくらでもある。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)