危機は続くが産業人・経営者の士気は高い!【私の雑記帳】
コロナ禍は、ひと山を越えたが、ウクライナ危機はまだ続く。日本国内は人口減、少子化・高齢化や財政難が加わり、先行きはとても楽観できる状況ではない。
救われるのは、産業人・経営者の士気が高いことだ。
「人々の生活を豊かにすることに貢献したい」という夢を持って23歳の時に起業した似鳥昭雄さん(1944年=昭和19年生まれ)もその1人。
似鳥さんは旧樺太(現サハリン)生まれで、生まれて間もなくの終戦直前に、母親に抱かれ北海道に引き上げてきたのだが、実に開拓者魂の旺盛な人。
「人のやらないことをやる」のが信条。家具店から出発し、札幌で店を始めた当初は、「自分は口下手だし、ドモリがち。店頭での販売は全部女房がやりました」と語る。本人は商品の仕入れに奔走。
夫婦2人で協力しながらの起業だったが、こうしたらお客様は喜ぶのではないか─という視点に徹し、商品開発を進めてきた。
問屋を介さず、産地を直接訪ねて仕入れるというやり方だから、業界関係者からは睨まれた。
津軽海峡を越えて、青森など東北地方に仕入れに行くにも、常に〝妨害〟が入り、最後には九州・大川(福岡県)にまで足を運んだというのも昔の話。
そうやって、いろいろな事を体験し、今では海外に自前の工場を持ち、SPA(製造小売業)という形態を家具・ホームファッション分野で構築した。
何事も、諦めない。自分の夢を果たすまで走り続けるという似鳥さんの踏ん張りである。
チャンスはいくらでも
その似鳥さんは、日本の市場で生き抜くためには、「シェアを増やすか、人のやらない事をやる。そうやっていけば生き抜けるし、日本にも成長するチャンスはいくらでもあります」と強調。
〝本業〟の家具は今や、全売り上げの33%しかない。ホーム(家)関連の商品開発を進め、扱う商品も増えてきた。家電販売チェーンのエディオンと提携するなど、関係する企業群も増えている。
今、日本の家計は子供の教育費負担などで厳しい状況。
「大学生が1人いると、4年間で1千万は必要ですからね。子供2人となると大変な負担」と、日本の現状をどう改革し、将来をどう設計していくのかにも、似鳥さんの関心は高まる。
そうした状況の下、似鳥さんは中長期視点で、今後のニトリホールディングスの経営を考える。
アジアの成長の取り込みはもちろんのこと、「30年後の自分たちの夢、計画を立て、そこから逆算して、今、何をやるべきかという発想です」と似鳥さん。
2023年3月期まで、36期連続の増収増益(経常利益ベース)を達成。これからも成長路線を実行していくと、士気は高い。
新日本科学の挑戦
米中対立などの〝デカップリング〟(分離)の話が強調されがちだが、経営の領域ではグローバルという視点が益々強まっている。
新薬開発に欠かせないCRO(臨床試験受託)業務。その中でも前臨床試験受託で最大手の新日本科学。1973年(昭和48年)5月設立で今年50周年を迎えた。父親の跡を受け継いで社長を務める永田良一さん(1958年生まれ)は米国でもCRO事業を手がけるなど、グローバルな視点を持つ経営者だ。
CROという業務は、新薬開発を進める製薬企業から仕事を受託するわけだが、その開発中の新薬が本当に効果を発揮するのかどうかを治験で確認する。
以前は、製薬企業が自ら治験を手がけていたが、新薬開発は巨額の研究開発費用と歳月を要する。治験も専門の企業に任せたほうが効率的ということで、CRO業務が注目されるようになった。
