18年ぶりに市場に登場!戦闘機からインスピレーションを得た、ランボルギーニのワンオフモデル
写真で見るとずんぐりしているが、全高はわずか1,100?。フロントノーズは左右ホイールハウスの前方に”船首”をもつようなカタマランボートのような雰囲気で、レーシングプロトタイプを彷彿とさせるエアインテークが特徴的だ。保守的なスーパーカーデザインから大胆に脱却したスタイリングは、プレグンタの名に相応しいのかもしれない。というのも、プレグンタはスペイン語で「質問」を意味する言葉だからだ。
ベースとなったディアブロから大幅な変更が加えられている。5.7リッターV12エンジンは最高出力537PSまでパワーアップされ、ディアブロが主に4輪駆動だった時代にあえて後輪駆動のみとすることで、よりピュアなドライビング体験を追求した。この変更に伴い、前後重量バランスを最適化するためにラジエーターは前方に移設されている。5速マニュアル・トランスミッションと組み合わせ0-100km/h加速3.9秒、最高速度333km/hという当時としては目を見張る性能を誇っていた。
車内は戦闘機のコクピットをモチーフとし、集中力を高めるドライバー席と快適性を重視したパッセンジャー席に分けられている。両席を隔てるセンターコンソールの”C”ラインを眺めていると、ブガッティ・シロンのデザインに影響を与えたのではないか、と思えてくる。アズールブルーのアルカンターラで仕上げられた航空機スタイルのシートに、マニエッティ・マレリ製F1由来のデジタル・メータークラスター、DGAファイバーオプティック照明、サイドミラーに代わるリアビューカメラと中央LCDスクリーン、BCI製クリスティーヌGPSナビゲーションなど、当時としては最新鋭の装備が搭載されている。
2007年にフランスで開催された旧車の祭典、レトロモービルでの展示を最後に、プレグンタはコレクターの手に渡った、と記されている。よくよく調べてみると、フランス・カンヌにある「オートドローム」というレヴィ3兄弟(クロード、ミシェル、ネルド)が営む趣味と実益を兼ねたクラシックカー専門店が所有してきたようだ。この時の取引価格は160万ユーロ。あれから18年、クラシックカーの市況は大きく変わっている。
2014年にはランボルギーニ・ポロストリコの認証を取得し、2021年にはランボルギーニのヘリテージ部門によってサービスと点検が行われ、その後サンタガタのムゼオ・ランボルギーニにて展示されていた付加価値も付いた。車両デザインにおいて戦闘機からインスピレーションを得るという手法は、現在に至るまでランボルギーニにとって重要なデザイン・アイデンティティにもなっている。その元祖が、プレグンタである。
オークションはさぞ盛り上がることだろう。
文:古賀貴司(自動車王国)
