「Assetto Corsa EVO(アセットコルサ EVO)」早期アクセス版レビュー クルマに乗っている感がハンパない! プロも練習に使うレーシングシミュレーターの最新作が登場
1月17日 早期アクセス開始
価格:4,950円
「Assetto Corsa EVO」
505 Gamesは、KUNOS Simulazioniが開発するレースゲーム「Assetto Corsa EVO(アセットコルサ EVO)」アーリーアクセス版の配信を1月17日に開始しました。価格は4,950円。今回は約6年半ぶりに発売されるシリーズ最新作についてレビューをお届けします。
「アセットコルサ EVO」は前作の「アセットコルサ コンペテツィオーネ」と比較するとGT車両だけでなく、様々なクラスのクルマをラインナップした新作です。現在はアーリーアクセス版という段階であり、順次ゲーム内のコンテンツが拡充されていく予定となっています。しかし、現在のバージョンでも非常に奥が深いクルマの挙動を感じ取れる作品で、それを実現するドライビングアシストなど、これまで感じたことのない没入感が得られる作品に仕上がっていました。
【Assetto Corsa EVO Announcement Trailer】シミュレーターの領域へ。レーシングゲームの「Past&Future」
【アセットコルサ シリーズ最新作が登場!】
レースの場面から
美しいグラフィックス
素晴らしいクルマのモデリング!
まず初めに本シリーズの歴史について簡単に振り返りたいと思います。クルマやレースを題材とするものはビデオゲーム黎明期のころから存在しているジャンルで、固定画面内を駆け巡ったり、縦スクロールで画面の上から降ってくるように出現する敵車をよけたり、ラスタースクロールやスプライトを多用した疑似3D、ポリゴンを使用した本格3Dなど年々進化を感じられるゲームジャンルです。その多くがアーケードゲーム発で筆者もゲームセンターに通いつめたものです。
家庭用ゲーム機にポリゴン機能が搭載されて、プレイステーションの「リッジレーサー」(ナムコ)やセガサターンの「セガラリー」(セガ)などが登場。グラフィックスなどはアーケード版には及ばないものの、高度なレースゲームがコンシューマー機にも当然のごとく登場してきました。
続々と進化を続けるコンシューマー機に「グランツーリスモ」(SCE)というさらに数段上を行く“リアルドライビングシミュレーター”というジャンルが登場します。その名の通りステアリング・アクセル・ブレーキを繊細にコントロールし“荷重移動”を意識しなければ速く走ることができない……物理演算を取り入れた、まさに「シミュレーター」ともいうべきゲームに皆驚かされました。
コンシューマー機より潤沢なリソースを用意出来る(その分値段は張りますね)PC界隈では怒涛のウルトラスペックを持ったレーシングシミュレーターがいくつも登場してきます。そんな中でもシミュレーションレベルが高いタイトルとしてイタリアのKUNOS Simulazioni/505 GAMESによる「Assetto Corsa(アセットコルサ)」が2014年に登場しました。
【アセットコルサ】
PCレーシングシミュレーターを代表する記念すべき初代アセットコルサ。そのクルマの挙動に驚かされた!
登場するやクルマの挙動などそのシミュレーション精度の高さが群を抜いていてあっという間にファンを獲得します。さらに「アセットコルサ」が高い評価を得ているのは精度の高さだけではなく「MOD」と呼ばれる拡張データを取り入れられることがとても大きい要素でした。
MODは公式メーカーからではなくファンや外部デベロッパーが車両やコースなどのデザインを行ないそれを共有しあうことで2025年の現在もいまだに第一線で楽しまれています。そんな中でも東京の首都高を再現した“Shutoko Revival Project”はファンが多いMODですね。
MODを導入してゲームを拡張。リアルな東京の首都高を走れる!
2019年には同社から「Assetto Corsa COMPETIZIONE(アセットコルサ コンペティツィオーネ)」が登場します。Unreal Engine 4をベースにさらに作りこまれ、挙動やグラフィックスに一層の磨きをかけGT3車両によるレースの臨場感を完全再現しているソフトになっています。
「アセットコルサ」のようなMODによる拡張はさほどありませんが、GTワールドチャレンジの再現を目指して“ゲーム/eスポーツ”としての完成度を高めるゲームメニューやシステムが組まれています。こちらはPS5/PS4/Xbox Series X|Sでも遊べ、eスポーツとしての展開も行なわれています。
【アセットコルサ コンペテツィオーネ】
進化し、“競技”に昇華した新アセットコルサ。クルマの挙動とグラフィックスがさらに極まった!
