運転中のイヤホン使用は違反?都道府県によっては合法?自動運転車ではどうなる
運転中にイヤホンを付けるのは違反?
車を運転するドライバーは、運転中にイヤホンを耳に装着していたら交通違反となるのでしょうか。
結論から述べると、警察庁の管轄にある「道路交通法」では直接的にイヤホンの使用条件が記載されておらず、「使ってはいけない」と書かれたルールが存在していません。
ただし、状況次第では運転中にイヤホンを使っていた結果、交通事故を起こしてしまうケースも考えられます。そのような場面ではイヤホンを使用していたのが原因とされる責任問題に発展する可能性も否めません。よほどの事情がない限りイヤホンを使用するのは避けるべきでしょう。
■“安全運転の義務”に引っかかる可能性が!
明確にイヤホンを付けての交通違反が道路交通法に記載されていない一方で、“安全運転の義務”に引っかかって責任問題に発展する可能性があります。
道路交通法第70条で、車両を取り扱うドライバーは運転操作を正確に行わなければならないと記載されているのは注目すべきポイントです。
第七十条:(安全運転の義務) 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
出典:「道路交通法」(e-Govポータル)
もし、安全運転義務に違反してしまうと、以下のとおり運転免許へ違反点数が課せられたり、反則金を支払ったりすることとなります。
・安全運転義務の違反点数
・安全運転義務違反の反則金
■“ながら運転”をしないためにイヤホンを付けている場面も
近年は道路交通法の厳格化により、スマートフォンを使って通話をしていたり、画面の確認を行っていたりすると、警察による取り締まりで“一発免停”などの処分を受ける仕組みとなりました。
厳しい厳罰処分を避けるべく、ワイヤレス・bluetoothのイヤホンマイクを耳に装着して、車を運転している人も見かけます。運転中に取引先との連絡など事情があるのかもしれませんが、スマートフォンに触れずやり取りをするためにイヤホンマイクを使用するケースがあるようです。
しかし、前述のとおり、運転中にイヤホンマイクをしていると道路交通法70条で示された“安全運転の義務”に引っ掛かる可能性があります。交通事故を起こしたら責任を問われるかもしれません。
イヤホンを付けての運転は都道府県によっては合法
イヤホンを装着した状態での運転は、都道府県によっては禁止条例が定められていないためお咎めなしとなっているケースもあります。
しかし、禁止条例が定められていないのはごく一部の都道府県に限られており、ほとんどで禁止条例が設けられているのが実情です。前述の道路交通法に明文化された“安全運転義務”と同様で、警察の取り締まりを受ける可能性があります。
■“イヤホン装着”は各都道府県の条例でどう扱われている?
それでは、イヤホンを装着しながらの運転を条例で取り締まっている都道府県では、どのような文面で禁止を示しているのでしょうか。
違反の取り締まり自体も、完全な“黒”ではなく“グレー”の扱いとなる可能性があり、合法か交通違反かの判断が難しいです。
特に、トラック運転手や営業車を用いて仕事している労働者であれば、あらかじめ都道府県の条例を確かめておくとよいでしょう。
以下、東京都や神奈川県、埼玉県の交通条例からピックアップしてみました。
・「東京都道路交通規則」(東京都)
第8条(5):高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。
出典:「東京都道路交通規則」
・「神奈川県道路交通法施行細則」(神奈川県)
第11条第5号:大音量で、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽等を聴く等安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で自動車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと。
出典:「神奈川県道路交通法施行細則」
・「埼玉県道路交通法施行細則」(埼玉県)
第10条第7号:高音でカーラジオ等を聴く、イヤホーン等を使用してラジオ等を聴くなど安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。
出典:「埼玉県道路交通法施行細則の一部改正(平成21年7月1日施行)」
イヤホンを付けながら運転する危険性
イヤホンを付けた状態で自動車を運転するのは、交通事故を引き起こす要因となりやすいでしょう。
都道府県ごとの交通に関連した条例をチェックしていても、サイレンやクラクション、踏切の音、あるいは警察官の指示が聞こえないような音量で音楽を聴く行為が交通違反の対象となる可能性があると考えられます。
これらの要素から、運転への集中力を妨げる恐れがある行為として、イヤホンの装着は危険だと判断すべきではないでしょうか。
自転車を運転しているときはイヤホンOK?
「自転車」であればイヤホンの装着は合法なのでしょうか。残念ながら、自転車でも自動車と同様、イヤホンの装着は道路交通法違反には該当しません。
しかし、都道府県によっては道路交通法施行細則が定められていて、走行中のイヤホン使用は取り締まり対象に含まれているケースがあります。
道路交通法において「車両」は自動車、「原動機付自転車」(原付バイク)、「軽車両」及び「トロリーバス」を意味しています。この中で、自転車は軽車両に含まれるのです。
また、近年増えている「骨伝導イヤホン」は耳を塞がないで使っているものの、取り締まり対象になる可能性があります。耳を塞いでいる・いないに関わらず、運転中のイヤホン使用が違反行為に当てはまると考えるべきです。