そして今年1月17日、ついに新作「Assetto Corsa EVO(アセットコルサ エヴォルブ)」が登場しました。コンペテツィオーネでは車種がGT車両だったところを、今作では様々なクラスのクルマでドライブできるようです。
現在は“早期アクセス版”としてのリリースとなり今後マルチプレイヤーモード/ドライビングアカデミー/特別イベント、もちろんクルマやコースなども追加されていくようです。正式バージョンはこれから1年以内に登場とされていますのでそれまで進化と成長を楽しんで、そこからさらに究極のレーシングシミュレーターへ発展していく特別な時間を共に過ごせます!
【Assetto Corsa EVO Early Access Launch Trailer】 【現在の開発ステータスと今後の展開予定】
“CONTENT DROP 1”にて2台の新車と新コース「富士スピードウェイ」が追加される!
早期アクセス版をさっそくプレイ!
それではさっそく「アセットコルサ EVO」をプレイしてみましょう。前述の通りアーリーアクセス版となっているため、まだまだ遊べる内容は100%ではないのですが基礎となるシングルプレイヤーはもちろん遊べます。“エヴォルブ=進化”と題された今作のフィーリングはどうなっているのかとても楽しみです!
なお、本レビュー内容はv.0.1.2からv.0.1.4までのものを使用しています。大きな変更がなかったものは古いバージョンのものを使用している場合があります。
【アセットコルサ EVO:メニュー構成】
メインメニュー画面
この画面でも視点操作が可能、クルマをぐるぐる見渡せます
背景も選択可能
石畳に車を置いてみました。天候や時間も選択できます
今後さらに様々な背景が選べるようになると楽しさが増します!
ドライブ:シングルプレイヤー ※スペシャルイベントはまだ選択できません
ビークル:クルマを選択、カスタマイズできます ※ディーラーはまだ選択できません
アカデミー:ライセンス取得ができます ※まだ選択できません
ドライバー:プレーヤーのプロファイルを登録できます ※現在選択不可
セッティング:コントローラーやグラフィックス・サウンド等の設定ができます
現時点で乗れるクルマ16メーカー20車種となっています。それぞれドアやボンネット類が開くようになっていて電装系もシームレスに触ることができます。とてもリアルに再現されたクルマの各部のディテールを確認できますし、色を変えたりできて自分好みのクルマを作る仕組みが用意されています。
【クルマを隅々まで眺める】
現在選べるのは16メーカー20車種!
ドアやボンネットが開き、灯火類も光ります
リアルに再現された車内の様子も見ることができます
クルマはカスタマイズでき、カラーリングや一部パーツの交換(クルマによります)が変更できます。カラーチャートによる微妙な色合い、メタリック調なども細かなディテーリングが適用できます。
【クルマのカスタマイズ】
外装や内装のカラーリングが変更できます。変更可能な場所は車によって違います
クルマによってはパーツ交換ができ、このロータス エミーラはホイールが変更できます
今後パーツが増えることに期待したい!
各メニューはとても直感的でゲームに慣れた方であればよく知った構成となっています。ドライブメニューからシングルプレイヤーを選び、レース形式・サーキット・クルマを選べばとにかく走り出すことができ、難しく思えるシミュレーターの世界へのハードルが低く抑えられている印象です。
サーキットはブランズ・ハッチ、イモラ、ラグナ・セカ、マウント・パノラマ、鈴鹿と有名どころが揃っていて初回から鈴鹿が入っているのがうれしい限りです。どれも簡単なサーキットではなくレーシングスピードで走るクルマを正しくコントロールしないと速く走れないコースばかりとなっています。今後のアップデートで富士スピードウェイの追加が予告されています!
【ドライブメニュー】
ドライブモードのシングルプレイヤー画面。サーキットやコンディション、クルマの選択ができます
走れるサーキットは現時点で5種類8パターンのレイアウトが選べます
天候も細かく設定できます
さぁ、走るぞ!
気になるパフォーマンスをチェック!
レーシングゲームを語るうえでとても気になるのはグラフィックス設定に対するfps(フレームレート)ではないでしょうか。ここではなるべく一定の条件でいくつかのパターンで計測してみました。
筆者の環境は以下に画像として掲載しましたのでそちらをご覧ください。4Kテレビ・3画面モニター・VRヘッドセットを1つのPCに接続しています。fpsは「NVIDIA GeForce experience」でのパフォーマンス表示を見ています。
【今回のプレイ環境】
基本的に各種ドライバー・ファームウェアは最新のものを使用しています
実際パフォーマンス表示を見ていると車内/車外視点でパフォーマンスが大きく違い、車外視点のほうがパフォーマンスがよいようです。
【パフォーマンスチェック】
ブランズハッチで全10台のGR86によるクイックレース
車内視点
車外視点
プレイ中でもグラフィックス設定を変更することが可能です。メニューを出して(ポーズ状態になります)操作していく必要はありますが、例えばVERY LOWからULTRAへ変更したときの変わりようが凄くて驚かされます。
【「VERY LOW」と「ULTRA」の違い】
それぞれの設定
VERY LOWとULTRAではオブジェクトの表示数や影の処理、窓ガラスへの映り込みやボディの反射など光のまわり方に特徴があるように感じました。それによって影やテクスチャー(オブジェクトのサーフェイス)の質感のコントラストがくっきり浮き上がってきて空気感さえリアルに感じられることと思います。動画のほうが伝わりやすいと思いますので、そちらもご用意いたしました。
【「Assetto Corsa EVO」グラフィックスの違い】 【結果】
モニター1画面ではそれぞれ20~30FPS程度下がり、3画面では10FPSほど低下する結果に。まったくプレイできない! 程ではありませんが、パフォーマンス向上に期待です
先日リリースされたv.0.1.4では描画パフォーマンスが上がりました! 特にFHDと3画面において素晴らしいパフォーマンスアップとなっています。このアップデートには他にいくつかの修正が含まれています。
【結果(v.0.1.4)】
FHD解像度で倍増に近いパフォーマンスアップ! 3画面でのプレイ時もFPSが向上しています
「アセットコルサ EVO」では前作からさらにクルマの挙動やグラフィックスにもリソースが割かれているようだという印象を持ちました。アプリケーション自体の最適化もまだまだと思われますし、今後GPU側のドライバや個別ゲームに対する最適化もあるでしょうからこの結果は相当変わってくるものと思われます。
なお、筆者の環境では初代「アセットコルサ」のコンテンツマネージャー、カスタムシェーダーパッチ、首都高MOD等をインストールした3画面環境で150fps前後出ています。今後の仕上がりが超絶楽しみになってきた「アセットコルサ EVO」ですが、これを機にPCをアップデートするとこれから数年充実した時間を楽しむことができそうですね。
「アセットコルサ」シリーズはその挙動に驚かされる!
それでは実際に走ってみましょう! ここではラグナ・セカ、イモラ、鈴鹿(ドライ・ウエット)での走行を試してみました。動画は各サーキットでのクイックレースの1周目を車内視点(前半)とリプレイ(後半)で収録してあります。v.0.1.4で解像度は1,920x1,080のFHD、グラフィックスはULTRA設定となっています。
【ラグナ・セカ】
コークスクリューが有名なラグナ・セカをワンメイクレースが行なわれたマツダ ロードスターで走る
【「Assetto Corsa EVO」ラグナ・セカ 走行映像】 アセットコルサシリーズはリアルなグラフィックスも定評ですが、なによりクルマの挙動が魅力で“タイヤのグリップを感じる”・“グリップの限界やそれを超えた先が見える”・“未来予測ができる”といったクルマに乗りサーキットを走っていることをステアリングコントローラーやグラフィックス、サウンドからとても情報量豊かに感じ取れるという素晴らしいシミュレーターです。
【イモラ】
F1も行なわれる有名なサーキットをポルシェで走る!
【「Assetto Corsa EVO」イモラ 走行映像】 リアルにサーキットを走ったことをある方ならわかっていただけると思いますが、実際には思ったより滑ったり、思ったより止まったりとクルマの挙動というのはとても奥が深い物だと気づかされます。アセットコルサでも限界を超えた先での“もう一、二歩”を感じられ、対応することができるくらいの奥深さがあります。例えるならこれまで1秒を100で割っていたのを、200や300で割るようなイメージです。ですがダメなものはダメなので、その限界を探って速く走るのです!
【鈴鹿サーキット:ドライ】
日本が世界に誇る鈴鹿サーキットをGR86で走る!
【「Assetto Corsa EVO」鈴鹿サーキット(ドライ)走行映像】 【鈴鹿サーキット:ヘビーレイン】
ヘビーレインでは巻きあがる水しぶきとフロントガラスの水表現に注目!
【「Assetto Corsa EVO」鈴鹿サーキット(ヘビーレイン)走行映像】 「アセットコルサ EVO」では最近のクルマに装備されることが多くなってきたドライビングモードを変更する機能が実装されています。“SETTINGS”メニューから“CONTROLS”にて“Performance Mode Previuos/Next”にボタンやキーを割り当てればプレイ中に切り替えることができます。
GR86で試してみるとメーター表示が変わることが確認でき、実車ではTRACKモードにするとVSC(ビークル・スタビリティ・コントロール)やTRC(トラクション・コントロール)などの制御特性が調整され、よりスポーティーな走行が可能となるのですがこれも走ってみると違いを実感できます。これは凝ってますね!(ドライビングアシスト:PROがオススメ!)
【ドライビングモードを変えることができる!】
コントローラー設定で指定可能
GR86 TRACKモード
GR86 ノーマルモード
今回のレビューではドライビングアシスト“BEGINNER”での走行で収録しましたが“PRO”にするとそれはもう繊細なステアリング・アクセル・ブレーキの操作が必要になります。これは「アセットコルサ EVO」の挙動の素晴らしさを全開で楽しめるモードとなります。まったくもって気を抜けなくなるのでぜひ挑戦してみてください!
BEGINNERではドライビングアシスト効果でアーケードライクなドライビングが可能です。ブレーキを急にグイっと押し込んでリアをわざとブレイクさせ、微妙なアクセルワークで薄くドリフトさせてコーナーをうまく抜けていくとそれはそれで楽しい感覚が味わえました。もちろんPRO設定のつよつよドリフトでコーナーを駆け抜けるのも超絶楽しい!
次にVRと3画面でプレイしてみました。VRは一人称視点のレースゲームにとにかく親和性の高いデバイスで唯一無二の没入感はすばらしいはずですが、現状フレームレートなどまだまだこれから熟成が進むものと思われます。なお、今回の動画はPC上でキャプチャーされたものをクリッピング及びサイズ調整したものとなります。
【「Assetto Corsa EVO」VRでのプレイ映像】3画面を試してみて驚きました。筆者個人的な感想ではありますがこれまで感じたことのない没入感が得られたのは衝撃的です。3つの画面の奥に空間を感じられたので正直VRいらないかも? と思ったのも事実です。“TRIPLE SCREEN”のON/OFFができるので調整されているのでしょう。とにかく“クルマに乗っている”感がハンパない!
【「Assetto Corsa EVO」3画面でのプレイ映像】最後に前作「アセットコルサ コンペテツィオーネ」と比較しての挙動の比較ですが、前作では硬派なGT3車両をドライブするということもあり車両の電源ONからエンジン始動といった一連のレースカーを始動するための手順から始まり、いざコースに出てみるとミリ単位とも思える操作を要求されるまさに“レーシングカーを運転する”といった感触でした。
「アセットコルサ EVO」の現時点での印象は、もっと一般的なクルマのシミュレーションを実現することでガチガチの国際レースというよりは、公式ワンメイクレースに近い印象でさっとレースに出れる、という印象を持ちました。初代から継承される挙動の良さはそのままに、さらにブラッシュアップされてきているので“クルマをレーシングスピードで走らせる”ことの醍醐味は存分に味わえるようになっていますし、アシストOFFでキレッキレになったクルマとの会話をたのしむこともできます。
そして、現状のパフォーマンスで「レースはできるのか?」といった点ですが、v.0.1.3の時点でそれほど気にはならなかったのが正直なところです。たしかにフレームレートがバタつくことはあったのですが、30fps位出ていればブレーキングポイントがおかしくなったりもしませんでしたから内部での処理はもたついていないと思われます。v.0.1.4で向上したフレームレートではさらに良い結果が得られると思います。
アプリのインストール直後はXboxコントローラーでプレイしてみたのですがLRトリガーで十分にハンコンと同じレベルのアクセル・ブレーキワークができました。限界ぎりぎり・ちょっと超えたところもしっかり判断でき、「あ、これはアセットコルサだ!」という感覚になりました! ダイレクトドライブのハンコンならなお素晴らしいドライビング体験が得られます。タイヤのスキール音も左右で細かく再現されていてタイヤの接地情報が得られるので注目してみてください!
「アセットコルサ EVO」の今後の展開に超期待!
約1年後の正式リリース前でも大小のアップデートや機能追加・変更が行なわれていくようで、今回(v.0.1.4)での描画パフォーマンスの向上はリアルタイム・アクション要素の高いゲームはfpsが重要ですからうれしい内容でした。
【アセットコルサ EVOの進化に期待!】
「アセットコルサ EVO」はレーシングカーだけでなく一般的なクルマを走らせられる、という点が大きな特徴ですから今後さらに様々なクルマが追加されていくものと思われます。筆者個人的にはフォーミュラ系の追加も期待しつつ「アセットコルサ EVO」のさらなるエヴォリューションを楽しみたいと思います!
今回の結果から筆者はNVIDIAの新型RTX5000シリーズを入れたい! と思いましたが、そうするとマザーボードから全交換が必要となりほぼ新規PCを組む感じになりそうです。前回約5年前でしたからアリだと思いますが……40万円以上コースかぁ……予算組みます!
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